「ロッカーズ ROCKERS」
2003年9月27日公開。
博多を舞台にしたロックバンドを描いた青春映画。
陣内孝則の実体験に基づく映画化作品。
脚本:斉藤ひろし
監督:陣内孝則
キャスト:
- 高木仁 (ジン〈陣内孝則〉) - 中村俊介
- 谷信之(タニ〈谷信雄〉) - 玉木宏
- 桃沢力人(モモちゃん〈船越祥一〉) - 岡田義徳
- 早乙女学(ガクちゃん〈穴井仁吉〉) - 佐藤隆太
- 山田公介(コーちゃん〈鶴川仁美〉) - 塚本高史
リップオフ
- 桜井 - 玉山鉄二
- リップオフ - ザ・スリル
- リップオフのギタリスト - 三原康可
ゲスト俳優
- 葬儀の母親 - 麻生祐未
- 二枚目スター - 風間トオル
- 杉村パルコ - 小泉今日子
- 眼科医人見 - 佐藤浩市
- 看護婦 - 鈴木京香
- 牧師 - 中井貴一
- コンテストMC - 松重豊
- キース・リチャーズ似の男 - モト冬樹
- 往診の若い医師 - 八嶋智人
その他
- 佐藤真弓 - 上原美佐
- 高木巌(ジンの父) - 浦田賢一
- 高木良江(ジンの母) - 伊佐山ひろ子
- アケミ - 植松真美
- 仲よし會総長 - 小林且弥
- 仲よし會副長 - はなわ
- あけみ(パーティのコンパニオン) - 植松真美
- 鮫島 - 金原泰成
- ジンの祖父 - 久保晶
- 門前払いの男 - 王様
- 三味線でオーディション - 花原照子
- ラーメン屋の大将 - 手嶋雅彦
- 少年時代のコーちゃん - 神木隆之介
- 不倫課長 - 深町健二郎
- 不倫OLみちるくん - 萬田美子
- 携帯ショップの客 - 陣内孝則
- 博多パラダイス山路 - 白竜
- 喫茶店のマスター - 大杉漣
あらすじ:
「ロッカーズ」のVo.ジン(中村俊介)は、材木業を営む両親からバンド活動を反対されている。
今日も父親と一悶着の末、実家を飛び出してしまう。
ジンが率いるロッカーズのメンバーは、筋肉マニアで女に惚れっぽいDrs.モモちゃん(岡田義徳)、合法ドラッグにハマッっていつもヨレヨレ状態のB.ガクちゃん(佐藤隆太)、女系家族で育ち内股で占いマニアのG.コーちゃん(塚本高史)の腐れ縁4人組。
4人で奏でるロックン・ロールに限界を感じたジンは、新メンバーを募集する。
早速オーディションを開始したまでは良かったが、いまいちピンとくる人材に出会えず失望する。
そこに登場したのが、謎のサングラスの男だった。
抜群のテクニックをもつG.タニ(玉木宏)の加入をきっかけに、真剣にプロを目指し始めたロッカーズのメンバーたち。
「時間がないんだ!」。
いつも冷静なタニだったが、時として信じられないほどの焦りを見せる。
失明するかもしれないという目の病を抱えているタニには、時間が残されていなかったのだ。
だがそれを決して他のメンバーたちに告げることなく、タニはひとり練習に打ち込む。
そんなタニに触発され、馬鹿騒ぎの日々に終止符を打ち、ひたむきに自分たちのロックを追及するロッカーズ。
練習に練習を重ね、着実に人気・実力を身に付けてゆき、プロへの登竜門『ビート・ビッグバン!』コンテスト出場が決定する。
そんな彼らの一番のライバルは、ビジュアル系バンド「リップオフ」だ。多くの女性ファンを持つVo.桜井(玉山鉄二)率いるリップオフは、常にロッカーズの一歩先を行き、事あるごとにロッカーズをバカにしてきた。
「あいつだけには絶対負けない」。
固く心に誓うメンバーだったが、大切な日を目前にしてタニの病状は悪化する……。
コメント:
博多を舞台にロックに青春をかける若者たちの姿を描く青春映画。
監督の陣内孝則がかつて在籍していたバンドTH eROCKERSの青春を描いた、陣内の自伝的映画作品である。
監督の陣内孝則がかつて在籍していたバンドTH eROCKERSの青春を描いた、陣内の自伝的映画作品である。
陣内は、1996年にバイク事故によって死去した、TH eROCKERSのギタリストであった谷信雄への思いから、この映画の企画を立ち上げた。
そして「映画にするのなら観客を楽しませる内容でなければならない」との考えから、笑いあり涙ありのストーリーとし、ライブシーンにもこだわった。
プロットは、陣内が1998年に書いた自伝的小説『アメイジング・グレイス』によっている。
ロッカーズの5人のメンバーのうち、玉木宏だけオーデションで決定し、他のメンバー4人やはなわに関しては、ブレイク前からキャスティングを決定していた。
また玉木は、クランクインから俳優兼ギタリストの三原康可の指導でギターに初挑戦し、その後の歌手活動をスタートさせるきっかけになった。
玉木と塚本のギターは谷信雄の遺品で、クランクイン前の練習から使用した。
サウンドトラックは、TH eROCKERSのライブ音源を使用したエンディングの「涙のモーターウェイ」を除いてほとんどの曲をTH eROCKERSと同時代に活動したルースターズのメンバーからなるロックンロール・ジプシーズが新たにレコーディングをした。
ロッカーズの5人は劇中のバンド「ROCKERS」として、『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』や『MUSIC STATION』などの音楽番組にも出演し、陣内も応援に駆けつけた。
佐藤浩市や中井貴一、小泉今日子、鈴木京香といった俳優のゲスト出演の他に、谷信雄と親交のあった深町健二郎や、浦田賢一、伊佐山ひろ子、松重豊といった地元福岡出身の俳優やタレントが多数出演している。また、大杉漣は「恋の確定申告」という劇中歌を披露している。
陣内孝則の自伝的物語を初監督ということで、かなり荒削りな仕上がりになっている。
しかしその初物にしか出し得ない情熱や思いが感じられ、ロック映画の中でも上位に入るだろう。
陣内孝則のキャラクターそのままの、熱い情熱や勢いが作品全体に漂っている。
様々な人がカメオ出演しており、制作現場もお祭り騒ぎだったのではと想像してしまうやりたい放題の雰囲気が満々。
メインの出演陣はクドカンドラマに常連のメンツで、その勢いに乗っかったとも見える。
バンドのシーンは流石元ロックン・ローラーらしく素晴らしい。
アテレコはしているが全くの素人だった玉木宏が弾けるようになるまでギターを特訓したとあって迫真の出来。
当時実際にROCKERSが音楽番組に出演したのも観た人なら懐かしく感じるだろう。
バンド経験者なら誰もが胸が熱くなる作品。
陣内孝則が元ロック歌手で、映画監督もしていたとは、知らない人は知らない事実だ。
ロックは1980年代でほぼ終わり、映画監督も本作を含めて4作程度のようだが。
この映画は、今ならYouTubeで全編無料視聴可能。
小泉今日子は、カメオ出演している。
この映像の30分経過時点で、黒ずくめで登場。
博多のロックスタジオの経営者・杉村パルコという役でカッコよく登場している。
なかなか様になっている。
さすがキョンキョンだ。