アラン・ドロンの映画 「シシリアン (1969)」 | 人生・嵐も晴れもあり!

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「シシリアン (1969)」

(原題: Le Clan des Siciliens

 

The Sicilian Clan - Wikipedia

 

「シシリアン (1969)」 予告編

 

1969年12月1日公開。

プロの泥棒たちの宝石強奪と仲間割れを描く。

 

原作:オーギュスト・ル=ブルトン

脚本:アンリ・ヴェルヌイユ、ジョゼ・ジョヴァンニ、ピエール・ペルグリ

監督:アンリ・ヴェルヌイユ

 

キャスト:

ビットリオ・マナレーゼ:ジャン・ギャバン

サーテット:アラン・ドロン

ル・ゴフ警部:リノ・バンチュラ

アルド:Y・ルフェーブル

セルジオ:M・ポレル

ジャンヌ:イリナ・デミック

トニー・ニコシア:A・ナザリ

 

The Sicilian Clan (1969) - IMDb

 

あらすじ:

パリに住むマフィアの顔役ビットリオ・マナレーゼ(G・ギャバン)は、五月の蝿と異名をとる殺し屋サーテット(A・ドロン)を、獄中から救出する計画を立てていた。

彼から送られた莫大な値打ちのスタンプ・コレクションに対する返礼であった。

裁判所で、ビットリオの二人の息子、アルド(Y・ルフェーブル)とセルジオ(M・ポレル)に電気ドリルを渡されたサーテットは、護送車で送られる途中、アルドの妻ジャンヌ(I・デミック)の助けをかりて逃走に成功。

一年ほど前にル・ゴフ警部(L・バンチュラ)に逮捕されて以来、久しぶりに自由を得たのだった。

その後しばらくの間、ビットリオにかくまわれていたサーテットはジャンヌと人知れず愛し合うようになっていた。

やがてサーテットは、獄中仲間から手に入れた宝石強奪の仕事の話を、ビットリオにもちかけた。

心動かされた彼は、ニューヨークのマフィアのボスであるトニー・ニコシア(A・ナザリ)に助力をあおぐことにした。

その結果、パリからニューヨークへ宝石を運ぶ飛行機を襲うことに決められた。

当日、ビットリオ、アルド、セルジオ、それにサーテットが問題の飛行機に乗込み、何億ドルという宝石を略奪してしまった。

仕事が終わった後、南米へずらかる予定のサーテツトをニューヨークに残し、ビットリオたちはパリへ戻って来た。

そこでシシリーへ帰る支度をしていたビットリオは、孫の口から、サーテットとジャンヌに浮気の事実があったことを聞いた。

シシリー人の面目を汚された彼は、ジャンヌ共々殺そうと思い、サーテットを呼び戻すべく、トニーに工作を依頼した。

しかしジャンヌの密告をうけた妹から自分が狙われているということを聞いたサーテットは、アルドとセルジオが待機するオルリーには、降り立たなかった。

逆にこの二人は、サーテットの妹にかけられたジャンヌの電話を傍受していたル・ゴフ警部に逮捕されてしまった。

このことをサーテットから聞いたビットリオは、パリ郊外で分け前を払うとサーテットに伝え、ジャンヌをつれてその場に出かけた。

殺気をはらんで向い合う両雄。

最初に火を吹いたビットリオの銃が、サーテットの身変わりになったジャンヌを血にそめた。

そして、つづけざま、サーテットの身体に、弾丸がぶちこまれた。

二人の死骸を残し、戻って来たビットリオ。

しかし、そこには、ル・ゴフが顔役の帰りを待ち受けていたであった。

 

シシリアン The Sicilian Clan 1969 - YouTube

 

コメント:

 

シシリーの秘密結社マフィアの犯罪をめぐって展開される、ジャン・ギャバン、アラン・ドロン、リノ・ヴァンチュラの3人の名作である。

 

原題の「Le Clan des Siciliens」とは、「シシリーの一族」という意味。

「シシリー」は、最近呼ばれる「シチリア島」のこと。

 

ギャングが航空機で輸送中の宝石を強奪するフィルム・ノワール。
アラン・ドロン、リノ・ヴァンチュラ、ジャン・ギャバンと3大俳優共演で話題となった。
アラン・ドロン演じる殺し屋ロジェ・サルテが、マフィアのボス、ヴィットリオ・マナレーゼの支援で護送車から脱走する場面が冒頭描かれる。

緊迫感ある演出で、護送車、裁判所、護送車とロジェの移動に合わせて計画が進行してゆくさまを描く。

あんな道具がほんとうにあるのかなと思えるが、結構苦労する様子もきちんと描かれ、それがサスペンスを生む。

上手いつくりである。

物語の主軸は、ロジェが持ち込んだ宝石展での宝石の強奪計画。

マナレーゼは美術館での実行が困難と判断し、次の展示会場ニューヨークへ輸送するための航空機での強奪を計画する。

ここから、かれらマフィアと、ロジェを追うヴァンチェラ扮するル・ゴフ警部との追跡戦となるが、果たして、その結末は?

飛行機の強奪計画が警察に漏れる経緯や、マナレーゼの息子の嫁とロジェの不倫がマナレーゼに知られる経緯など、それらの伏線も含めて上手く作られている。

宝石強奪の手段がとんでもないもので、後々の犯罪映画に影響を与えるものであった。

また、当時は空港のセキュリテイがまだ不十分な時代だったから、この犯罪描写が可能となったと思われる。

ラストは殺風景、あっさりとしたもので、ギャバンの貫禄勝ち。

そして、ヴァンチュラがエスコート。

 

フランスのギャング映画の中でもトップクラスの存在感がある傑作である。

 

The Sicilian Clan (1969) - IMDb

 

やはり、アラン・ドロンには、宝石泥棒と人妻泥棒が似合う。

そして、最後は殺される。

アラン・ドロンのかっこ良さとはかなさが心に残る。

 

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