淀川長治が選んだベスト映画100本 第6作 「ロイドの要心無用」 ビル登りシーンが最高!  | 人生・嵐も晴れもあり!

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「ロイドの要心無用」

(原題:Safety Last!

 

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「ロイドの要心無用」 全編(日本語字幕付き)

 

 

1923年4月11日公開。

サイレント映画の傑作コメディ。

興行収入:150万米ドル。

 

原案:ハル・ローチ、サム・テイラー、ティム・フェーラン

監督:フレッド・C・ニューメイヤー、サム・テイラー

 

キャスト:

  • ボーイ(ハロルド); ハロルド・ロイド
  • ガール; ミルドレッド・デイヴィス
  • 友人; ビル・ストローザー
  • 警官; ノア・ヤング
  • 売り場の上司; ウェストコット・クラーク
  • 酔っぱらい:アール・モーハン
  • 子供; ミッキー・ダニエルズ
  • 祖母; アン・タウンゼンド

 

ロイドの要心無用』 (1923年) ー ハロルド・ロイドの代表作 ー 20世紀・シネマ・パラダイス

 

あらすじ:

ハロルド(ハロルド・ロイド)は某デパートメイト・ストアの店員であった。

彼には故郷に残したミルドレッド(ミルドレッド・デイヴィス)という良家の令嬢なる恋人がいて、結婚をしたいのは山々であったが給料は少し困窮していた。

しかし表面は高級店員の様に装い、恋人に無理をしてでも贈り物などをして機嫌をとっていた。

ところがその恋人が急に故郷から出てきたために大金が必要となる。

ちょうどそのころデパートから大勢の集客をした者に1千万ドルの懸賞金が出ることを知ったロイドは、結婚費用調達の好機として、デパートビルの屋上まで壁登りの離れ業を演じようと企む。

実のところロイドは壁登りが得意な友人にやらせて一儲けする筈であったが、余儀ない事情で彼自らやらねばならぬ羽目となった。

おっかなびっくり一階一階と登る間にも様々な困難や危険が待ち受けており、終いには時計台の針に宙づりとなってしまう。

しかし九死に一生を得たロイドは遂に首尾よく成功し、金1千ドル及び恋人を手中に収めたのである。


美しき女たち男たち ハロルド・ロイド 様 Harold Lloyd

 

コメント:

 

主演のハロルド・ロイドが高層ビルの壁をよじ登るシーンが最大の見せ場のサイレント映画。
 

田舎町に住むロイドが大都会に出て立身出世を目指し、郷里に残した恋人(ミルドレッド・デイヴィス)を呼び寄せるというストーリーで、デパートに勤めたものの接客係のまま。

プレゼントを贈られて出世したと思い込んだ恋人がやって来て、ロイドが支配人になったと勘違い。ロイドは取り繕った挙句、デパートの宣伝策を求める支配人に、12階建てのデパートの壁を攀じ登って客寄せをする提案をして、賞金1000ドルを結婚資金に充てようと考える。

 

そしてロイドの壁登りが始まるが、トリック撮影や一部スタントマンを使うものの、ロイドの体当たり演技はスリル満点。

壁から落ちそうになったり、ポールに掴まったり、庇の上で千鳥足になったりする。

クライマックスは大きな時計の針にぶら下がるシーン。
 

1階から屋上まで壁を攀じ登る一連のシークエンスは、息をのむシーンの連続で、トム・クルーズも真っ青。

体操選手並みの懸垂力など、ロイドの身体能力の高さに驚かされる。
 

前半では、列車と馬車を乗り違えたり、ハンガーにぶら下がってコートのふりをするなど、ギャグも冴えていて、古典ながらも温故知新のコメディの精髄を楽しむことができる。

 

どうやってこの危ないシーンを撮影できたのだろう?

種明かしは、こちら:

 

この1923年の映画の危険なシーン…どうやって撮影していると思う?」海外の反応 : らばQ


 

ハロルド・ロイドは、子役、エキストラを経て、約200本近くの映画に出演した戦前の映画スター。

1920年代のバスター・キートン、チャールズ・チャップリンと共に活躍した米国サイレント映画のスーパースターの一人である。

多くの作品にカンカン帽にセルロイドの丸ぶち眼鏡という独特のスタイルで登場した。

都会的な一好青年によるドタバタ喜劇というのが特徴で、気弱な主人公が、いざ恋する女性のために一念発起、大奮闘する姿がよく描かれた。

この丸ぶち眼鏡を通称「ロイドめがね」というのは、彼にちなんでいる。

 

ハロルド・ロイド - Wikipedia

 

この映画は、今ならYouTubeで全編無料視聴可能。

 

なんといっても、後半のビルの屋上までの壁登りのシーンは、スリル満点で最高。