社会福祉の用語に「社会資源」という言葉があります。
「社会資本」「社会関係資本」や「社会的資源」と紛らわしいので要注意です。
さて、紛らわしい言葉を区別できるようになりましょう。
インフラって小学校の社会の授業で習いましたか。
インフラストラクチャーは「社会資本」の事です。
「社会資本」とは、国民福祉の向上と国民経済の発展に必要な公共施設のことです。
例えば、道路、上下水道、電気、ガス、電話、公共交通機関、学校、病院、港湾、空港、公営住宅、工業用地などです。
その他諸々の社会に整備されている公共で利用できるものです。これは小学校で教わる一般常識として大丈夫ですね。
福祉的援助のために利用できる全てのものを「社会資源」と言います。
「社会資源」は、援助のために利用できる全てのものの総称です。
分類方法は色々あり、フォーマル資源とインフォーマル資源で分けるとか人・物・制度で分けるとかです。
「物的資源」「人的資源」「制度的資源」などです。
とにかく、社会に存在して援助に使えそうなモノは社会資源に含めます。
「社会関係資本」は、「ソーシャルキャピタル(人間関係ネットワーク)」のことです。
「社会資本」が「整備されたインフラ」なのに比べて間に「関係」が入っただけなのに、
キャピタル(資本)に変わり、そのまま訳すと社会資本になってインフラと区別をつけ難いですね。
この社会関係資本は、社会資本に関係を入れただけなのに全然違う意味になります。
社会関係資本は人間関係資本のことです。人間関係のネットワークは、社会生活を送る上でとても大切です。
コネ(クション)があれば就職に有利になりますし、手助けしてくれる人や仲間が居れば生活の質が変わります。
人は独りでは生きていけない生物ですからね。
最後に「社会的資本」の説明です。
「的」は、「その性質を帯びる」とか、「~の様な」という意味を表しますから、
「社会資源」も「社会関係資本」、「社会資本」、「文化資本」全て含んで「社会的資源」です。
「的」が付くと境界が曖昧になります。ですから何でも含めることができます。
社会の活動に利用される財、物質、権力、文化、知識などを全て含んだ総称と理解してください。
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