「麒麟の翼 〜劇場版・新参者〜」
2012年1月28日公開。
東野圭吾原作の大ヒットドラマの劇場版。
興行収入:16億8000万円。
原作:東野圭吾「麒麟の翼」
脚本;櫻井武晴
監督:土井裕泰
キャスト:
- 加賀恭一郎 - 阿部寛
- 中原香織 - 新垣結衣
- 松宮脩平 - 溝端淳平
- 青柳悠人 - 松坂桃李
- 吉永友之 - 菅田将暉
- 杉野達也 - 山﨑賢人
- 横田省吾 - 柄本時生
- 青柳遥香 - 竹富聖花
- 青柳史子 - 相築あきこ
- 黒沢翔太 - 聖也
- 安田巡査 - 中村靖日
- 藤江刑事 - 緋田康人
- 青山亜美 - 黒木メイサ(友情出演)
- 清瀬弘毅 - 向井理
- 加賀隆正 - 山﨑努(特別出演)
- 八島冬樹 - 三浦貴大
- 糸川肇 - 劇団ひとり
- 吉永美重子 - 秋山菜津子
- 小竹由紀夫 - 鶴見辰吾
- 岩井記者 - 志賀廣太郎
- 小林主任 - 松重豊
- 石垣刑事課長 - 北見敏之
- 金森登紀子 - 田中麗奈
- 青柳武明 - 中井貴一
あらすじ:
東京・日本橋で男性が殺害される事件が発生。
被害者はカネセキ金属の製造本部長、青柳武明(中井貴一)。
彼は、腹部を刺されたまま8分間も歩き続けた後に、日本橋の翼のある麒麟像の下で力尽きていた。
なぜ、誰の助けも求めず、彼は一体どこへ向かおうとしていたのか。
一方、事件の容疑者、八島冬樹(三浦貴大)は現場から逃亡しようとしたところを車に轢かれて意識不明の重体だった。
報せを聞いた八島の恋人、中原香織(新垣結衣)は、彼の無実を訴えるが……。
この難事件の捜査に当たるのは、日本橋署の切れ者刑事の加賀恭一郎(阿部寛)。
やがて捜査が進むにつれて、それぞれの家族や恋人の知られざる一面が明らかになってゆく。
命が終わるその時に、青柳は誰に何を伝えようとしていたのか?
愛する人に何を残そうとしたのか?
加賀は事件の裏に隠された謎を解き明かし、真実を見つけ出すことができるのか……?
コメント:
東野圭吾のミステリー小説を原作とした阿部寛主演の映画。
2010年4月期に放送された連続テレビドラマの日曜劇場『新参者』、2011年1月に放送されたスペシャルドラマ『東野圭吾ミステリー 新春ドラマ特別企画 赤い指〜「新参者」加賀恭一郎再び!』の続編にあたる。
映画化作品の多い作家東野圭吾の推理小説「加賀恭一郎シリーズ」の「麒麟の翼」を映画化したもの。
主演はテレビドラマ版「新参者」で“加賀恭一郎”役を演じ好評だった阿部寛。
日本橋署の切れ者刑事として存在感を発揮する加賀恭一郎という異色の人物を、テレビドラマと映画を通してしっかり演じ切っている阿部寛が素晴らしい。
これまでも『TRICK』シリーズなどのミステリー作品に出演していたが、これは単なるコメディ。
東野圭吾の加賀恭一郎シリーズは、事件に真摯に向き合ってゆく刑事の目を通して描いた人間ドラマであり、登場する多くの人たちの生き死にを描くシリアスな作品である。
このシリーズの主役を演じる事によって、阿部寛という役者のレベルもワンランクアップしているように感じられる。
青柳武明を演じる中井貴一の断末魔の迫真の演技も注目だ。
あとで登場する回想シーンの表情でもまるで別人で、しばらく被害者役が中井貴一だとわかるまで時間がかかる。
もし、水泳部顧問が3年前の「事故」を隠さなかったら、今回の殺人事件は起こらなかった。
水泳部顧問が隠しても、悲劇を回避する機会はあった。
もし、青柳悠人が水泳部を止めた理由を父に隠さなかったら、今回の殺人事件は起こらなかった。
もし、青柳武明が息子に隠れて真相を究明しようとしなかったら、今回の殺人事件は起こらなかった。
もし、悠人の友人が3年前の「事故」の関係者を隠さなければ、やはり今回の殺人事件は起こらなかったのだ。
事件に関わる高校生を演じているのが、松坂桃李、菅田将暉,山崎健人など、今を時めく錚々たるメンバーだ。
大ヒット作に出演している若手俳優が、将来立派な俳優に成長するということは真実なのだ。
単なる殺人事件の解決だけを追求するのではなく、その裏にある人々の人生を描いている作品である。
その一環として、阿部寛扮する加賀恭一郎刑事の父親・隆正を山崎努が演じている。
2年前に病死していたという形で登場している。
山崎努の最後を看取った看護師を田中麗奈が演じている。
この映画は、多くのサイトで動画配信中: