「モンテカルロへ行こう」
(原題:Nous irons à Monte Carlo)
1952年公開。
日本未公開。
『ローマの休日』の1年前に公開されたフランス製作のミュージカルコメディ。
監督・脚本: ジャン・ボワイエ
出演者:
フィリップ・ルメール、オードリー・ヘプバーン、マルセル・ダリオ、レイ・ベンチュラ、アンドレ・ルゲ、アントワーヌ、ジャクリーン
あらすじ:
ヴェシネ出身の乳母の気まぐれな娘マリネットは、悪徳興行師がアメリカのスターの赤ん坊を自宅に隠したが、その子をベンチュラ・オーケストラのドラマー、マックス・エロイの孫と混同してしまう。
エロイがオーケストラが演奏するモンテカルロ・ジャズ・フェスティバルに電車で行こうとしているときに、彼女は彼に子供を渡す。
しかし、エロイは、この小さな子供に手を出したら、ベンチュラが彼の代わりに別のドラマーを置くのではないかと心配する。
そこで彼は、子供をベンチュラの部屋に置き、母親に捨てられたオーケストラの音楽家の一人の実の息子であると偽ることを考える。
一方、ヴェシネでは乳母が地方から戻ってきて、娘が間違った子を産んだことに気づき、どんな手段を使っても娘を取り戻そうとモナコに送る。
子の父親も子の返還を求めている。
ボードビルでは、さまざまな誤解が生じるが・・・
コメント:
所はリヨン。
ヴァンチェラ楽団の一員マックスの元へ、男の子の赤ん坊が届けられる。
娘のマリネットが旦那と二人きりで旅行をしたいため、父マックスに預かってもらおうということだ。
しかし、まずいことにマックスはモンテカルロで行なわれるジャズフェスティバルに出演するために出かけるところだった。
マリネットの赤ん坊は「ゆりかご保育園」に預けていたが、園の女の子が間違って別の赤ん坊を届けてしまったから、さあ大変。
そうとも知らず、困ったマックスは楽団の遠征公演に赤ん坊をつれていくことにする。
行く先はモンテカルロ。
途中汽車の中で団長宛てに、ニセの手紙をつけて「団員の誰かの子です」と 一芝居打つ。
親の分からない赤ん坊を見つけた団長と団員たちは大騒ぎ。
だが何故か、皆は可愛い赤ん坊に喜び。
我も我もと、赤ん坊の世話を申し出る始末。
無論、マックスも。
ゆりかご保育園では、赤ん坊を引き取りにくると連絡があったから、さあ大変。
実は、あの赤ん坊は、ハリウッドスター・メリッサ(オードリー・ヘプバーン)の赤ん坊で、夫と離婚調停中で、こちらも赤ん坊をめぐって取り合いが始まろうとしていたのだ。
ところが、当の赤ん坊は間違えられてモンテカルロに行っちゃってるのだ。
みんながモンテカルロに集まってくる。
楽団の歌手フィリップは、恋人との結婚に彼女の父親が反対しているので、あの赤ん坊は彼らのベビーだと嘘をついて
できちゃった婚にしようと画策する。
ゆりかご保育園の女の子はと言えば、赤ん坊を取り戻しに来ているが、嘘ばかりついて周囲を混乱させている。
女優メリッサの旦那は、探偵を雇って赤ん坊を取り返そうと。
赤ん坊は人から人へと、てんやわんや。
ジャズフェスティバル本番の日は・・
赤ん坊騒ぎで、演技はハチャメチャ。
この赤ちゃんがものすごくかわいいけれど、列車に乗せられたり、みんなにたらいまわしにされたり、はたまたバイクのサイドカーにまで乗るのですから大変。
そしてマックスの娘マリオネットが本当の赤ん坊を連れてやってきて、皆はやっと、この子は誰だ?になる。
だが結局、誰の赤ん坊か楽団員には分からず、赤ちゃんの親探しのためテレビに出るのだが。。。
オードリー・ヘプバーンの《モンテカルロへ行こう》というタイトルだが、主役は 赤ん坊。
これまで端役程度でしか映画出演していなかったオードリーが、この作品では赤ん坊の次に大事な役どころ。
オードリーは、かなり気の強いハリウッド・スターで、なんと赤ん坊の母親という人物を演じるという信じられないキャスティングになっている。
オードリーのフランス語が聞ける、珍しい作品でもある。
「ローマの休日」で見せる、ヘップバーンカットで登場。
この頃から、やはりお似合いのヘアスタイル。
これは観た方が良いかも。
この映画は、TSUTAYAでレンタル可能:
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