『看護学生のための社会福祉読本』の内容を一部公開しています。
『看護学生のための社会福祉読本』は、
第94~110回の過去17年間の看護師国家試験問題のうち
社会福祉士国家試験との共通問題を約1300問と
第100~107回の過去8年間の保健師国家試験問題880問のうち、
統計学の計算問題等を除いて700問程度を解説して文章化したものです。
今回のテーマは「ルービンの母親役割獲得過程」です。
ルービンによると、母親役割獲得の過程は5つの認識的操作を行いながら、児と心理的絆形成をして進むとされています。
■ルービンの母親役割獲得過程
➀模倣:先輩母親や専門家を手本として模倣する |
②予行練習:子供を対象にして母親役割を演じる(ロールプレイ) |
➂空想:母親として生活している自分と子を空想してみる |
➃空想した態度や行動を母親像として自分に投影して、それを受け入れるか拒絶するかを決定する(取り込み・投影・拒絶) |
➄同時に過去の自己像を喪失したものとして悲しみ諦める(悲嘆作業) |
ルービンは、新生児が誕生してすぐに母親としての母親の愛着形成が起こることはなく,徐々になされるものとして、母親への適応過程を①受容期、②保持期、③解放期の三段階に分けました。
■ルービンの母親適応過程
➀受容期:受容的で依存的な態度を示す。子どもの確認に関心を示す。 |
②保持期:自立的な状態に移行する。積極的に育児技術の修得を行う。 |
➂解放期:母親役割を受け入れる。子どもに合わせて自分の生活を整える。 |
マーサー(1981)は母親役割獲得過程を、「母親はわが子に愛着を持ち、母親行動の脳力を身につけ、その役割に楽しみと満足を表現するようになる期間を通じて起こる相互的・発達的過程」と定義しました。また、アメリカの小児科医クラウスとケネルは、未熟児が児童虐待のハイリスク要因になることから、未熟児で保育器に入れられた赤ちゃんは、母と子の絆(きずな:ボンディング)が出来にくくなるとして「母子相互作用」という考え方を発表しました。母子のふれあい(相互作用)によって母と子の絆が促進されると提唱したのです。
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