ベティ・デイヴィスの映画「情熱の航路」名セリフがAFI名セリフ100に登録! 音楽も最高! | 人生・嵐も晴れもあり!

人生・嵐も晴れもあり!

人生はドラマ!
映画、音楽、文学、歴史、毎日の暮らしなどさまざまな分野についての情報やコメントをアップしています。

情熱の航路」

(原題: Now, Voyager)

 

Amazon | 情熱の航路 [DVD] | 映画

 

「情熱の航路」 予告編

 

1942年10月22日公開。

船旅で出会った男性との愛を育てる女性の純愛物語。

純愛ものを熱演したベティ・デイヴィスの存在感が光る名作。

 

受賞歴:

  • 受賞
    • アカデミー作曲賞:マックス・スタイナー
  • ノミネーション
    • アカデミー主演女優賞:ベティ・デイヴィス
    • アカデミー助演女優賞:グラディス・クーパー

 

脚本:ケイシー・ロビンソン

監督:アーヴィング・ラパー

音楽:マックス・スタイナー

 

キャスト:

  • シャーロット・ヴェイル:ベティ・デイヴィス
  • ジェリー・デュランス:ポール・ヘンリード
  • ジャクイス医師:クロード・レインズ
  • シャーロットの母:グラディス・クーパー

 

映画の小部屋『情熱の航路 Now, Voyager』1942年 | 九螺ささら(くら ささら)☺️

 

あらすじ:

ボストンの名望家であるヴエール家の娘に生まれたシャーロッテは、その少女時代を専制的な母親と神経病のために不幸に過ごして来た。

しかし、ジャクイス医師の親切な治療と義姉の聰明なケアとによって、今ではほとんど神経病の跡をとどめぬまでに治癒していたので、彼女は許されて初めて漫遊旅行に旅立ったのであった。

その船中で彼女はジェリィ・デュランス出会い、2人はやがて激しく愛し合うようになった。

しかしながら2人は結婚によってこの愛を完成させることが出来ないのであった。

というのは、ジェリィには既に妻があり、シャーロッテと同じように不幸な少女時代を過ごしている神経病の娘さえあったのである。

シャーロッテはジェリィと別れて旅から帰ると、間もなくエリオット・リビングストンと婚約した。

だが、彼女にはジェリィへの愛情がたち切れず、エリオットとの婚約を破棄してしまう。

しかし、このことは彼女の母親を怒らせ、ついに2人の間に激しい口論が起こり、その結果シャーロッテの母親のヴェール夫人は心臓マヒで急死してしまった。

その悲しみのためシャーロッテは再び神経発作に襲われる身となって、ジャクイス医師の診療所で療養することになった。

この診療所で計らずも彼女はやはり療養しているジェリィの娘ティナに出逢う。

シャーロッテは同病のこの少女に憐みと愛情を傾けるようになって、自分の全快祝はティナを我が家へ伴って帰って、みずからこの少女の療養に手を貸した。

やがて1人の少女へ注がれる同じ愛情によってジェリィとシャーロッテは以前の激しい情熱を通り越して静かで深い友情によって永久に結ばれることになったのであった。

 

情熱の航路」 Now, Voyager(1942) | 美しき女たち男たち

 

コメント:

 

ベティ・デイヴィスがみすぼらしい病人から華やかなレディへと見事な変化を見せながら、内面でも弱い女性から強い女性になっていく姿を見事に演じた佳作。

さすが本作でアカデミー主演女優賞にノミネートされただけある相変わらず素晴らしい演技。
ベティ・デイヴィスはアカデミー賞に10回ノミネートされ、うち2回は主演女優賞を獲得しており、当時のハリウッド常連スターであった。

この映画、やたらと娘にキツく当たる母親(グラディス・クーパー)のもとで精神を病んだ娘(ベティ・デイヴィス)が気の毒に思えるところから始まる。
そして、その娘は精神科医(クロード・レインズ)の療養所で治療して、大きな客船で旅をすると船で出会った男(ポール・ヘンリード)と愛し合うようになるのだが、彼は妻子があった。
恋をしながら、自分に自信を持って生きるようになったベティ・デイヴィスが着るドレスは、本当に華やかで綺麗。

1本の映画で演じた女性の振り幅の大きさが、そのまんまベティ・デイヴィスの色々な映画で演じる役の振り幅の広さと通じるように見える。
演技力があるとどんな感情も表現できるのだ。

やはりこの女優は天才だ。

感動するのは、ベティ・デイヴィスがポール・ヘンリードに言う

「ジェリー、月は要らないわ。星があるじゃない」というセリフ。

心に残る素晴らしさであった。

序盤は少し戸惑ったものの、なんとも素敵な映画になっている。

 

映画の小部屋『情熱の航路 Now, Voyager』1942年 | 九螺ささら(くら ささら)☺️

 

本作中の「Oh, Jerry, don't let's ask for the moon. We have the stars.(「ジェリーったら、お月様を求めるなんてやめましょう。星は持ってるんだから」)」という台詞。

そのシーンがこちら:

 

Oh, Jerry, don't let's ask for the moon. We have the stars.” | True Classics

 

 

 

これは、AFIが選出した「アメリカ映画の名セリフベスト100」において、46位にランクインしている。

 

やはり名優が演じると、ちょっとしたセリフでもファンの心に残るのだ。

このシーンの音楽が、また最高にロマンチックだ。

 

本作の音楽を担当し、アカデミー作曲賞を受賞したのは、マックス・スタイナーというオーストリア生まれの米国の作曲家。

日本ではあまり知られていないが、ハリウッド随一の映画音楽の作曲家なのだ。

アカデミー作曲賞を3回受賞している。

この人が担当した主な映画は以下の通り:

  • 勝利の朝 Morning Glory(1933年)
  • 若草物語 Little Women(1933年)
  • キング・コング King Kong(1933年)
  • 痴人の愛 Of Human Bondage(1934年)
  • トップ・ハット Top Hat(1935年)
  • 男の敵 The Informer(1935年)
  • 三銃士 The Three Musketeers(1935年)
  • 小公子 Little Lord Fauntleroy(1936年)
  • 沙漠の花園 The Garden of Allah(1936年)
  • スタア誕生 A Star Is Born(1937年)
  • ゾラの生涯 The Life of Emile Zola(1937年)
  • 或る女 That Certain Woman(1937年)
  • 黒蘭の女 Jezebel(1938年)
  • 汚れた顔の天使 Angels with Dirty Faces(1938年)
  • オクラホマ・キッド The Oklahoma Kid(1938年)
  • 愛の勝利 Dark Victory(1939年)
  • 風と共に去りぬ Gone with the Wind(1939年)
  • 我れ暁に死す Each Dawn I Die(1939年)
  • 月光の女 The Letter(1940年)
  • ヨーク軍曹 Sergeant York(1941年)
  • 壮烈第七騎兵隊 They Died with Their Boots On(1941年)
  • 情熱の航路 Now, Voyager(1942年)
  • カサブランカ Casablanca(1942年)
  • 君去りし後 Since You Went Away(1944年)
  • サラトガ本線 Saratoga Trunk(1944年)
  • ミルドレッド・ピアース Mildred Pierce(1945年)
  • 盗まれた青春 A Stolen Life(1946年)
  • 三つ数えろ The Big Sleep(1946年)
  • 黄金 The Treasure of the Sierra Madre(1948年)
  • キー・ラーゴ Key Largo(1948年)
  • 白熱 White Heat(1949年)
  • 女囚の掟 Caged(1950年)
  • アメリカ野郎 Jim Thorpe – All-American (1951年)
  • ジャズ・シンガー The Jazz Singer (1952年)
  • ケイン号の叛乱 The Caine Mutiny(1954年)
  • マッコーネル物語 The McConnell Story(1955年)
  • トロイのヘレン Helen of Troy(1956年)
  • 二人の可愛い逃亡者 Escape in Japan (1957年)
  • マーベリック (テレビドラマ) Maverick(1957年 - 1962年)
  • サンセット77 (テレビドラマ) 77 Sunset Strip(1958年 - 1964年)
  • 初恋 Marjorie Morningstar (1958年)
  • 避暑地の出来事 A Summer Place(1959年)

 

 

この映画は、Amazon Primeで動画配信可能: