イタリア映画 「シャボン泥棒」 映画監督がCMだらけのテレビと戦う! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「シャボン泥棒」

(原題:Ladri di Saponette

 

The Icicle Thief (1989) - IMDb

 

「シャボン泥棒」 全編

 

1989年公開。

ネオレアリスモ・タッチの風刺コメディ。

 

監督・原案・脚本:マウリツィオ・ニケッティ

 

キャスト:

マウリツィオ・ニケッティ:マウリツィオ・ニケッティ

アントニオ・ビエルマッティ:マウリツィオ・ニケッティ

マリア:カテリーナ・シロス・ラビーニ

水着美人:ハイディ・コマレク

 

Kinolab: Films: The Icicle Thief

 

あらすじ:

著名な映画監督のマウリツィオ・ニケッティ(自演)が自作の放映のためTV局に招かれる。

その映画「シャボン泥棒」は、失業中の男、アントニオ・ビエルマッティ(ニッケッティの2役)が妻のマリア(カテリーナ・シロス・ラビーニ)と幼い子供を抱えて奔走する姿を描いたネオレアリスモ・タッチの作品である。

ところが10分ごとに挿入されるCMの中には商品がふんだんに溢れ、映画の方が絵空事にしか見えない。

ニケッティは怒りを募らせてゆくが、その時スタジオ内が停電、復旧するとあろうことかCMの中の水着美人(ハイディ・コマレク)がモノクロの「シャボン泥棒」の中に侵入、映画の登場人物と一緒になっての大騒動が始まる。

さらには今度は映画の中のマリアがCMの中に迷い込み、映画の筋はニケッティが作ったはずのものからどんどんずれてゆく。

見ていたニケッティは事態の収拾を図ろうと自ら映画の中に飛び込んでゆき、やっとの思いでマリアをアントニオのもとへと連れ戻す。

ここで場面は一転、TVモニターの前で「シャボン泥棒」を見ていたある家族の居間に。

彼らは画面の中の大混乱などお構いなしで、さっさとスイッチを切って眠りについてしまう。

哀れニケッティは画面の中に閉じ込められたままに--。

 

Ladri di saponette. La recensione del film di di Maurizio Nichetti

 

コメント:

 

自作をTV放映でCMにぶつ切りにされた映画監督がやがて映画の世界に入り込んでゆく……。

虚実入り乱れてのコメディ。

 

原題の「Ladri di Saponette」は、「石鹸泥棒」という意味。

日本語タイトルとほぼ同じだ。

 

最初と、後半が面白い。

 

テーマは、はっきりしている。

 

要は、CMだらけになってしまったテレビ放送を皮肉っているいるのだ。

テレビ業界を通して、消費社会を批判した作品である。

 

たしかに、一番面白いシーンの途中でCMが入ってしまって、興ざめする番組は、日本でもけっこうある。

最近は特にそういう傾向が強いのではないだろうか。

 

これだから民放は嫌だ。

 

だからといって、最近のNHKは全然面白くない。

 

朝ドラもレベルが落ちているし、大河ドラマもほとんどがつまらない変なストーリーで、絶対見たいという感じではない。

 

イタリアでもきっと同じだろう。

 

この映画は、YouTubeで全編無料視聴可能。