古谷一行のドラマ 「真珠郎」信州のある湖畔で起こる殺人事件を描く横溝正史の異色作! | 人生・嵐も晴れもあり!

人生・嵐も晴れもあり!

人生はドラマ!
映画、音楽、文学、歴史、毎日の暮らしなどさまざまな分野についての情報やコメントをアップしています。

「真珠郎」

 

真珠郎 [DVD] -TVドラマ - Amazon

 

「真珠郎」 全編

 

TBSで『横溝正史シリーズII』の第2作として1978年5月13日から5月27日まで放送。全3回。

 

脚本:安藤日出男

監督:大州齋

 

キャスト:

  • 金田一耕助 - 古谷一行
  • 日和勇警部 - 長門勇
  • 鵜藤由美 - 大谷直子
  • 鵜藤 - 岡田英次
  • 椎名肇 - 原田大二郎
  • 乙骨三四郎 - 中山仁
  • 真珠郎 - 早川絵美
  • 了潤 - 加藤嘉
  • 音蔵 - 藤原釜足

横溝正史シリーズII 真珠郎 | メタボの気まぐれ - 楽天ブログ

 

あらすじ:

原作:

7月の初めごろ、X大学の講師である椎名耕助は、夕暮れの雑木越しに空に浮かぶ夕焼け雲がサロメの前に差し出されたヨカナーンの首そっくりに見えて、ぎょっとして立ちすくむ。そこへ通りかかった同僚の乙骨三四郎(以下「乙骨」)に声をかけられた椎名は、夕雲を指し示してヨカナーンの首に見えるという話をする。

7月15日の夜、椎名は乙骨に誘われて2人で信州に旅行に出かける。そして旅行先の温泉宿で、姪と2人暮らしの鵜藤氏という医者がN湖畔の邸の一室を貸し出す相手を探しているという話を聞き、その邸を訪れることにする。ところが途中、バスに乗り込んできた老婆から、Nに行くのはやめるように言われ、「お前さんたちの身の周りに、今に恐ろしい血の雨が降る。Nの湖水が、血で真っ赤になる。」と予言される。

しかし、元は娼家であった春興楼(しゅんきょうろう)という邸での生活は、鵜藤の姪の由美の美しさに惹かれたこともあって初めのうちは満足していたが、そのうち邸の蔵にもう一人誰かが住んでいる様子を感じるようになる。そして数日後の真夜中、椎名と乙骨は障子の隙間から、水に濡れた美少年が柳の樹の下に立っているのを目にする。その類い稀な美しい姿に、2人は妖異なものを感じる。翌朝、2人が鵜藤に美少年を見た話をすると、彼は激しく驚愕する。

それから1週間後、2人が湖水にボートを浮かべていると、浅間山が突然噴火する。溶岩と灰が降り注ぐ中、何とか岸まで戻ったところ、邸の展望台で先日見た美少年が鵜藤に刃物で襲いかかるのを目撃する。美少年は鵜藤の首をえぐると、今度は由美に襲いかかる。2人が邸の中に駆け込むと、肩を斬られて気を失って由美が倒れていた。気を取り戻した由美は、美少年が真珠郎という名で、彼に襲われたことを2人に話す。

真珠郎を追って外に出ると、丘にバスで見た老婆が立っていた。老婆は、真珠郎が逃げ水の淵と呼ばれる洞窟に逃げたことを3人に話し、洞窟の入り口が2つあるため4人で2艘のボートに分かれて真珠郎を追う。椎名と由美は、もう一方のボートとの合流点である浮き洲に倒れている乙骨を見つけ、さらにもう一つの浮き洲に首なし死体となった鵜藤を見つける。やがて気味の悪い笑い声とともに近づいてきたボートに乗っていた老婆のその顔は、真珠郎だった。そして、真珠郎は鵜藤の生首を笑いながら振り回した挙句、逃げ水の淵に放り込むと、ボートを漕いで去っていった。

邸に戻った由美は、椎名と乙骨を蔵の中の隠し部屋に案内し、かつて自分を糾弾した社会に復讐を遂げようと目論んだ鵜藤によって、ここで真珠郎が狂気の殺人者として育てられていたことを話す。その内容は、1年ごとに撮影した真珠郎の写真が貼り付けられた観察記『真珠郎日記』と、由美が鵜藤家に来るまで18年間真珠郎の世話をしていた爺やの証言によっても裏付けられた。

その後、警察の捜索にもかかわらず真珠郎の行方は杳として知れない中、椎名は東京に戻り、乙骨は由美と結婚して吉祥寺に新居を構える。そしてある日のこと、椎名は須田町の交差点で隣り合った自動車に乗っている真珠郎を目撃する。さらにその翌日、真珠郎を見たという由美に連れられて行った映画館で、新聞社のニュース映画の中に乙骨夫妻とその後ろの方に真珠郎が映っているのを見る。

このため由美から「夜の一人歩きや知らない人の誘いに乗らないように」と注意された椎名は、嫂が応対した彼がいない時に訪ねてきた「由利麟太郎」という人物が椎名に直接会いたいと言っていた話を警戒して断わった。

そして、雪の降るクリスマスの日、椎名が乙骨夫妻の家を訪れ泊めてもらったその真夜中、由美の悲鳴が聞こえ、彼女と真珠郎がもみ合うのが見えたが鍵がかかったり鉄格子があったりして助けに行けない椎名はやっと脱出すると、血みどろの座敷と負傷した乙骨を見つけ、助けを呼びに行った隣家の人と共に由美を探すと首無しの女性の死体が公園の中にあり、着衣と腕のあざから由美と確認された。

乙骨は入院しただけで命に別状はなかったものの、椎名はこの惨殺事件のショックで大学にも行かず憂鬱とした日々を送っていた所、あの「由利麟太郎」がまた彼のもとを訪ねてきたことで、椎名の気が付かなかった事件の「非常に恐ろしい知恵でたくまれた二重も三重もの底」がひとつずつめくられていくことになった

 

真珠郎(1978年) | ブリキの映画館

 

本ドラマ:

探偵が原作の由利麟太郎から金田一耕助に変えられたことにより、登場人物中の「椎名耕助」の名が「肇」に変えられている。

ストーリー展開はおおむね原作に忠実だが、以下のような差異がある。

  • 椎名と乙骨の所属は「城北大学」、鵜藤は信州の「鳥越湖」の湖畔に住んでいる。湖畔へ行く途中で別の目的地に滞在した設定は無い。
  • 金田一は元々椎名の友人であり、住職である叔父・了潤を訪ねて湖畔へ向かい、椎名や乙骨と同じバスに乗り合わせた。了潤は事件に関わる過去を知る人物を探し出すなどの役割を果たす。後半では金田一がおおむね原作の由利麟太郎の役回りを負っている。
  • 最後は椎名が1人で老婆の小屋へ走り、金田一たちは遠巻きに見守る。戻ってきた由美は、その場で告白状を渡す。
  • 由美はボートで漕ぎ出して服毒、ボートは逃げ水の淵へ流れていく。

 

横溝正史シリーズ2「真珠郎」 前編 - 美女・特撮・ドラマ

 

コメント:

 

城北大学の英文科講師・椎名肇(原田大二郎)と、東洋哲学の乙骨三四郎(中山仁)は、信州・鳥越湖畔の鵜藤家を訪ねる途中
金田一耕助(古谷一行)と出会った。

生物学の鵜藤(岡田英二)と姪の由美(大谷直子)の二人暮しをしている屋敷に到着した椎名と乙骨は屋敷に附随している望楼を遠目に発見する。

ある日、椎名は由美が誰もいない蔵からお膳を下げている所を目撃した。
謎に包まれた行動であったが、椎名と乙骨は夜の湖畔の柳の下で女性のように美しい絶世の美男子で全身緑色の不思議な衣装を身に纏っていた青年を見た。

週刊金田一 ショートバージョン「真珠郎」 | たまひめ。のブログ

青年の名は真珠郎(早川絵美)。

それは鵜藤が恩師の妻・愛子を愛してしまったが、拒絶されてしまったため、復讐として将来、美貌の男を愛子に差し向けて本心を暴き出すため、屋敷の倉の中に20年間、鵜藤に育てられていたのだ。

真珠郎2.jpg

しかし真珠郎に襲われた由美は、椎名と共に鵜藤を探しに洞窟内へ潜入したが、そこには怪我をして倒れた乙骨と、その側に首を切断された鵜藤の死体があった。

日和警部(長門勇)を伴った金田一は現場へ急行し事件現場を洗ったが、鵜藤の死体が流されてしまい、真珠郎が長年蔵に入れられていた不満で逆上し、逃走したと推理した。

事件未解決のまま東京に戻った椎名はそこで真珠郎を目撃し、更に吉祥寺に住まいを変え、乙骨と結婚した由美から呼出され、乙骨と由美を取り巻く群集の中で真珠郎が写っていた一枚の写真を発見。

真珠郎の目的は東京にいる愛子夫人殺害と判断した日和警部は愛子を訪ねるが、愛子は病気で亡くなっていた。

目的を失った真珠郎だったが、今度は由美を狙いを付けた。
その真意とは・・・

本作は、今までのような、犯人が誰か判らない金田一の推理で犯人が浮かんでくるという流れとは違い、犯人がすでに分かっている状態で犯行動機、犯行手口を解き明かすという「刑事コロンボ」「古畑任三郎」的な展開になっている。

 

ヒロインの大谷直子が美しい。

 

共演している原田大二郎、中山仁が若くて溌溂としている。

 

この映画は、今ならYouTubeで全編無料視聴可能。

 

この映画は、TSUTAYAでレンタルも購入も可能: