新・社会福祉士養成講座7『相談援助の理論と方法Ⅰ(第3版)』(中央法規)
第二章第2節「ソーシャルワークにおけるニーズ」
1「ソーシャルワークがとらえるニーズとは」 38頁です。
ここでは、トールやジョンソン、三浦文夫先生が登場してにニーズについて、様々な意見を述べています。Needはニード、ニーズはsが付いて複数形です。
ニードとニーズは同じ意味で使われていますから、単数形も複数形も関係ありません。
必要性、必要なこと、そんなとらえ方で結構です。試験に出るニーズは、ブラッドショウのニードの類型です。
カタカナも日本語訳も両方覚えましょう。
ブラッドショウのニード
①ノーマティブ・ニード(規範ニード):専門家、行政職員、研究者などが判断するニード
②フェルト・ニード(自覚ニード):サービスの必要性を個人が自覚したニード
③エクスプレスト・ニード(表明ニード):実際にサービスの利用を申し出たニード
④コンパラティブ・ニード(比較ニード):利用している人と比較してニードがあると判断される。
・社会生活ニーズは、社会生活を送る上で困っていること。サービスニーズは、困っているところから一歩進んで、具体的に何が必要かというニーズです。ここは、悩まずにスルーしましょう。
・ソーシャルワーカーに必要なのは、ニーズを見極める目です。クライエントの要求(デマンド)や希望(ウオンッ)には、必要なものが当然あるでしょうが、もしかしたら不当な要求や不要な望みが混在している可能性もあります。クライエントの生活を維持向上させるために、何が必要なのかを見極める目は重要です。クライエント自身が、気づいていなかったり、知識や情報が不足しているかしれませんからね。
第3節「ソーシャルワークの機能」
1「ソーシャルワークの過程からとらえた機能」 44頁です。図2-4を見て下さい。
簡単な、過程図です。まず、このソーシャルワークの過程を、頭に叩き込まなくてはいけません。
図2-4は簡略化されたものなので、簡略化されてないものを、何度も何度も繰り返し覚えてください。
ソーシャルワークの過程
ニーズの自覚(フェルト・ニード)
ニーズの表明(エクスプレスト・ニード)
ニーズの発見 アウトリーチ,アグレッシブ・ケースワーク,リーチアウト(ワーカーから出向くこと。)
①インテーク(初回面接)
スクリーニング(選別) リファーラル(他機関への送致)
エンゲージメント(契約):機関の利用についての合意
②アセスメント(事前評価)
③プランニング(支援計画)
コントラクト(契約):計画に基づいた支援についての合意
④インターベンション(介入) インプリメンテーション(支援の実施) トリートメント(処遇)
最近は、インターベンションをインプリメンテーションに置き換えることが多くなっているので要注意。
⑤モニタリング(経過観察・点検活動)
⑥エバリュエーション(事後評価)
⑦ターミネーション(終結)
フォローアップ(追跡調査) 一定期間後に状況を確認する。
アフターケア(事後ケア) 状況確認後、必要に応じて援助を展開する。
・それで、過程からとらえた主な機能として①アセスメント機能、②援助目標・計画作成機能、③援助計画実施機能、④事後評価機能に分けることができる、というわけです。
・45頁に進むと、更に枠組みからとらえる機能①②③、ピンカスとミナハンが示した機能①~⑦がでてきます。これらは、各自読んでおいてください。暗記はしなくて大丈夫です。
・46頁に進むと、岡村重夫の五機能が出てきます。これは試験に出るので、覚えていた方が良いかもしれません。
■岡村重夫によるソーシャルワークの機能
①評価的機能 |
社会生活上の問題の実態や原因を明らかにする |
②調整的機能 |
複数の社会関係が相互に矛盾または両立しない場合に、調和させ、両立させる |
③送致的機能 |
既存の社会資源を利用して、欠損した社会関係を回復させる、あるいはそれに代わる新しい社会関係を見出す。 |
④開発的機能 |
既存の社会資源の利用だけでは欠損した社会関係が回復不可能な場合、関係の回復を容易にする社会資源をつくり出す。 |
⑤保護的機能 |
上記の4つの機能によっても、クライエントの社会関係の全体的調和が実現しない時や実現するまでの間、社会資源の利用要件を緩和した特別保護的サービスを提供。 |
社会福祉士の正誤ポイントは、こちらで購入できます。