「太陽が知っている」
(原題:La piscine)
1969年1月31日公開。
避暑地サントロペで起こる男女の感情のもつれを描く。
脚色:ジャック・ドレー、ジャン=クロード・カリエール
監督:ジャック・ドレー
キャスト:
ジャン・ポール:アラン・ドロン
マリアンヌ:ロミー・シュナイダー
ハリー:モーリス・ロネ
ペネロープ:ジェーン・バーキン
あらすじ:
太陽がまばゆいサントロペの豪華な別荘で、ジャン・ポール(アラン・ドロン)とマリアンヌ(ロミー・シュナイダー)は快適な休暇を過していた。
しかし、マリアンヌが招待したハリー(モーリス・ロネ)とその娘ペネロープ(ジェーン・バーキン)が別荘にやって来てから雰囲気は一変した。
ハリーとマリアンヌはかつての恋人同士。
そしてハリーは、ジャン・ポールの前で、今でも彼女を自分のものにする自信があると言い、自分に対し劣等感と憎悪を抱いているジャン・ポールに対し、露骨に軽蔑の態度をあらわすようになった。
一方、マリアンヌは、ジャン・ポールとペネロープの間が心配だった。
そして彼女はジャン・ポールを嫉妬させるため、わざとハリーと戯れた。
数日後、ジャン・ポールとペネロープはハリーとマリアンヌが抱きあっている姿を見てしまった。
ペネロープは父への反感からジャン・ポールの恋人になったのだが、次第に真の愛情を感じるようになっていった。
娘を思うハリーは、酒を飲んでジャン・ポールと喧嘩した。
酔ったハリーはプールに突き落された。
突然ジャン・ポールの胸に激しい憤りが沸いた。
プールから上ろうとするハリーの顔を、ジャン・ポールは水の中へと押し込んだ。
ハリーは死んだ。
マリアンヌは事実を知っていたが、なにもいわなかった。
ペネロープは母親のもとへ帰っていった。
執擁な警察の調べにも、ジャン・ポールは動ぜず、殺人は完全犯罪となった。
しかしジャン・ポールとマリアンヌの仲はもとにもどらなかった。
愛し合っていた二人から、殺人者と真実を知りながら沈黙した共犯者という結びつきに変わった。
彼らのこれからの生活は地獄になったのだ。
コメント:
優雅なバカンスを過ごしていたカップルのジャン゠ポール(アラン・ドロン)とマリアンヌ(ロミー・シュナイダー)。そこへハリー(モーリス・ロネ)と娘ペネロープ(ジェーン・バーキン)がやって来る。
どうやらハリーとマリアンヌは昔、恋人だったようでそれを承知で付き合い始めたジャン゠ポールだが、今も心にわだかまりがあり、そのせいか18歳のペネロープに接近すると…
ドロンとシュナイダーの美男美女に少女の面影を残すバーキンが絡み、ロネが殺されるという最悪の結果に。
話が進むほどに目が離せなくなる心理劇である。
美形で女性の羨望の的になりながら神経質な役どころをドロンが好演。
こういう陰のある役はやはりドロンにピッタリだ。
バーキンが色っぽい。
当時23歳。
やはり存在感がある。
原題の「ラ・ピシーヌ(La Piscine)」とは、フランス語で「プール」の意味。
日本語タイトルの方が、謎めいていてこの映画にピッタリだ。
サントロペでロケが行われている。
サン=トロペ (Saint-Tropez) は、フランス南部にあるリゾート地。
20世紀初頭までは小さな漁村だったが、1950年代にフランスを代表するアーティストたちが好んで夏を過ごすようになり、コート・ダジュールのリゾート地として世界に名を馳せることとなる。
1920年代に、サントロペ出身の女姓と結婚したパリの劇場経営者レオン・ヴォルテラが、海の見える高台にある城(シャトー・ヴォルテラ)にジャン・コクトーやアルレッティ、ココ・シャネルなど当時の有名人を招いたことから、上流社会に人気のあるリゾート地となったという。
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