五木寛之 「四季・奈津子」 烏丸せつこの出世作! 100万部突破の大ヒット小説の映画化! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「四季・奈津子」

 

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「四季・奈津子」 予告編

 

1980年9月6日公開。

連続小説の第1作を映画化した作品。

興行収入:4億円。

 

原作:五木寛之「四季・奈津子」

脚本:五木寛之

監督:東陽一

 

キャスト:

奈津子
演 - 烏丸せつこ
四姉妹の次女。福岡の飲料会社“九星飲料”の職員で配達業務をしている。数日前まで恋人との結婚を考えていたが、冒頭で気持ちが変わり別れを予感し始める。掴みどころがない性格で周りから見ると突拍子もない行動に見えるが本人にその自覚はない。ヌード撮影のこと以外にも普段からノーブラで過ごしたり別れを決めた後も達夫とセックスをするなど、性に対してあっけらかんとした言動をしている。明朗快活で家族思いな性格だが、自分や家族のことを侮辱するような人には怒りを露わにすることもある。趣味はドライヴで車種などもそこそこ知っているがオートマ車を少々下に見ている。周りの人との出会いや触れ合いを通じて、これまでと違った自分の生き方を模索し始める。

金森達夫

演 - 風間杜夫
奈津子の恋人。実家は金森商店を経営しており、自身は敷地内にある蔵で醤油の製造業務などを担当。奈津子と付き合って3年になるが、時々彼女の本心が分からないため結婚を申し込むか迷っている状態。東京でヌード写真を撮ってきた奈津子と撮影者である中垣について、「男女の関係になったのでは?」と疑い始める。奈津子の言動からお互いのベクトルが違う方向に向いてきたことを感じ始め、7月頃に見合いすることを決める。
中垣
演 - 本田博太郎
無名の風景写真家。東京在住。冗談か本気かは不明だがケイからは、「写真は全然才能がない」と評されている。ある時ボタ山のテント小屋で催された芝居を見に飯塚市に訪れ、その帰りに出会った奈津子の車に乗せてもらったことで親しくなる。愛車は、深緑色のオースチン・モーリス・ミニ・セヴン。趣味は、自宅でフランス映画のビデオを観ること。ケイとは親しいが体の関係はなく、自分をあまり大切にしない彼女の安易な性行動に対して否定的な態度を取る。
ケイ
演 - 阿木燿子
中垣の女友だち。中垣の頼みで奈津子のヌード写真の撮影場所として部屋を提供したことで親しくなる。グラフィック関係の仕事をしているが、基本的にお金はあまり持っていない。自由に生きることをモットーとしておりおおらかな性格だが、奈津子に輪をかけて性に奔放でセックスを生活の一部として考えており、これまでに恋人関係にない複数の男たちと一晩の関係を持ってきた。不思議な魅力を放ち、奈津子に影響を与えながら交流を深めていく。

 

波留子
演 - 佳那晃子
四姉妹の長女。姉妹の中で唯一の既婚者で、実家からそう遠くない街で夫家族と暮らしている。たまに実家に帰って奈津子や父と雑談を交わす。どちらかと言うと古風な考え方の持ち主で父親に敬語で話したり、本人曰く「結婚前に付き合った男性は夫だけ」とのこと。7月頃に夫と離婚した後新しい恋を始める。自由に生きることに憧れており、その後奈津子に連れられて遊びに来たケイの生き方を羨ましく思う。
亜紀子
演 - 影山仁美
四姉妹の三女。医学生。東京のアパートで一人暮らししているが、現在は学生運動に夢中で自宅を空けていることが多い。本格的に上京してきた奈津子に「他の人が来ても部屋に入れないで。引き出しは開けないで」との注文をつけて北海道へと向かう。北海道では大学病院の病棟改善運動に携わる。自分が正しいと思ったことにはすぐ動く行動派だが、学生運動をしていることや少々手癖が悪いこともあり父親からは「元気すぎていけない」と評される。
布由子
演 - 太田光子
四姉妹の末っ子。うつ病を患い飯塚市内の病院で療養中。家族の中でも特に奈津子から心配されており、作中で何度か見舞い来られたり手紙でやり取りするなど気にかけられている。演劇や詩集を見るのが好きで、現在はエセーニンの詩集を欲しがっている。病室の窓から見える木に“トウヘンボクの木”と名付けて友達のように想い、風による枝の音の“ささやき”を聞くなどしている。
奈津子の父
演 - 牟田悌三
奈津子から「身内で変わった人いる?」と聞かれて「お前だよ」と答え、先日達夫が奈津子との結婚に迷っていたことを告げる。それぞれに悩みを抱える娘たち4人のことを心配している。詳細は不明だが、恋人らしき女性がいる様子だが四姉妹には秘密にしている。

 

医師・沢木
演 - 岡田裕介
布由子の主治医。精神科・神経科がある飯塚保養院の医者。冒頭で奈津子に布由子の現在の病状を伝えた後、布由子が見たがっている芝居鑑賞に付添い、奈津子と3人でボタ山のテント小屋に訪れる。後日エセーニンの詩集をもらった布由子と喜びを分かち合ったり、その後彼女を見舞いにケイを連れて飯塚市までやってきた奈津子と再会する。
詩人・田村隆一
演 - 田村隆一
本人役。初めて東京に向かう奈津子と新幹線で隣の席になる。奈津子が最近心で感じていた悩みを聞いて今後の生き方や魂の在り方などについて色々と助言する。話好きでお酒好き。エセーニンやゴッホ、フランスの哲学者アランについて詳しい。新幹線での会話で奈津子から布由子の話を聞き、後日彼女にエセーニンの詩集を贈る。
俳優・森隆人
演 - 岡田眞澄
作中の有名な中年俳優。離婚歴があり現在は再婚してスウェーデン人の妻がいる。AT車を愛用しているが少々運転が荒い。面識がないのにプールサイドで寝そべっていた奈津子の背中に勝手に日焼け止めを塗るなど、馴れ馴れしい性格でスケベな人。「愛の迷宮」という映画を撮影中だが、ヒロイン役の女優が諸事情で降板したため、プライベートの時間に出会った奈津子にオーディション話を持ちかける。
ファストフードの社員
演 - 藤木敬士
「ユニオン」というハンバーガー屋の人事部社員らしき人。バイト希望者の若い男女を広い一室に集めて講習会を開き、会社の理念やバイト(作中ではハーモナイザーと言われている)の心構えを伝える。仕事に対して非常に真面目で高い理想を持っているが話が小難しく、勤務時間や給料について率直に知りたい奈津子と意見を衝突させる。
 

 

車に乗った若者
演 - 長谷川諭
ある夜、横浜の路上で奈津子とケイに出会い東京まで戻る彼女たちを車で送り届ける。その後ケイの自宅でお茶を飲ませてもらうが性に奔放なケイと奈津子の会話に驚かされる。
河本
演 - 火野正平
中垣の友人。売れっ子のCMディレクター。春頃に東京に来た奈津子を中垣から紹介される。夏に東京に引っ越してきた奈津子ととあるスナックで再会し、2人で酒を飲んだ後酔った勢いで一晩の関係を持つ。
映画監督
劇中劇「愛の迷宮」の監督。当初決まっていたヒロイン役の女優がヌードになるならないで揉めて降板したため、改めてオーディションをする。オーディションで奈津子にいくつかの質疑応答をするが質問に質問で返した彼女に他のスタッフが異議を唱える中、独断でヒロインに抜擢する。
マリコ
演 - 宮本信子
奈津子が出演する劇中劇「愛の迷宮」の女優。劇中劇では妻役を演じ、15年連れ添った夫が愛人(奈津子)と一緒にいる所を見てしまい別れを切り出す。
奈津子が出演する映画の俳優
演 - 藤田敏八
劇中劇「愛の迷宮」では、妻(マリコ)に隠れて若い女(奈津子)と不倫をしながらもどちらの女性とも別れようとしない、優柔不断でだらしない男を演じる。
北京料理店のチーフ
演 - 山谷初男

 

烏丸せつこ/映画「四季・奈津子」1 [ポスター] | カルチャーステーション

 

あらすじ:

福岡市の実家で父と暮らす四姉妹の次女・奈津子は、実家を出た他の姉妹たちと時々近況を報告し合いながら平凡な人生を送っていた。

5月のある日奈津子は車を運転して飯塚市の病院に療養中の四女を見舞うと、その帰りに中垣という青年から福岡まで乗せてほしいと頼まれる。

その道中、中垣が東京で写真家をしていると聞いた奈津子は、おもむろに「今度私のヌードを撮ってくれない?」と話を持ちかける。

奈津子は以前から仕事や恋人・金森達夫との関係にモヤモヤしたものを感じており、それらを変えるきっかけを求めていたのだった。

写真を撮る約束をして福岡で中垣と別れた奈津子は、翌日反対する達夫に「古い淀んだ池に石を投げるの」と言って気持ちを押し通す。

数日後奈津子は東京に向かう新幹線で偶然隣の席になった有名詩人との会話を楽しみ、「人は色々な経験をすることで魂の在り処が分かる」との話を聞く。

東京駅に着いた奈津子は、中垣の案内で撮影場所として借りた彼の女友だちの自宅に訪れて、惜しげもなく裸体を晒して撮影に臨む。

撮影後中垣から「近い内に上京することがあればまたヌードを撮らせてほしい」との申し出に、奈津子は承諾して福岡へ帰っていく。

6月奈津子が以前と変わらぬ日常を送る中、長女は離婚して第二の人生を歩み始め、東京で暮らす三女は学生運動に没頭し、四女は欲しかった詩集を手に入れて夢中になる。

さらに父の恋人の存在を知った奈津子は、自分だけが取り残されたように感じて別の人生を歩んでみたいという思いが日増しに強くなる。

三女が数ヶ月間北海道に行くことを知った奈津子は東京に引っ越すことを決め、仕事を辞めた後、達夫との関係にピリオドを打つ。

7月頃上京して三女の部屋で暮らし始めた奈津子は、いくつかのバイトの面接を受けるがどれも採用に至らず1ヶ月が過ぎてしまう。

そんなある日、気晴らしにプールに行った奈津子は、偶然出会った有名俳優からスタイルの良さを買われて映画のヒロイン役オーディションに誘われる。

以前中川とヌード写真を撮る約束をしていた奈津子は再び彼に会うが、オーディションに挑戦することを告げて急遽撮影を拒否してしまう。

後日オーディションに参加した奈津子は、監督の質問に答えると個性的な受け答えを気に入られてその場で採用が決まり、嬉しさのあまり涙が頬を伝う。

数日後、以前詩人が言っていた“魂の在り処”を自分に問いかけた奈津子は、「今の私にとって魂は、肉体のことだ」と気づく。

一週間後映画撮影に臨んだ奈津子は、初めてのシーン撮影直後の監督の「OK!」の声に晴れやかな笑顔を見せ、女優としてのスタートを切るのだった。

 

烏丸せつこ,阿木燿子/映画「四季・奈津子」3 [ポスター] | カルチャーステーション

 

コメント:

 

平凡なOL奈津子の心の移りかわりを通して、現代の女性の新しい生き方を追求していく。月刊誌『MORE』に連載された五木寛之の同名の小説の映画化。

 

原作は、五木寛之の長編連作「四季シリーズ」の第一作で、集英社のキャリアウーマン向けファッション雑誌『MORE』1977年の創刊と同時に同誌に1979年まで連載され、同年11月に単行本になった。

映画公開時には100万部を超えるベストセラーになっていた。

 

「四季シリーズ」は、四季を冠した名を持つ4人姉妹「奈津子」「波留子」「布由子」「亜紀子」の愛の四重奏を描き、『四季・奈津子』以降、断続的に連載が続き、2000年連載の『四季・亜紀子』で、執筆開始から23年後にシリーズとして完結した。

 

『四季・奈津子』執筆動機として、五木寛之は「働く女性が増加し、女性の社会進出が目立つようになった時代を背景に、男にうじうじくっつかず、自立した女性の冒険小説を書いてみようと思った」と話し、シリーズ全体については「四人姉妹の流れを追いながら、ニッポンの23年間の変化を織り込んでいけたらと考えた」と語っている。

 

脚本も五木寛之となっているが、実際には、これまでの映画の形にこだわらず、自由な映像を目指すということから、シナリオを作らず原作をもとに演出がなされた。

 

さまざまな創作秘話があるが、今振り返ると、文学的な香りがする高尚な映画にはなっていない。

烏丸せつ子の脱ぎっぷりの大胆さ、バストの大きさしか憶えていないという人が殆どだ。

 

この女優のプロフィールは以下の通り:

【名前】烏丸せつこ(からすま せつこ)
【生年月日】1955年2月3日
【出身地】滋賀県大津市
【血液型】A型
【身長】156cm
【スリーサイズ】B85cm・W59cm・H85cm(「青春の門」出演当時)

 

156㎝という身長に対して、この3サイズはハンパない。

まさにエロの権化だ。

乳首がツンと上向きでボリュームたっぷりの豊満なおっぱいは何度見ても画になるエロさ。

おっぱいだけでなく、引き締まったウエストやスラっとした美脚もエロくて素晴らしい

 

この映画のヒロインにはピッタリの逸材だったのだ。

 

烏丸せつこ ヌード画像

 

五木寛之としては、「青春の門」という自身の大ヒット作品と同様に、九州を起点とした人物の物語を連続させる新シリーズの映画を長期に渡って売り出そうとしたのだろうが、二匹目のドジョウはいなかったという訳だ。

興行収入が、たった4億円という結果に終わり、続編の映画化は夢と消えた。

 

とにかく、この映画で烏丸せつ子というグラマー女優の名前が一世風靡したのは間違いない。

 

チェリッシュの可愛い主題歌がYouTubeで視聴可能:

 

 

 

この映画は、YouTubeから全編レンタル可能。