フランス映画200選 第156作 「緑の光線」 ヴェネツィア国際映画祭・金獅子賞受賞作! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「緑の光線」

(原題:Le Rayon vert

 

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1986年8月29日公開。

孤独な女性が最後にグリーンフラッシュを見る感動作。

ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を獲得した名作。

 

監督・脚本:エリック・ロメール 

 

キャスト:

  • マリー・リヴィエール:デルフィーヌ
  • アミラ・ケマキ:デルフィーヌの女ともだち
  • リサ・エレディア:マヌエラ
  • ヴァンサン・ゴーティエ:ジャック
  • ベアトリス・ロマン:ベアトリス

 

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あらすじ:

夏のパリ。

オフィスで秘書をしているデルフィーヌ(マリー・リヴィエール)は20歳も前半、ヴァカンスを前に胸をときめかせていた。7月に入って間もない頃、ギリシア行きのヴァカンスを約束していた女ともだちから、急にキャンセルの電話が入る。

途方に暮れるデルフィーヌ。

周囲の人がそんな彼女を優しく慰める。

いよいよヴァカンス。

女ともだちのひとりが彼女をシェルブールに誘ってくれた。

だが、シェルブールでは独り、海ばかり見つめているデルフィーヌ。

太陽はまぶしく海は澄み渡っているが、デルフィーヌの心は晴れない。

彼女は、人気のないパリに戻った。

しかし、公園を独りで歩いていると、見知らぬ男が付いてきて彼女を不安にさせる。

8月に入り山にでかけた彼女は、その後、再び海へ行った。

そこで、彼女は、老婦人が話しているのを聞いた。

それは、ジュール・ヴェルヌの小説「緑の光線」の話だ。

太陽が沈む瞬間にはなつ緑の光線は幸運の印だという……海で友達ができないわけではないが、彼女の孤独感は消えない。

パリに戻ることにした彼女は、駅の待合室で、本を読むひとりの青年と知り合いになった。

初めて他人と意気投合した彼女は思いがけず、自分から青年を散歩に誘った。

夕方、海辺を歩く二人は目のまえの光景に目を見張った。

太陽が沈む瞬間、緑の光線が放たれたのだ。

 

光の波長のように、繊細きわまりない映画 --- マリー・リヴィエールと『緑の光線』 | 映画女優のエレガンス

 

コメント:

 

エリック・ロメール監督による「喜劇と格言劇」シリーズの第5作。

愛と幸せを求めてバカンスに出かけた孤独な女の旅を、生き生きとした会話と美しい映像で描き、ベネチア国際映画祭で金獅子賞に輝いた。

 

秘書として働くデルフィーヌはギリシャでのバカンスを楽しみにしていたが、一緒に行くはずだった女友だちにドタキャンされてしまう。

 

緑の光線」 行動しなさいって言うけど、どうやるの? | 映画キロク

 

友人に誘われて南仏へ出かけたものの、周囲になじむことができずひとりでパリへ戻る。

その後、ひとりでビアリッツの海を訪れたデルフィーヌは、ジュール・ベルヌの小説に書かれた、日没前に一瞬だけ見えるという「緑の光線」の話を耳にする。

 

主演のマリー・リビエールが良い。

ヴァカンスの夏を楽しむことができず泣いてばかりだったが、エンドで、ボーイフレンドが見つかり、彼と共に水平線のかなたに「グリーンフラッシュ」を目撃出来て、幸せいっぱいの表情になる。

この自然な表情の変化が素晴らしい。

 

マリー・リビエールは、エリック・ロメール監督の作品の多くに出演し、存在感を見せている。

代表作は、本作のほか、「飛行士の妻」、「冬物語」、「恋の秋」など。

 

この映画に出てくるジュール・ヴェルヌの小説「緑の光線」とは、1882年に出版されている小説。

 

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作者はフランスの著名な作家・ジュール・ヴェルヌ。

この人はSFの父と呼ばれる、SFを得意とする小説家だったが、この映画の題材にもなっている小説「緑の光線」は、SFとは無関係の、女性を主人公とする恋愛の物語で、スコットランドの風光明媚な土地を舞台に、グリーンフラッシュ(緑の光線)という自然現象を探す旅をテーマにしている。

グリーンフラッシュ(green flash)とは、太陽が完全に沈む直前、または昇った直後に、緑色の光が一瞬輝いたようにまたたいたり、太陽の上の弧が赤色でなく緑色に見えたりする稀な現象だという。

 

The Green Flash

 

「グリーンフラッシュ」はSFの世界での話ではなく、地球上で実際に見られる現象である。

見られる確率が低いことから、ハワイやグアムではグリーンフラッシュを見たものが幸せになるという言い伝えがあり、これはニューカレドニアを舞台にした大林宣彦の映画『天国にいちばん近い島』(1984年)にも出てくる。

 

 

 

 

この映画は、Amazon Primeで動画配信中:

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