古谷一行のドラマ 「八つ墓村」 横溝正史シリーズII 第1作! 「たたりじゃ~」! | 人生・嵐も晴れもあり!

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古谷一行主演の金田一耕助のドラマ「横溝正史シリーズII」のレビューを開始します。

横溝正史シリーズII
放送期間:1978年4月8日~10月28日
主題歌:『あざみの如く棘あれば』 茶木みやこ
タイトル 制作 監督 脚本 回数 放映日
(1978年)
主な出演者
八つ墓村 大映/映像京都 池広一夫 廣澤榮 5回 4月8日~5月6日 荻島真一 鰐淵晴子 松尾嘉代 白木万理 神崎愛 毛利菊枝 中村敦夫 草薙幸二郎 梅津栄 江幡高志 北村英三 内田朝雄
真珠郎 大映/映像京都 大州齋 安藤日出男 3回 5月13日~5月27日 大谷直子 中山仁 原田大二郎 岡田英次 藤原釜足 早川絵美 加藤嘉
仮面舞踏会 東宝 長野卓 椋露地桂子 4回 6月3日~6月24日 草笛光子 乙羽信子 村地弘美 木村功 柳生博 佐原健二 久保明 内田稔 三ツ木清隆 小笠原弘 露原千草 大田黒久美 皆川妙子
不死蝶 大映/映像京都 森一生 野上龍雄
米田いずみ
3回 7月1日~7月15日 竹下景子 小沢栄太郎 植木等 江木俊夫 松山照夫 山本昌平 山本紀彦 浜田寅彦 松村康世 岩崎加根子 栗田ひろみ
夜歩く 東宝 水野直樹 稲葉明子 3回 7月22日~8月5日 范文雀 原泉 谷隼人 村井国夫 鮎川浩 伊藤雄之助 菅貫太郎 南風洋子 岸田森 清水紘治
女王蜂 三船プロ 富本壮吉 石松愛弘 3回 8月12日~8月26日 片平なぎさ 岡田茉莉子 南美江 岩本多代 田中春男 河原崎権十郎 (4代目) 夏夕介 三谷昇 赤塚真人 神山繁 川合伸旺
黒猫亭事件 大映/映像京都 渡邊祐介 安倍徹郎 2回 9月2日~9月9日 太地喜和子 近藤洋介 池田秀一 田口計
仮面劇場 東宝 井上芳夫 鴨井達比古 4回 9月16日~10月7日 司葉子 長尾深雪 池部良 下條正巳 睦五朗 柳谷寛 冨川澈夫 新村礼子 服部妙子 富田恵子 菅井きん
迷路荘の
惨劇
三船プロ 松尾昭典 田坂啓 3回 10月14日~10月28日 三橋達也 浜木綿子 仲谷昇 千石規子 西沢利明 滝沢双 伊豆肇
 
まずは、第1作から:
 
「八つ墓村」
 
Amazon.co.jp: 八つ墓村を観る | Prime Video
 
「八つ墓村」 全編
 
 
TBS系列で1978年4月8日から5月6日まで毎週土曜日22時 - 22時55分に放送された。全5回。
 
脚本:廣澤榮
監督:池広一夫
 
キャスト:
  • 金田一耕助 - 古谷一行
  • 寺田辰弥 / 亀井陽一 - 荻島真一
  • 森美也子 - 鰐淵晴子
  • 要蔵 / 久弥 - 中村敦夫
  • 春代 - 松尾嘉代
  • 小竹 - 毛利菊枝
  • 小梅 - 新海なつ
  • 久野(医師) - 永井智雄
  • 里村慎太郎 - 草薙幸二郎
  • 井川鶴子 - 神崎愛
  • 井川丑松 - 北村英三
  • 濃茶の尼 - 白木万理
  • 諏訪(弁護士) - 内田朝雄
  • 村のよろず屋 - 常田富士男
  • よろず屋の娘 - 津山登志子
  • 片岡吉蔵 - 山本清
  • 工藤(駐在巡査) - 江幡高志
  • 日和(警部) - 長門勇
  • ナレーター - 鈴木瑞穂
 
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あらすじ:
 
原作:

戦国時代の1566年(永禄9年)、とある山中の寒村に、尼子氏の家臣だった8人の落武者たちが財宝とともに逃げ延びてくるが、村人たちは毛利氏による捜索が厳しくなるにつれ災いの種になることを恐れ、また財宝と褒賞に目がくらみ、武者たちを皆殺しにしてしまう。武者大将は死に際に「七生までこの村に祟ってみせる」と呪詛の言葉を残す。その後、祟りを恐れた村人たちは犬猫の死骸同然に埋めてあった武者たちの遺体を手厚く葬るとともに、村の守り神とした。これが「八つ墓明神」となり、いつの頃からか村は「八つ墓村」と呼ばれるようになった。

大正時代、落武者たちを皆殺しにした際の首謀者・田治見庄左衛門の子孫で田治見家の当主・要蔵は、粗暴かつ残虐性を持った男で、妻子がありながら井川鶴子を暴力をもって犯し、自宅の土蔵に閉じ込めて情欲の限りをつくした。そのうち鶴子は辰弥という男児を出産したが、鶴子には昔から深く言い交した亀井陽一という男がおり、要蔵の目を盗んで逢引きをしていた。辰弥は要蔵の子ではなく亀井の子なのだという噂を耳にした要蔵は烈火のごとく怒り、鶴子を虐待するとともに辰弥にも体のあちこちに焼け火箸を押し当てたりするなど暴虐の限りをつくした。身の危険を感じた鶴子は、辰弥を連れて姫路市にある親戚の家に身を寄せ、いくら待っても帰ってこない鶴子についに狂気を爆発させた要蔵は、異様な姿で手にした日本刀と猟銃で計32人もの村人たちを次々と殺戮し、山へ消えた。

20数年後、神戸で結婚して寺田姓となった鶴子の息子・辰弥は、終戦後の翌年復員すると天涯孤独の身となっていた。それから2年近く過ぎたある日、ラジオで彼の行方を探していた諏訪法律事務所を訪ねると、辰弥の身寄りが彼を探しているという。数日後、辰弥の元に「八つ墓村へ帰ってきてはならぬ。おまえが村へ帰ってきたら、26年前の大惨事がふたたび繰り返され八つ墓村は血の海と化すであろう。」との匿名の手紙が届く。その後、法律事務所で彼の身寄りである田治見家の使者で、母方の祖父・井川丑松に引き合わされるが、丑松はその場で血を吐いて死に、何者かが彼のぜんそく薬のカプセルに毒を混入したことが判明する。その後、辰弥の大伯母から依頼を受けた森美也子が辰弥を迎えに現れる。

田治見家には辰弥の異母兄姉にあたる久弥と春代がいるが2人とも病弱であること、里村慎太郎とその妹・典子といういとこがおり久弥と春代が死ねば慎太郎が田治見家を継ぐこと、辰弥の大伯母で双児の小竹と小梅は辰弥が跡取りとなることを望んでいること、美也子は田治見家と並ぶ分限者(=資産家)である野村家の当主・壮吉の義妹で未亡人であることなどの予備知識を携えて辰弥が八つ墓村入りすると、「濃茶の尼」と呼ばれる少し気の狂った尼から「八つ墓明神はお怒りじゃ。おまえが来ると村はまた血で汚れるぞ。いまに8人の死人が出るのじゃ。」と罵声を浴びせられる。その翌日、辰弥と対面中の久弥が悶絶死し、辰弥は毒殺を疑うが、医者の久野は病死で片づけてしまう。丑松と久弥の葬儀後、辰弥は野村家に逗留中の金田一耕助から、怪しいと思うことがあったら率直にそれを披露するよう忠告される。3日後、久弥の死体が解剖された結果、久弥の死は丑松と同じ毒によるものであることが判明する。

さらに久弥の初七日の法要の席で蓮光寺の洪禅が毒殺され、辰弥は麻呂尾寺の英泉から「貴様が毒を盛ったのだ。貴様は自分のじじいを殺し、それから兄を殺し、今度はおれを殺そうとして、間違って洪禅君を殺したのだ!」と糾弾される。法要の前に慶勝院の尼・梅幸から「私と麻呂尾寺の住持が知っている大変大事なお話があります」と言われていたことから、翌日、慶勝院を訪問すると梅幸尼が毒殺されていた。そこには「双児杉」「博労」「分限者」「坊主」「尼」とそれぞれの対になる2組の名前が記された紙片が残されており、雷に打たれてなくなったお竹様の杉と毒殺された4人の名前の上に赤インキで棒が引いてあった。

その夜、辰弥は寝床のある離れから通ずる鍾乳洞を探検し、小さな滝から外に出たところで典子に出会い、彼女との別れ際に、濃茶の尼の尼寺の障子に鳥打帽をかぶった男のような人影がよぎったかと思うと電気が消えた。その翌朝、辰弥は昨夜の12時前後、辰弥と典子が尼寺の電気が消えるのを目撃した時間に濃茶の尼が殺されたことと、例の殺人予定表のような紙片を記した久野が失踪したことを知らされる。金田一は辰弥に、濃茶の尼殺しは梅幸尼殺しでヘマをやらかした犯人の予定外の殺人であると言う。数日後、何者かにさらわれた小梅の死体が鍾乳洞の奥「鬼火の淵」と呼ばれる地底の崖下の水面で見つかり、その近くに「双児:小竹様・小梅様」と記された紙片と行方不明の久野の鳥打帽が発見され、最重要容疑者として久野の鍾乳洞狩りを行ったところ、「狐の穴」と呼ばれる無数の枝道の一つに久野の毒殺死体と「医者:久野恒美 ・新居修平」と記された紙片が発見された。

村人たちの辰弥に対する疑惑が強まる中、辰弥は離れの屏風の中から自分に瓜二つの亀井陽一の写真を発見し、自分が要蔵の子ではなく亀井の子であることを知る。その夜、村人たちが辰弥を簀巻きにして川に放り込もうと田治見家を急襲し、辰弥は鍾乳洞の「鬼火の淵」の向こう側に逃れる。一夜明けて辰弥の耳に春代の悲鳴が聞こえ、駆け付けると春代は鍾乳石で刺されて瀕死であった。辰弥が亀井の子であることを知っていた春代は、最期に辰弥への想いと犯人の左の小指を噛み切ったことを告げて息絶える。その後辰弥は、愛する辰弥のために毎日弁当を差し入れに来る典子と、鍾乳洞の奥深くにある 「竜の顎(あぎと) 」に隠されているという落武者たちの財宝探しの探検を始める。数日後、麻呂尾寺の住持・長英が村人たちを説得しているので、今日にも洞窟を出られそうだと聞かされた辰弥は、喜びのあまり感極まって典子を抱きしめ2人は結ばれる。しかし、そこに現れた博労の吉蔵が野村家の若頭とともに2人を襲撃し、鍾乳洞の奥に追い込まれたところで落盤が起きる。意識を取り戻した2人は、そこで大量の大判を発見するとともに、閉じ込められてしまったことに気が付く。絶望する辰弥を典子は助けが来ると励まし、また、春代に小指を嚙み切られたのは美也子であったことを伝える。辰弥は慎太郎が田治見家を継ぐために本家の者を皆殺しにするのが犯行動機である可能性に気付いて彼を疑っていたのだが、慎太郎を愛するがゆえの美也子による犯行だったのだ。

2人は3日後に救出され、快復した辰弥が麻呂尾寺の長英を訪ねたところ、英泉が辰弥の実の父・亀井であることを知らされる。英泉が洪禅の死の際、辰弥を糾弾したのは、辰弥が要蔵の子でないことを知りながら田治見家を横領しようと企み、自身の出生を知る父が邪魔で殺そうとしたのだという思い込みによるものだった。その後、春代の三十五日の夜、今回の事件の総括を関係者一同で行う。久野は商売敵の新居医師を八つ墓明神の伝説を利用して殺したいと願望して頭の中だけで立てたプランを手帖に書き、それを美也子に利用されたのであった。美也子は小指の傷口から入った悪いばい菌により体中が紫色に腫れあがって、苦痛にのた打ち回りながら息を引き取ったという。最後に辰弥は、発見した大判を披露するとともに、典子と結婚したことを報告し、皆の歓声と拍手に包まれる。

辰弥は慎太郎に亀井の写真を見せて田治見家相続の辞退を申し出る。その後、田治見家を継いだ慎太郎は、迷信深い村人たちの意識を変えるために村に新しい事業を起こすべく、石灰工場を建てるために奔走する。辰弥は、神戸の新居に移り住む前に典子から妊娠したことを告げられ、彼女を強く抱きしめる。

 
本ドラマ:

最も長尺の映像化であり、前半の展開は原作に比較的忠実だが、後半は大きく異なっており、犯行動機は単なる怨恨である。

金田一は放浪中に気が向いて八つ墓村を訪れ、宿屋が無いのでよろず屋に寄宿しており、森家(原作の野村家)は関与していない。よろず屋の娘は利発で、金田一が助手代わりに使う場面もある。 辰弥はヤミ物資の売人であり、出入りの食堂の主人からラジオの尋ね人の情報を聞く。辰弥の火傷跡は脇腹に大きなものが1つあるのみである。 久野恒実は無免許医(もと看護兵)で、要蔵の弟で里村慎太郎の父よりも年長である。里村典子は登場しない。 井川丑松は辰弥と対面したときに喘息の発作が出て粉薬を飲み、すぐに死亡する。 鍾乳洞への抜け道は壁の隠し扉で長持に偽装はされていない(ただし、単なる壁に見せかけており、また家具を手前に置くことで出入り口とは分からないようにしている)。また、出入りのために辰弥に眠り薬を飲ませる手間はかけていない(酒を飲ませて酩酊するように仕向けたことはある)。 洪禅殺害が無差別殺人に見える理由は結局解明されない。それまでに使われた毒物を村に自生する「カブトギク」(トリカブト)と金田一が特定したため、それ以降の梅幸と妙蓮の殺害は絞殺死体を落武者に見立てる形に変わった。 美也子が慎太郎を想う設定は無く、辰弥と恋仲になるが、小梅、小竹は快く思わない。辰弥が初めて鍾乳洞へ入った際、原作での典子と同様の状況(ただし2回分を1回にまとめている)で美也子に出会って仲を深める。春代はこの場面には現れず、屍蝋が要蔵であることには美也子が気付く。 久野医師の殺人計画書は登場するが、疎開医の新居は登場せず、計画書作成の動機は選挙で支援を受けられず落選したことである。また、落雷では明神の墓石が破壊され双児杉の損壊は無いため、計画書の発想源は不明である。対立する二者の一方を殺すという条件を無視して妙蓮が殺害されたことについても何の説明もなされない。 金田一は辰弥の不在中に屏風を無断で持ち出し、恋文の他に亀井陽一の写真を発見、そのことを辰弥に説明している間に、小梅が誘拐される。 犯行は美也子と諏訪弁護士の共犯である。丑松殺害は弁護士事務所での粉薬すりかえによって行われており、カプセルを利用した時間差トリックは無い。美也子の夫は事業に失敗したときに田治見家に支援を拒絶されて自殺に追い込まれていた。諏訪は田治見要蔵の32人殺しで両親を殺された孤児だが、そのことを隠して辰弥探索に関わっていた。 辰弥の父・亀井陽一は戦傷を口実に面頬(めんぼお)で素顔を隠し、寺男・富蔵として密かに辰弥を見守っていた。諏訪は面頬を装着して富蔵に成りすまし、頻繁に八つ墓村へ来て犯行を進めていた。小梅を誘拐した際には甲冑の中に入っていた。 警察が鍾乳洞内で小梅を捜索している間に、八つ墓明神の近くに埋められていた久野医師と慎太郎の死体が豪雨で洗い出されて発見される。慎太郎は犯人の正体を知っていたために殺害されたと説明されるが、なぜ知っていたかは明らかにならない。興奮した村人たちが辰弥を殺害しようと押しかけてくるが、警察が鍾乳洞を封鎖して騒ぎを収める。 鍾乳洞に逃げ込んだ辰弥を警察が把握していない入口から入った美也子が訪ね、洞内を探検して亀井と鶴子が情交していた「竜の顎(あぎと)」を発見し、情を交わす。また、財宝も発見する。 辰弥は瀕死の春代から美也子に殺されたことを明示的に聞かされる。美也子は辰弥と無理心中しようとするが、富蔵(亀井陽一)が現れ、喉に剃刀で致命傷を負わされながら美也子を絞殺する。 事件終結後、神戸で日和警部が金田一を訪ね、台風による刑部川の氾濫により八つ墓村は鍾乳洞ごと濁流に押し流されて消滅し、辰弥も水死したという新聞報道を示す。財宝発見を知らない2人は辰弥が再び鍾乳洞に入っていた理由が解らず「見えない糸に手繰られて」としか表現できない。そして「やはりこれは祟りということかなあと言いたい」のではないかと日和警部が金田一に問われて肯定するところで終わり、原作のハッピーエンドとは程遠い後味の悪い結末となっている。
 
八つ墓村』横溝正史マイブーム①: うずら眼 - uzuraman's eye
 
コメント:
 
この「八つ墓村」という横溝正史の作品は、超人気の題材で、これまで映画、ドラマで合計10回も制作されている。

映画3本とTVドラマ6本の一覧をwikiから抜粋して紹介する

映画
 1951年:松田定次監督・金田一は片岡千恵蔵
 1977年:野村芳太郎監督・金田一は渥美清
 1996年:市川崑監督・金田一は豊川悦司
TVドラマ
 1969年:金田一は金内吉男。NETテレビ系列の「怪奇ロマン劇場」2クール1時間枠番組中の1回。
 1971年:金田一は山本耕一。NHK銀河ドラマ30分枠で全5回。
 1978年:金田一は古谷一行。横溝正史シリーズII1時間枠全5回。
 1991年:金田一は古谷一行。TBS系列の2時間ドラマ「月曜ドラマスペシャル」。
 1995年:金田一は片岡鶴太郎。金曜エンタテイメント枠2時間。
 2004年:金田一は稲垣吾郎。金曜エンタテイメント枠2時間。

 2019年:金田一は吉岡秀隆。NHK BSプレミアム「スーパープレミアム」枠2時間。 

 

この中で、最も人気があったのは、古谷一行主演の1978年に放送された本作だ。

現在まで何度も再放送されていて、DVDもレンタルされている。

 

物語の主人公の辰弥を荻島真一が、ヒロインの美也子を鰐淵晴子が演じており、情を交わすシーンが印象的だ。

美男美女の濡れ場なので、恐怖の中の貴重なラブシーンとなっている。

 

横溝正史シリーズⅡ 八つ墓村 全五話 1978年度作品 | 思い思いの風

 

この作品の中で最大の事件は、過去に起こった大量殺人事件だ。

冒頭で語られている要蔵の村人三十二人の惨殺シーン。

 

これにはモデルとなった実在の事件がある。

一人の男が一晩で同村の村民を三十人あまり殺害したところ、一番の標的を取り逃がしているところ、その凶行の際のいでたち

その男は詰襟の洋服を着て、脚に脚絆をまき草鞋をはいて、白鉢巻きをしていた。そしてその鉢巻きには点けっぱなしにした棒形の懐中電灯二本、角のように結びつけ、胸にはこれまた点けっぱなしにしたナショナル懐中電灯を、まるで丑の刻参りの鏡のようにぶらさげ、洋服のうえから締めた兵児帯には、日本刀をぶちこみ、片手に猟銃をかかえていた。


本作では、中村敦夫がこの狂人・要蔵を演じている。

この殺戮シーンが強烈で恐ろしくて、『八つ墓村』といったらこのイメージが一番強くなっているのだ。
原作の小説の方は、狂疾の暴君がある日発狂して村人を見境なく殺してまわったというものだが、実際の事件は怨恨によるもので、かなり計画的な犯行だったようだ。

 

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ここの部分は昭和13年に岡山県で実際にあった「津山事件」がモデルになっているのだ。

「津山事件」とは、一人の男が一晩で同村の村民を三十人殺害したという世界犯罪史に残る信じがたい事件ではあるのだが、当時は日本が戦争に向かっていた時代だった事や、関係者がほとんど死んでおり、詳細は分からずじまいな点が多い事などから、これ程の大惨事にしてはさほど事件自体の知名度は高くなかったらしい。

『八つ墓村』のモデルに使われた事件だという事で知った人がほとんどだという。

事件後、戦争も終わって随分経ってから『八つ墓村』という小説・映像化作品によって「津山事件」が有名になったというのが事実のようだ。

 

今日9月11日は、あの「9.11テロ」がニューヨークで起こった日だ。

米国の中東への侵攻に対するイスラムの民の恨みが原因となった事件だ。

また、最近も安倍晋三元首相が統一教会がらみの怨恨から信者の息子に殺害された。

いずれも怨恨が元になっての犯行なのだ。

人の恨みほど怖いものはない。

 

 

「津山事件」については、島田荘司著の『龍臥亭事件(上・下)』 に詳しく載っているようだ。

 

 

 

この映画は、今ならYouTubeで全編無料視聴可能。

 

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