「死に花」
2004年5月8日公開。
金庫破りに情熱を燃やす老人たちの姿を描いた喜劇。
興行収入:2.8億円。
脚本:小林弘利、犬童一心
監督:犬童一心
キャスト:
- 菊島真 - 山﨑努
- 伊能幸太郎 - 宇津井健
- 穴池好男 - 青島幸男
- 庄司勝平 - 谷啓
- 先山六兵衛 - 長門勇
- 明日香鈴子 - 松原智恵子
- 源田金蔵 - 藤岡琢也
- 赤星周次郎 - 小林亜星
- 北村英治
- 赤星静江 - 吉村実子
- 青木六三郎 - 森繁久彌(特別出演)
- 井上和子 - 星野真里
- 遠山貞子 - 加藤治子
- 月村俊介 - 鳥羽潤
- 図書館の美女 - 戸田菜穂
- 鴨下太一 - 高橋昌也
- 鴨下光代 - 白川和子
- 黒井順一 - ミッキー・カーチス
- 阿保親雄 - 岩松了
- 梅岡千香子 - 土屋久美子
あらすじ:
東京郊外にある老人ホーム“らくらく長寿園”に暮らす元映画プロデューサーの菊島(山﨑努)は、同じホームの入居者・源田(藤岡琢也)の遺品の中に、銀行の地下に穴を掘り、金を強奪すると言う奇想天外な計画を記した“死に花”と題されたノートを発見。
ホームの仲間である女好きの穴池(青島幸男)、ほら吹きの庄司(谷啓)、銀行の支店長だった伊能(宇津井健)、そして恋人の鈴子(松原智恵子)と共にその計画を実行に移すことにした。
狙うは、伊能のかつての勤め先である“サクランボ銀行”。
期間は、ターゲットの支店が閉鎖されるまでの一ヶ月間。
穴掘りの拠点となる隅田川沿いに住むホームレスの先山(長門勇)やホームの新人職員・和子(星野真里)をも仲間に引き入れ、着々と穴を掘り進めて行く菊島たち。
途中、防空壕の跡から白骨化した母子の遺体が見つかったりしたが、予定通り金庫の真下まで掘り進めることが出来た。
ところが、明日はいよいよ金庫を破ると言う日、台風に見舞われせっかく掘った穴が水没してしまう。
万事休す――しかし、なんと浸水によって地盤が緩みビルが傾き始めたのである。
そこで、もっけの幸いとばかり、菊島たちは傾いたビルの下に穴を掘ると、まんまと17億3千万円のゲットに成功したのであった。
だが後日、防空壕から発見された遺体がホームの青木老人(森繁久彌)の妻子のものだったことが判明。
今回の計画が源田による青木老人の為のものだったと気づかされた彼らは、しかしもう一花咲かせるべく、奪った金を元手に武田信玄の埋蔵金探しを計画するのだが、その時、菊島にボケの症状が顕れていた……。
コメント:
老人たちによる、楽しい金庫破りのコメディ。
だが、なんと、青島幸男、藤岡琢也、森繁久彌は、この映画が遺作となってしまった。
罰があったのだろうか?
本題に入るまでが長すぎる(特に葬儀のシーン)気がする。
出演者のうち多くの方が既に故人になっていることもあって、フィクションとして楽しむより、寂しさの方を強く感じ複雑な心境になる。
とても面白い作品になっている。
この老いた名優たちが、素晴らしい。
彼らが奇想天外なことをやろうと結束するのだが、その老いた姿がまた滑稽なのだ。
老後はいろいろとさびしいことも多いかもしれないが、もしこういう関係が生まれたら、これはこれで楽しいだろう。
発想転換をさせてくれる良作である。
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