『ナルニア国物語』
（原題: The Chronicles of Narnia）
C・S・ルイス作（1950年出版）
『ナルニア国物語』は、イギリスの作家 C. S. ルイスによる 7 冊のポータル ファンタジー小説シリーズである。
ポーリン・ベインズがイラストを描き、1950 年から 1956 年にかけて出版された。
『ナルニア国物語』は、ラジオ、テレビ、舞台、映画、ビデオ ゲームなどに翻案されてきた。
このシリーズは、魔法、神話上の獣、話す動物がいるファンタジーの世界、ナルニア国物語の架空の世界を舞台としている。
ナルニア世界の歴史の中で中心的な役割を果たすさまざまな子供たちの冒険を描いている。
出版順に次の7作からなる。
- ライオンと魔女（1950年）
- カスピアン王子のつのぶえ（1951年）
- 朝びらき丸 東の海へ（1952年）
- 銀のいす（1953年）
- 馬と少年（1954年）
- 魔術師のおい（1955年）
- さいごの戦い（1956年）
内容は創造主のライオン「アスラン」により開闢された架空の世界ナルニアを舞台に、20世紀のイギリスの少年少女が異世界と往復しながら、与えられた使命を果たす冒険を描いている（『馬と少年』のみナルニアの隣国の少年が主人公）。
『ナルニア国物語』は児童文学の古典とみなされ、ルイスのベストセラー作品であり、47 か国語で 1 億 2,000 万部を販売した大ベストセラー小説である。
ナルニア国という名前はイタリアのナルニ島に由来しており、ラテン語でナルニアと書く。
「ナルニア」という言葉をどこで見つけたのかと尋ねられたとき、作者のルイスは、ある小古典地図帳を見せた。
そこには、古代イタリアの地図が描かれていた。
ルイスは、単にその響きが好きだったという理由だけで、「ナルニア」という小さな町の名前を見つけ出したのだ。
ナルニア国 – またはイタリア語で「ナルニ」 – はウンブリア州、ローマとアッシジの中間にある。
（イタリア中部にあるナルニ）
日本では2013年11月22日をもってC・S・ルイスの作品はパブリックドメインとなったため、多数の出版社から出版されている。ただしポーリン・ベインズが描いた挿絵は未だ保護下にあり、掲載されているのは岩波書店版のみである。
- 瀬田貞二訳『ナルニア国ものがたり』（全7巻）、岩波書店、1966年5月-1966年12月。岩波少年文庫、1985年10月-1986年3月。カラー版、2005年5月-2005年11月。
- 土屋京子訳 『ナルニア国物語』（全7巻）、光文社古典新訳文庫、2016年9月-2018年3月。挿絵：YOUCHAN
- 原作の出版順ではなく、物語の時系列順に並べ替え刊行された。
- 河合祥一郎訳 『ナルニア国物語 新訳』（全7巻）、角川つばさ文庫、2017年10月-2021年10月。角川文庫、2020年8月-2023年7月。挿絵：ソノムラ
映画化について：
以下の通り、これまでに第1章から第3章までの3作品が映画化されている。
- 『ナルニア国物語/第1章: ライオンと魔女』は2005年12月アメリカ公開。日本公開は2006年3月4日（日本配給：ブエナ・ビスタ・インターナショナル・ジャパン）。2005年アカデミーメイクアップ賞を受賞。
- 『ナルニア国物語/第2章: カスピアン王子の角笛』は、アメリカで2007年12月、日本では2008年5月に公開された。この作品とその後の『朝びらき丸 東の海へ』、『銀のいす』とを合わせて3部作として制作する予定もあったが、2008年12月24日、アメリカのウォルト・ディズニー・カンパニーは2010年公開予定だったシリーズ第3作の制作から撤退すると発表した。同社は理由について、予算の都合と他事業の計画を考慮した結果だとしている。
- 『ナルニア国物語/第3章: アスラン王と魔法の島』が、20世紀フォックスの配給により2010年12月10日に全米公開、2011年2月25日に日本公開された。制作は前2作から引き続き、ウォルデン・メディアが手掛け、主要キャストも続投された。
- 2011年3月22日、次回作は原作第6巻の『魔術師のおい』を予定していることが明かされたが、後に諸々の事情により、原作第4巻の『銀のいす』に変更になった。
- 2018年10月3日、Netflixがシリーズ全作の映像化権を取得し、再映画化およびドラマシリーズ化をすると報じられた。アニメ映画『リメンバー・ミー』の脚本家の1人であるマシュー・オルドリッチが主導する。ただし、2020年5月時点で続報はなかった。
- 2023年7月4日、Netfllixによる実写化のリメイク企画が始動。『バービー』の監督グレタ・ガーウィグが少なくとも2本の長編を監督する。
これから、1作ごとに映画化作品をレビューして行きたい。