「リトル・ブッダ」
(原題:Little Buddha)
1993年12月1日公開。
1994年5月14日公開。
キアヌ・リーヴス主演のブッダにまつわる作品。
脚本:マーク・ペプロー、 ルディ・ワーリッツァー
監督:ベルナルド・ベルトルッチ
音楽:坂本龍一
キャスト:
シッダールタ王子:キアヌ・リーヴス
ジェシー・コンラッド:アレックス・ウィーゼンダンガー
ディーン:クリス・アイザック
リサ:ブリジット・フォンダ
ラマ・ノルブ:イン・ルオ・チェン
あらすじ:
米国シアトルに住む9歳のジェシー・コンラッド(アレックス・ウィーゼンダンガー)は、父ディーン(クリス・アイザック)と母リサ(ブリジット・フォンダ)と共に暮らす典型的な現代っ子。
ある日、一家の前にラマ・ノルブ(イン・ルオ・チェン)ほか4人のラマ僧が訪れた。
ノルブは、ブッダの魂を受け継ぐと言われた尊師ラマ・ドルジェが9年前に他界したこと、そしてジェシーこそ、その生まれ変わりであると告げた。
その夜、リサは息子にノルブから贈られた本を読んで聞かせた。
それは古代インドで“世界を救う者”として生を受けたシッダールタ王子(キアヌ・リーブス)の物語だった。
ノルブは、ジェシーがほかの候補者と共に試練を受け、儀式に臨むためにブータンに赴かねばならないと両親に説く。
父に連れられてインドへ向かったジェシーは、ほかの2人、ラジュとギータと共に、ノルブからシッダールタ王子の物語を聞かされる。
王子はこの世の真理を求め、苦しみの果てに悟りを開き、ブッダとなった: 。
肉体はラジュに、言葉はギータに、魂はジェシーに、ドルジェの3人の子供に転生していた。
ノルブは子供たちの前にひざまずき、転生の儀式が済んで役割を終えた彼は、静かに息を引き取る。
だが子供たちはこれが彼との永遠の別れではないことを知っており、いつか再び出会うことを信じてそれぞれの土地に帰り、ノルブの遺灰を撒いた。
コメント:
ブッダの魂を受け継ぐと告げられた子供たちが、彼の生涯に触れていくさまを通じて、輪廻転生のテーマに迫った大作。原案・監督のベルナルド・ベルトルッチが、「ラストエンペラー」「シェルタリング・スカイ」に続いて“オリエント三部作”の最終章を飾る作品として発表した作品。
アメリカ、インド、ネパール、ブータンでロケを行ったという、壮大な時空間を描く大作である。
アジアに深い関心を寄せるハリウッドスターであるキアヌ・リーヴスがブッダ(釈迦)を演じている。
音楽は、坂本龍一が担当。
輪廻転生の古代インドの伝統のストーリーとブッダの半生を重ねて幻想的に描くストーリー。
美しく豊かな気持ちにさせてくれる作品である。
日本人が観ると、仏教の概念はしっくりくる。
イタリアの巨匠がこういう映画を撮るという。
不思議な取り合わせだ。
あの少年はどうするのだろうか。
幾分気になる。
過去にアメリカ人が生まれ変わりと認定された事例はあるのだろうか。
仏教的に言えば、例えば今世で過酷な運命であったとしても、カルマと考え、受け入れるのであろう。
争わない。諦観というのだろうか。そして、輪廻の鎖を断ち切るのが悟りでもある。
カルマの解消。現代社会においてカルマを産まず、悟りの境地に達する事が出来るだろうか。
仏教には無縁のイタリアの監督・ベルトルッチの原案による映画なので、深いことを考えずに観たら楽しめる作品である。
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