イギリス原作のファンタジー映画 「 ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」 シリーズ第3作! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「 ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」

(原題:The Lord of the Rings: The Return of the King

 

「 ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」 プレビュー

 

2003年12月1日公開。

シリーズ三部作の第3作。

興行収入:$1,146,436,214。

 

原作:J・R・R・トールキン

脚本:ピーター・ジャクソン、フラン・ウォルシュ、フィリッパ・ボウエン

監督:ピーター・ジャクソン

 

キャスト:

  • フロド・バギンズ : イライジャ・ウッド(日本語吹替版 : 浪川大輔)
  • サムワイズ・ギャムジー(サム) : ショーン・アスティン(谷田真吾)
  • ペレグリン・トゥック(ピピン) : ビリー・ボイド(飯泉征貴)
  • メリアドク・ブランディバック(メリー) : ドミニク・モナハン(村治学)
  • ガンダルフ : イアン・マッケラン(有川博)
  • アラゴルン : ヴィゴ・モーテンセン(大塚芳忠)
  • レゴラス : オーランド・ブルーム(平川大輔)
  • ギムリ : ジョン・リス=デイヴィス(内海賢二)
  • ボロミア : ショーン・ビーン(小山力也)
  • ゴラム / スメアゴル : アンディ・サーキス(長島雄一)
  • ガラドリエル : ケイト・ブランシェット(塩田朋子)
  • エルロンド : ヒューゴ・ウィーヴィング(菅生隆之)
  • アルウェン : リヴ・タイラー(坪井木の実)
  • セオデン : バーナード・ヒル(佐々木勝彦)
  • エオウィン : ミランダ・オットー(本田貴子)
  • エオメル : カール・アーバン(山寺宏一)
  • ファラミア : デビッド・ウェナム(宮本充)
  • デネソール : ジョン・ノーブル(勝部演之)
  • ビルボ・バギンズ : イアン・ホルム(山野史人)
  • マドリル : ジョン・バック(廣田行生)
  • ギャムリング : ブルース・ホプキンス(立木文彦)
  • デアゴル : トーマス・ロビンズ(岩崎ひろし)
  • ゴスモグ : ローレンス・マコーレ(宝亀克寿)
  • アングマールの魔王 : ローレンス・マコーレ(小林清志)
  • 死者の王 : ポール・ノレル(納谷六朗)
  • サウロン(佐藤淳)
  • イシルドゥア : ハリー・シンクレア(吉田裕秋)

 

 

 

 

あらすじ:

再会:

昼なお暗いモルドールの山。フロドが眠る隣でゴラムは、自身が“愛しいしと”と呼ぶ“一つの指輪”を初めて手に入れたときのことを思い出していた。彼はホビットの支族であるストゥア族の一員で、スメアゴルと呼ばれていた。ある日、いっしょに川で魚を釣っていた友人デアゴルが川に落ち、川底で偶然見つけた金の指輪を拾う。スメアゴルはその指輪を見た瞬間に魅せられ、それを奪おうとしてデアゴルを殺してしまった。そのために村を追放された彼は、指輪だけを友に長い年月を過ごすうちに指輪の魔力に蝕まれ、徐々に心身ともに変貌し現在の姿になったのだ。眠りから目覚めたサムはゴラムの邪心を疑うが、フロドはそんなサムをいさめる。

森の中、裂け谷のエルフ王エルロンドの娘アルウェンは、アラゴルンを愛しながらも父の言葉に従い、エルフたちとともに西方に船出する港に向っていた。が、彼女はひとりの幼い少年が、彼女の前を走っていきアラゴルンに抱きかかえられる幻を見て、裂け谷に引き返す。彼女は父に、自分が見たのは自分の息子であり、未来に希望はあると語り、アラゴルンの祖先イシルドゥアの折れた剣を鍛え直すよう訴える。だが、サウロンの力が増すとともにエルフの力は弱まり、アルウェンも次第に衰弱していくのだった。

一方、アラゴルンたちはサルマンの砦アイゼンガルドに向かい、そこでメリーとピピンに再会してお互いの無事を喜び合う[4]。ピピンがサルマンの使っていた遠くを見る石=パランティーアを発見。ガンダルフが保持するが、好奇心の強いピピンはガンダルフが寝ているすきに石を覗いてしまう。だが、冥王サウロンも別のパランティーアを覗いているため、それを覗く者はサウロンからも見つかり彼の邪悪な力を及ぼされるのだ。ピピンもサウロンに見られて苦しめられるが ガンダルフに救われる。ガンダルフはピピンがパランティーアで見た光景から、サウロン勢がゴンドールへ進軍していることを知り、一行と別れ、ピピンを連れてゴンドールの首都ミナス・ティリスに向かう。

ゴンドールで彼らを迎えたのは、愛する息子ボロミアの死を知って絶望する執政デネソールだった。ピピンは自分とメリーを救って死んだボロミアの恩に報いるために、デネソールに仕えることを申し出て、城の衛兵に任じられる。ガンダルフはデネソールにサウロンの攻撃に備えてローハンに援助を仰ぐよう勧めるが、彼はローハン軍と共にゴンドールの王の末裔アラゴルンが来て、執政家が統治してきた国を奪われるのではないかと恐れて拒絶する。そこでガンダルフはピピンを使い、ローハンに援助を求めるのろしに点火する。のろしを見たローハンのセオデン王はゴンドールを援護することを決意する。

 

疑念:

ゴンドール執政デネソールの息子ファラミアは、オスギリアスの砦でオークの軍に敗れ、都ミナス・ティリスに撤退する。が、父デネソールは彼に戻って砦を奪回するように命じ、ファラミアが「ボロミアではなく、弟の自分が死んだほうがよかったと思っているのでは」と問うと、「そうだ」と返答する。ファラミアは父への愛を示すため、死を覚悟して戦場に戻っていく。

滅びの山を目指すフロドとサムの間にも事件が起きていた。ゴラムがサムを陥れようと、二人が寝ている間に唯一の食料であるエルフの焼き菓子レンバスを、サムがひとりで食べたように偽装したのだ。フロドはゴラムの策略にのせられてサムを疑う。疑惑に苛まれるフロドはサムが指輪を運ぶことを申し出ると、彼が指輪を狙っていると誤解して「帰れ」と命じ、悲嘆にくれるサムを置き去りにしてしまう。

ローハンのハロウ砦(ダンハロウ)ではアラゴルンが焦る心を抑えていた。セオデンはこの地に各地の兵士たちを召集していたが、今ある戦力ではサウロン軍に勝てないのは明白だった。そこに裂け谷のエルフ王エルロンドがやって来る。彼はアラゴルンに鍛え直した王の剣「アンドゥリル」を与えて助言する。「死者の道」と呼ばれる場所に、かつて人間の王イシルドゥアに忠誠を誓いながらも誓約を果たさなかったため、その罰として永遠に成仏できずにいる、死者の王とその軍勢が封印されており、アラゴルンがイシルドゥアの末裔として王の証となる剣「アンドゥリル」を持って勇気を示し、死者の王に認めさせることができるならば彼らは戦いに加わるかもしれぬと。そこでアラゴルンは「死者の道」に向かうことを決意する。するとレゴラスとギムリも「友はつねに行動を共にするものだ」と、アラゴルンが止めるのも聞かずに同行する。

彼らを見送ったローハン軍は、いよいよゴンドール王国を襲うサウロン軍との戦いに向かう。ローハンの騎士となったメリーは戦闘に参加したいと申し出るが、セオデン王も勇敢な騎士である彼の甥エオメルも、メリーの誠心は信じているが身体の大きさが足りないからと城に残るよう勧める。が、メリーの不満は、女性だからといつも留守居役を命じられているエオメルの妹エオウィン姫の不満でもあった。彼女は「友のために戦うことは、誰にも止められない」と密かに男装し、メリーを連れて兵士として出陣していく。

 

使命:

ゴンドールの都ミナス・ティリスはオークの軍勢に取り巻かれていた。執政デネソールは息子ファラミアが瀕死の重傷を負い意識不明で戻ったのを見て死んだと思い込み、「執政の血筋は絶えた」と精神錯乱に陥る。そこでガンダルフがデネソールに代わってゴンドール軍の指揮を執り、自らも戦闘に加わっていく。デネソールはピピンの説得にも耳を貸さず、ファラミアを道連れに焼身自殺しようとする。ピピンと駆けつけたガンダルフはファラミアを救うが、自ら放った火が着衣に燃え移ったデネソールは、乱心のまま塔から身を投げて果てる。

同じ頃、ローハン軍はゴンドールのペレンノール野に達し、死を合言葉に突撃を始め、闇の軍勢を背後から攻撃する。サウロンの勢力に参加しているのはゴスモグ が指揮するオーク軍だけではない。近接戦では無類の強さを誇る武装したトロルの上位種「オログ=ハイ 」、南方人ハラドリムたちが乗る巨大な獣「オリファント(ムマキル)」、空には“おぞましい獣”フェルビーストに乗って勢力を統率する「ナズグル」もいる。その上、黒船船団のウンバールの海賊たちまでもが参戦せんと、戦場に向かって来ているという。激しい戦乱の中、ナズグルの首領「アングマールの魔王」が、ローハンのセオデン王に襲いかかる。倒れた王を守ろうと魔王に相まみえたエオウィンは、「人間の男に我を殺すことは不可能」とせせら笑う魔王の猛攻に圧倒される。その時、人間ではないホビットであるメリーが魔王の脚に刃を突き立てた。エオウィンは戦士の兜を脱ぎ、長い金髪をなびかせて「私は“男”ではない!」と言い放ち、剣で魔王の顔面を突き刺して倒す。その後、セオデン王は彼女に微笑み、「これで恥じることなく父祖の仲間入りができる」と息を引き取るのだった。

魔王を討っても闇の勢力の勢いはなお衰えず、ペレンノール野でもミナス・ティリスでも人間勢の苦戦は変わらず続き、もはや敗北は目前かと思われた時、ペレンノールの港に黒き船団が着く。オークたちは味方の海賊たちがやってきたと思って喜ぶが、船から現れたのはアラゴルンと彼が率いる死者の軍勢だった。永き呪縛からの解放を約束に、騎士としての誇りを取り戻すため、一度だけの条件でアラゴルンの召集に応じたのだ。アラゴルン、レゴラス、ギムリら三人と死者の軍勢は瞬く間に攻め上がり、それを機に軍は息を吹き返し形勢逆転、戦いはゴンドールとローハン連合軍の勝利に終わる。

だがその頃、フロドは危機に陥っていた。ゴラムの策略で大蜘蛛シェロブの棲処に導かれ その毒針に倒れたのだ。フロドの後を追ってきたサムがシェロブを撃退。フロドを連れ去ったオークをも倒してフロドを救出するが、フロドは指輪の魔力による衰弱のあまり歩けなくなる。するとサムは「あなたの重荷は担えませんが、あなたを背負うことならできます」と、フロドを背負って歩き出す。

アラゴルンら旅の仲間とゴンドールとローハンの連合軍は、フロドが滅びの山に辿り着き、“一つの指輪”を破壊する使命を成し遂げるまではサウロンの目をそらし続けるため、敵の本拠地モルドールに公然と最終決戦を挑むことを決意する。彼の地にそびえ立つ冥王サウロンの居城バラド=ドゥーアからは、倒しても倒しても無尽蔵と思えるほどの軍勢がサウロンによって送り出される。闇の勢力の力の源泉であるサウロンが滅びぬ限りは、敵の本拠地での戦いに勝ち目はない。だが、アラゴルンらはフロドが使命を必ず成し遂げ、“一つの指輪”を破壊しサウロンを完全に滅ぼすことだけを信じて覚悟を決める。アラゴルンが「フロドのために」とモルドールの黒門に挑むと、すべての兵士が彼の覚悟の後に続き、敵の大群へと突撃するのだった。

アラゴルンらが満身創痍で戦い続ける頃、遂にフロドとサムは滅びの山の火口の淵まで辿り着く。だが、滅びを目前とした“一つの指輪”の魔力の最後の抵抗にフロドは屈し、「指輪は僕のものだ」と口にして指輪の破壊を放棄し、指輪を指にはめる。その瞬間、冥王は指輪の所持を宣言したフロドの存在に初めて気付き、黒の乗り手たちを滅びの山へ急行させる。姿を隠したフロドに襲い掛かったゴラムが“いとしいしと”を奪い取ろうと、指輪をはめたフロドの指を噛みちぎる。遂に念願の指輪を取り返し狂喜するゴラム。フロドは立ち上がりゴラムへ飛びかかると、二人で崖の縁から落ちてしまう。駆け寄ったサムが火口を覗くと、フロドは火口に落ちていく指輪を追わずに何とか一命を取り留め、指輪を追って火口の中へ落ちたゴラムは喜びながらも指輪を抱いて溶岩の中へと消えた。

そして、火口へ落ちた“一つの指輪”も滅びの時を迎え、遂に冥王サウロンは完全に消滅するのだった。

 

新たなる旅立ちと帰還:

力の源泉であったサウロンが滅びたことで共に闇の勢力は滅び、フロドたちもガンダルフと鷲の王グワイヒアによって救出された。 その後、アラゴルンはゴンドールの王として即位し、ミナス・ティリスに王が帰還した。その戴冠式を祝おうと、式に出席したフロドら4人のホビットであったが、アラゴルンは「礼を言うべきは我らの方」と、その場にいたすべての人間が頭を垂れ、4人の“勇者たち”に感謝の意を示した。そして式典には、生気を取り戻したアルウェンも駆け付けたのだった。 そして旅の一行は解散となり、フロドたちは故郷のホビット庄に帰還し、旅立つ前の平穏な生活を取り戻したかに見えた。

だが、すべてが以前のままではなかった。 サウロンとの戦いからしばらくの時が流れ、サムは結婚し、メリーやピピンも平穏な生活を取り戻した。 しかし指輪の運び手であったフロドについては、アングマールの魔王から受けた肩の傷跡は、中つ国では完全には癒えることはなかった。変わってしまったものは元に戻ることはなかった。 ビルボがかつての旅を記した『ホビットの冒険』と、それを引き継ぎ自らの旅を書き上げた『ロード・オブ・ザ・リング』を書き終え、全ての使命を終えたフロドは、ビルボ、ガンダルフ、そしてエルロンドとガラドリエル夫妻らエルフたちと共に、神の国・ヴァリノールへと船出し、この中つ国を(つまりは現世を)去ることにしたのだった。 ガラドリエルは言う、「これからは人間の時代です」と。

ヴァリノールから、中つ国へ戻ってくることはできない。 「ありがとう、サム。今までよく仕えてくれた。これからは家族に仕えてくれ」 それが、旅立つフロドのサムへの別れの言葉だった。

そして、サムが妻子の待つ我が家へと帰還し、映画は幕を閉じる。

 

 

 

 

コメント:

 

いよいよ完結篇。

長い旅を続けたフロド達がようやく滅びの山に辿り着き、指輪を火の中に戻すことになる。
物語は、サウロン軍とゴンドールに立てこもる中つ国との戦いと、滅びの山に向かうフロド一行の苦闘をカットバックしながら進んでいく。

激しい戦いが展開されるゴンドールでの動と、指輪の誘惑と戦いながら道を進めるフロドたちの静がカットバックされることで、動と静がそれぞれより強調されるような構成であり、それはうまくいっている。

実際に、ゴンドールの戦いはCGを駆使した強烈なアクションの連続で、これがずっと続くと疲れてしまう。

そこに、誘惑と戦いながら少しづつ進んでいくフロドたちの姿が挿入されることで、一種の緩和がもたらされ、次の戦闘シーンがすんなりと体に沁み込む。


もちろん、戦闘シーンの素晴らしさは言うまでもないが、フロドたちの旅も指輪の誘惑との戦いという意味で、非常にスリリングで面白い。

この旅を共に進めてきたゴラムが最後の最後で重要な役割を果たすというのも実にうまい語り口だ。
ラスト近くで、アラゴルンが王冠を受け、ホビットたちの前にひざまづく場面は、「スター・ウォーズ」のラストシーンを意識したものだろう。


この激しい戦いを潜り抜けたフロドが元の生活に戻れず、ガンダルフたちと旅立っていく。

そして同じ旅をしたサムは元の日常に帰っていくというラストは、とても腑に落ち、素晴らしいラストシーンとなった。

 

この作品の興行収入がついに、1,146百万

現在のイギリス・ファンタジー映画の最高峰のレベルだ。

 

映画の評価も最高の結果となった。

アカデミー賞では、作品賞、監督賞、脚色賞、作曲賞、歌曲賞、美術賞、衣裳デザイン賞、メイクアップ賞、視覚効果賞、音響賞、編集賞の11部門を受賞した。

これは『ベン・ハー』と『タイタニック』に並ぶ史上最多の受賞であり、ノミネートされた全部門での受賞としては、9部門受賞の『恋の手ほどき』『ラストエンペラー』を破り新記録となった。

ファンタジー映画では初めての作品賞。

また第61回ゴールデングローブ賞の作品賞(ドラマ部門)、第30回サターン賞のファンタジー映画賞も受賞した。

 

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