「ボルサリーノ」
(原題:Borsalino)
1970年5月20日公開。
マルセイユの裏社会で大物になろうとする2人の若いチンピラを描く。
脚本:ジャン=クロード・カリエール、クロード・ソーテ、ジャック・ドレー、ジャン・コー
監督:ジャック・ドレー
キャスト:
フランソワ・カペラ:ジャン・ポール・ベルモンド
ロッコ・シフレディ:アラン・ドロン
ローラ:カトリーヌ・ルーヴェル
リナルディ弁護士:ミシェル・ブーケ
あらすじ:
一九三〇年のマルセイユ。
ギャングとチャールストンが入り乱れるこの街へ、三ヵ月のケチな刑を終えたシフレディ(アラン・ドロン)が出所して来た。
彼はさっそく、手下と共に自分を密告した男のバーを襲い放火した。
次に、なじみの女“天使のローラ”(カトリーヌ・ルーヴェル)に会いに行った彼は、その女のことでカペラ(ジャン・ポール・ベルモンド)と派手な殴り合いを始めたが、同時にダウンし、その時以来、二人の間には奇妙な友情が成立した。
やがて二人は、ボッカスという親分に認められたが、失敗つづきのありさまであった。
その後、ボッカスの黒幕であるリナルディ弁護士(ミシェル・ブーケ)の頼みで、魚市場を支配しているエスカルゲルに力を貸すようになった。
当時、マルセイユを本当に支配していたのは、マレロとポリという二大親分であった。
マレロとリナルディとのつながりを知ったシフレディは、大胆な野望を実現化するチャンスを狙っていた。
カペラはこれには反対だったが、ポリの情婦・ジネットに惚れたため承知した。
そして、二人はポリの資金源である食肉倉庫を襲撃したが失敗し、ひとまず田舎へひきあげ、反撃の日を待った。
二人のまわりに無頼の仲間と武器が集まってきた。
行動が開始された。
まずポリの暗殺、つぎにリナルディ、と二人のまわりには、次第に血の匂いがたちこめるようになった。
そして、残る大親分マレノ一味との間の、日毎の殺し合いの末、相手の本拠に乗り込んだ二人は、ついにマレノを倒した。
こうしてマルセイユはシフレディとカペラの手中におさまった。
シフレディは豪壮な邸宅を立て、パーティを開き、得意の絶頂にいたが、カペラは違っていた。
彼は今こそ、このマルセイユを去らねばならないと思っていた。
両雄は並び立たないと……。
そして、カペラがカジノを一歩出た時、何者かの銃弾が彼の命を奪っていた。
コメント:
一九三〇年代のマルセイユを舞台に、青春の野心とロマンを生きた二人の男の物語。
一度聴いたら耳になじむ軽快なテーマミュージックは、軽快さ抜群だ。
タイトルを聞いただけで音楽が聞こえてくるのだから、そのインパクトはすごい。
ジャン・ポール・ベルモンド、アラン・ドロンというフランス映画界の二大スターが共演し、1930年のマルセイユを舞台に、クールでダンディなギャングを演じている。
ファッションに興味がなくても、彼らの洗練されたファッションは観る価値がある。
ボルサリーノはおしゃれの必須アイテムのようだ。二人とも決まっているが、華やかさではドロン、男くささではベルモンドと対照的でもある。
1930年代を背景にした作品といえば「ゴッドファーザー」(1972)や「スティング」(1973)が思い浮かぶし、ほかにも1970年代のハリウッド作品には1930年代を舞台にしたものが随分ある。
しかし本作品はそれらよりも少し早い。
やはりファッションの流行に敏感なのはフランスなのかも。
タイトルの「ボルサリーノ」は、イタリアの有名な帽子メーカー名で、ロゴのデザインもそのまま同じで画面上に出てくる。
麻生太郎という政治家が大好きなのも「ボルサリーノ」。
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