古谷一行のドラマ 「女王蜂」 横溝正史の名作 ヒロインを演じる片平なぎさの熱演が光る! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「女王蜂」

 

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「女王蜂」 全編

 

横溝正史シリーズII・女王蜂

TBS系列で1978年8月12日から8月26日まで毎週土曜日22時 - 22時55分に放送された。全3回。毎日放送・三船プロ。

 

脚本:石松愛弘

監督:富本壮吉

 

キャスト:

  • 金田一 - 古谷一行
  • 日和(警部) - 長門勇
  • 神尾秀子 - 岡田茉莉子
  • 大道寺智子 - 片平なぎさ
  • 多門連太郎 - 夏夕介
  • 速水文彦 - 坂東正之助
  • 大道寺槇 - 南美江
  • 速水蔦代 - 岩本多代
  • 遊佐三郎(漁師) - 赤塚真人
  • 山下(巡査) - 三谷昇
  • 姫野東作(嵐三朝) - 田中春男
  • 九十九龍馬 - 川合伸旺
  • 大道寺琴絵(大道寺家の娘・故人) - 斉藤恵子
  • 香月写真館の店主 - 天草四郎
  • 日下部達哉 - 菊池太
  • 速水欣造 - 神山繁

レビュー] 女王蜂 (全3回) / 古谷一行 横溝正史シリーズII #6 (1978年の日本ドラマ) | 思考回廊

 

あらすじ:

原作:

1951年(昭和26年)5月、伊豆の南方にある月琴島で育てられた大道寺智子は、数日後に迎える18歳の誕生日に、祖母の槙と家庭教師の神尾秀子とともに、義父・大道寺欣造の住む東京の屋敷に引き取られることになっていた。智子は、東京行きの直前に、好奇心に駆られて別館の開かずの間に入ったところ、そこには血がついて折れた月琴があった。その頃、東京からの迎えとして月琴島出身の行者・九十九龍馬と金田一耕助が来訪する。

「月琴島からあの娘をよびよせることをやめよ」「19年前の惨劇を回想せよ。あれは果たして過失であったか。何人(なんびと)かによって殺されたのではなかったか。」という警告の手紙を読んだ欣造と、もう1人同じ警告の手紙が届けられた「覆面の依頼者」(名を明かせないという意味)から相談を受けた加納弁護士は、金田一に智子の護衛を依頼していた。金田一は加納弁護士に19年前の出来事とその後の顛末を聞き出す。

19年前、1932年(昭和7年)7月、学生だった速水欣造(現在の大道寺欣造)と友人の日下部達哉が月琴島を訪れ、滞在中に日下部は大道寺琴絵と契りを結ぶ。2人が島を去ったあとに妊娠に気付いた琴絵からの報せを受け、日下部は10月中旬に月琴島を再訪するが、彼はそこで崖から落ちて不慮の死を遂げる。状況は事故のように思われたが、日下部が島から「覆面の依頼者」宛に送った謹厳な手紙の中に、ふざけたような調子で蝙蝠をライカで撮って送ることが書かれていた。「覆面の依頼者」は、琴絵の子供を私生児にしないために欣造をくどいて名義上の結婚をさせ、これにより欣造は大道寺家の婿養子となった。しかし、琴絵は日下部との子供の智子が5歳の年に死去する。その後、欣造は「覆面の依頼者」の後援もあって、現在は実業界に羽振りを利かせる地位に就いているとのことであった。

そうして、智子一行が月琴島から修善寺のホテル・松籟荘に到着すると、そこには欣造と蔦代、2人の間の子供の文彦が待っていた。その後、欣造の薦める智子の花婿候補である3人の男、遊佐三郎、駒井泰次郎、三宅嘉文も到着し、さらには謎の黒眼鏡をかけた老人と、謎の手紙で呼び出されたギリシャ彫刻風の見事な肉体を持つ多門連太郎と名乗る青年も松籟荘に泊まっていた。智子が手紙で時計台に呼び出されると、そこには遊佐が血にまみれで殺されていた。現場には多門もいたが、自分が来た時には遊佐は既に殺されていたと言い、智子の唇を奪うと、調べられると困るからと言って逃走し、謎の老人も姿を消していた。

さらにその翌朝、ホテルの庭番の姫野東作老人の絞殺死体が見つかった。調べにより、姫野は遊佐よりも先に殺されていたことが判明する。また、姫野が殺される小一時間前に、秀子が姫野と遊佐の会話を小耳に挟んでおり、その会話は19年前の月琴島での出来事らしきことと、「あいつは蝙蝠だ、実に変な蝙蝠だった」と姫野が言うものであった。それらにより、19年前の惨劇の秘密の一端を知るらしい姫野殺害が主で、「蝙蝠」と名指された人物が疑われるので遊佐の口も塞いだという構図が明らかになった。そして、遊佐と多門の会話を聞いていた文彦の証言から2人が元々知り合いであることなども判明した。さらに姿を消した謎の老人が加納弁護士の元へ駆け込んだこと、その人物は実は元・宮様の衣笠氏であることが判明した。加納弁護士は明らかにしないが、衣笠氏が「覆面の依頼者」であるらしい。

5月末に金田一は大道寺家を訪れ、日下部達哉が19年前にライカで撮影したネガを大きく引き伸ばした写真を一同に見せた結果、姫野は19年前の惨劇時に月琴島を訪れていた旅役者一座の座頭・嵐三朝であることが判明した。ところが、大道寺家を辞した金田一が闇夜の中、殺意を持った何者かの襲撃を受ける。しかも、気が付くと引き伸ばした写真もいつの間にか奪われていた。さらに、写真を引き伸ばしてもらった新日報社の宇津木の手からネガも奪われていた。しかし、このことにより写真には犯人にとって致命的な証拠が写っていたことが分かった。また、宇津木の調査により、日下部は衣笠宮の亡き第二王子で、智子は衣笠氏の孫であることも判明した。

そして6月6日、歌舞伎座で修善寺に集まったメンバーが全員参集する中、智子と多門が再会を果たす。2人の会話を盗み聞きしていた金田一は、2人を結び付けようとする人物がおり、その人物が衣笠氏らしいことを知る。そこへ2人の会話中に駆け込んできた宇津木が、今度は三宅が殺害されたとの報せをもたらす。

 

本ドラマ:

以下のような重大な変更があるが、それ以外では原作の設定を概ね踏襲している。

  • 全事件が月琴島内で完結している。時計台や九十九道場も島内にあり、姫野東作は大道寺家で働いている。速水欣造は大道寺に婿入りしておらず、単に成人(18歳ではなく20歳)した智子を養女として引き取ることになっていたのみである。
  • 智子の血統(日下部達哉の正体)に関する設定が無い。したがって指輪のトリックも無く、蝙蝠の比喩が達哉の手紙に出てくる設定も無い(姫野東作の科白に出てくるのみ)。
  • 智子の婿選びという要素が無い。原作の3人の候補のうち遊佐三郎のみが島の青年として登場し、単に姫野東作から秘密を聞いたという理由で殺害される。また、三宅嘉文に代えて頼朝研究の学生・多門連太郎が毒殺される。
  • 浴室を利用した籠ぬけのトリックは無い。鏡に口紅の脅迫文は智子の自室に記されており、神尾秀子の仕業だった。
  • 多門毒殺直後に智子の依頼で金田一が開かずの間に入るが、殴打されて鍵を奪われる。錠を壊して再度入ると月琴と血痕が撤収されていた。このとき挙動不審だった九十九を金田一が罠にかけて撤収されていたものを持ち出させ、20年前の事件について白状させる。それを立ち聞きしていた智子が九十九を訪ね、九十九殺害事件へ展開する。抜け穴は頼朝伝説の元になった史実に関係するものと金田一が推定する。
  • 日下部殺害直前の嵐三朝一座の写真が奪われる展開は無い。
  • 編み物符号の暗号は無く、毛糸の玉は単に姫野東作殺害の小道具に過ぎない。
  • 神尾秀子は欣造の罪をかぶるためではなく、自殺を阻止された欣造に恥をかかせないために射殺する。

 

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 コメント:

 

TBS系列で放送されたドラマ横溝正史シリーズⅡの中の1作品である。 

原作は雑誌キングに連載された横溝正史の長編推理小説の同名タイトル作品。

この作品はこのドラマ以外にも何度もドラマ化され、また映画化されている、横溝正史小説の中でも人気のある作品の1つである。

 

主人公の金田一耕助を演じるのは古谷一行。

この作品は、月琴島で起こった過去の殺人事件と片平なぎさ演じる美しい娘・大道寺智子に関わって起きてしまう血の惨劇事件について、金田一耕助が推理し解決へ導いていく推理ドラマである。 

原作小説とは内容が異なる部分が多く、全ての事件が月琴島内で起こったことになっていたり、原作小説では割とキーマンになっている人物がドラマでは途中で殺されてしまうなど、だいぶ異なった仕上がりになっている。

 

横溝正史シリーズⅡ 「女王蜂」 (1978年) - Samurai Spirit ※画像転載禁止 -

 

月琴島で育てられた大道寺智子(片平なぎさ)は、速水欣造(神山繁)の住屋敷に住んでいる。
その欣造宛てに奇妙な手紙が届き、智子を呼び寄せてはいけないと警告していた。

手紙は月琴島で19年前に起こった学生の事故死にも触れ、「あれは果たして過失であったか」と疑問を投げかける。

不安を感じた欣造は金田一耕助(古谷一行)に調査を依頼。
金田一は智子の後見人として月琴島に渡った。

一方、智子は東京行きの直前のある日、椿の根元から開かずの間の鍵を見つけ出した。

好奇心に駆られた彼女が開かずの間の中で見たものは、血のついた月琴であった。

島を出て伊豆のホテル松籟荘に着いた智子の前に欣造、文彦(坂東正之助)らの他に、欣造の薦める3人の婿候補者・遊佐三郎(赤塚真人)、駒井泰次郎、三宅嘉文と、謎の手紙で呼び出された多門連太郎(夏夕介)が現れる。

智子を巡る争いのうちに惨劇の幕が開かれた。

 

ヒロインを演じるのは、片平なぎさ。

この人は、1974年に日本テレビのオーディション番組『スター誕生!』に出演し合格。1975年に東芝から「純愛」で、当初はアイドル歌手としてデビュー。

同年に「美しい契り」で第17回日本レコード大賞新人賞、新宿音楽祭銀賞などを受賞した。

さらに同年映画デビューもはたし、その後はテレビドラマ女優としての活躍が一気に増えて行った。

 

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本作は、片平なぎさにとって俳優デビュー4年後の作品だが、初々しさも残しながら、ヒロインを演じ切っている。

当時まだ19歳だった。

その後「2時間ドラマの女王」という異名をとる彼女の片りんが伺える作品になっている。

すごい演技力だ!

このドラマの重要な役柄である神尾秀子という女性を演じる岡田茉莉子も、すばらしい存在感だ。

金田一耕助版「女王蜂」キャストの比較 | のほほんblog

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この動画の1時間46分経過時点以降に、事件の真実が明らかにされる。

もし真犯人に興味があったら、ご覧あれ!

実に面白い!

 

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