ハリウッド・スリラー映画 第57位「大統領の陰謀」レッドフォードとダスティン・ホフマン主演! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「大統領の陰謀」

(原題:All the President's Men

 

All the President's Men (1976) - IMDb

 

「大統領の陰謀」 予告編

 

1976年4月7日公開。

ウォーターゲート事件を追求する二人の記者を描く大ヒット作。

米国に民主主義が存在することを世界に知らしめた名作。

興行収入:$70,600,000

 

原作:カール・バーンスタイン、ボブ・ウッドワード『大統領の陰謀 ニクソンを追いつめた300日』

脚本:ウィリアム・ゴールドマン

監督:アラン・J・パクラ

 

キャスト:

ボブ・ウッドワード:ロバート・レッドフォード

カール・バーンスタイン:ダスティン・ホフマン

ハワード・ローゼンフェルド:ジャック・ウォーデン

ハワード・サイモンズ:マーティン・バルサム

ベン・ブラッドリー:ジェイソン・ロバーズ

ディープ・スロート:ハル・ホルブルック

 

All The President's Men - Google Play の映画

 

あらすじ:

1972年6月17日土曜日の午前2時30分。

ワシントンのウォーターゲート・オフィス・ビルの5階にある民主党全国委員会本部に5人の男たちが侵入した。

彼らは来るべき秋の大統領選挙にそなえて必勝を期する民主党のキャンペーンを攪乱するために、秘かに雇われた者たちだった。

この5人は元CIAの情報部員と大統領再選本部の現役の対策員で固められていた。

仕事は手抜かりなくおこなわれる筈であったが、ビルの警備員に見咎められ、たちまち警察に通報された。

そして不法侵入の現行犯で逮捕された。

まだ入社して9カ月になったばかりのワシントン・ポスト紙の記者ボブ・ウッドワード(ロバート・レッドフォード)は、ウォーターゲート事件が起きてから7時間後に、上司のハワード・ローゼンフェルド(ジャック・ウォーデン)に呼ばれた。

一方、同じポスト紙の先輩記者カール・バーンスタイン(ダスティン・ホフマン)も、この事件に興味を示していた。その朝、彼は現場にいってきた記者たちのメモをコピーし、局長のハワード・サイモンズ(マーティン・バルサム)や主幹のベン・ブラッドリー(ジェイソン・ロバーズ)に、もう少しチェックしてみたいと伝えた。

そしてバーンスタインは、ウォーターゲート・ビルのあらゆる人たち--事務員はもとより、夜警、掃除婦など--に片っ端から電話をかけ始めていた。

政府上層部のスポークスマンたちはこの不正侵入行為に非難を集中させた。

はじめのうちはこの侵入事件は狂信者たちの単独犯によるもので、リチャード・M・ニクソン大統領の公式の選挙運動本部から認められたものでも、援助を受けているものでもないと思われ、ホワイト・ハウスの人間とはまったく無関係と思われていた。

その日の午後、裁判所では保釈が認められるかどうかを決定する予審が行われたが、ウッドワードはその場に刑事犯の弁護士ではない政府筋の弁護士たちが来ているのに好奇心をそそられた。

さらに、侵入者の1人、ジェームズ・W・マッコード・ジュニアが、最近CIAを辞めたことを認めたとき、ウッドワードはこの事件がホワイト・ハウスから発表されているような政治狂信者の仕わざや、単なる三流の侵入事件にとどまるものではないことを感じた。

この犯行ははじめ、刑事事件と考えられていたが、この侵入事件が国家の自由な選挙制度とプライバシーに対する市民権を破壊しようとする網の目のように張られた巧妙な犯罪の氷山の一角にすぎないことがわかると、ワシントン・ポスト社内では調査を続けるというウッドワードとバーンスタインの主張も認められた。

2人の取材活動が開始された。最初のうちは政治の厚い壁にはさまれて試行錯誤のくり返しだったが、謎の人物ディープ・スロート(ハル・ホルブルック)の、『金を追え』という示唆に従ってニクソン再選委員会の選挙資金を追求するうちに、その裏に隠された陰謀が次第に鮮明になっていった。

裏付け調査を終えた2人の暴露記事が全世界に報道される日がやってきた。

それは大統領をはじめとするホワイト・ハウスの幕僚たちに大きな衝撃を与えた。

ワシントン・ポスト紙は権力からの激しい否認にあい、ニクソン大統領の報道担当官たちからは激しい非難と嘲笑を浴びせられた。

しかし、不吉な警告にも屈せず、ウッドワードとバーンスタイン、それにワシントン・ポスト紙の同僚たちは、長いあいだ疑っていた侵入犯と政府の関連を立証してみせた。

岐路に立たされたホワイト・ハウスの強い圧力にも屈せず、両記者の徹底的な調査は半信半疑で当惑する市民たちに、政府の高官たちの犯罪的な裏切り行為を納得させるに充分だった。

たとえどんな大統領でも、大統領とあろう者がそのような陰謀に加担したり見逃したりしたことを、初めは信じたがらなかった国民も疑いの目を向け始めた。

次から次へと発表される2人の記事は国会で真相を究明することを促し、さらにそれは政府や陰謀者たちの不安をつのらせ、ある場合にはパニック状態に陥らせた。

ウッドワードとバーンスタインのタイプをたたく手に力がこもり、それは近い日、必ず訪れるであろうニクソン大統領失脚を物語っているようだった。

 

The film «All the President's Men» as a crisis communications lesson

 

コメント:

 

ウォーターゲート事件を追求し、ニクソン大統領を失脚させたワシントン・ポスト紙の2人の記者の行動を通して、事件の全貌を描く。

 

ウォーターゲート事件を調査した実在のワシントン・ポストの二人のジャーナリストの手記『大統領の陰謀 ニクソンを追いつめた300日』を元にしたドラマである。

 

All The President's Men - The First Edition Rare Books

 

ロバート・レッドフォードとダスティン・ホフマンの二人が記者を熱演している。

 

第49回アカデミー賞では8つのノミネーションを受け、4部門で受賞。

 

原題は、1949年の映画「オール・ザ・キングスメン」をもじったもの。

 

1972年の大統領選挙で勝利したニクソンの就任式を伝えるニュース・フィルムで始まる。

次の瞬間、その数か月前に起きたウォーターゲート事件の現場に場面が切り替わる。

当初は単なる不法侵入と思われた事件が民主国家アメリカを揺るがす大事件となり、ついにはニクソンを辞任に追い込む。そのきっかけを作ったのが二人の若き新聞記者で、本作は彼らの行動を通して事件の全貌が描かれる。
 

民主党本部に5人の男が侵入したが、現行犯で捕まった。

その取材にあたったウッドワード(ロバート・レッドフォード)は犯人に政府筋の弁護士がついていることを不審に思い、犯人の身元を調べ、彼らの正体を知り、重大な事件が隠されていると確信し動き出す。
ウッドワードの記事がインパクトに欠けるからと勝手に手直しをしたバーンスタイン(ダスティン・ホフマン)に腹を立てるも、彼の記事のできの良さを認めざるを得ず、二人は協力して事件に取り組む。決して仲が良いとは思えないが、共通した目的を持つ者同士、プロのジャーナリストととして割り切っているようだ。

二人のプライベートが一切描かれないことも、事件に集中していることが分かる。


二人の行動は取材というより、警察の捜査のようだ。

食らいついたら簡単には離さない。

その分、誤報だった場合のリスクも大きい。

会社の上層部は当然のことながら会社の社会的責任や経営リスクまで考えるので、現場との隔たりはあるが、それでも最終的に二人の背中を押すのはアメリカのジャーナリズムの神髄だろう。


緊迫感と緊張感を持った演出もうまい。

これぞ「スリルを感じる映画」である。

 

ウッドワードが電話をしているシーンでは、アップのまま
ずっとしゃべり続け、2本の電話に対応する姿がノーカットで撮られ、観ている方も緊張する。

 

とにかく、米国の良心が政治を変えたという一大事件をしっかりと映画化していることが素晴らしい。

全てがなあなあの日本では絶対にこういう映画は制作されないだろう。

 

真の民主主義がある国と無い国の違いを実感させられる名作である。

 

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