「ゴッドファーザー PART III」
(原題: The Godfather Part III)
受賞歴:
1990年 第63回 アカデミー賞 作品賞
脚本:フランシス・フォード・コッポラ 、 マリオ・プーゾ
監督:フランシス・フォード・コッポラ
音楽:カーマイン・コッポラ 、 ニーノ・ロータ
出演者:
アル・パチーノ 、 ダイアン・キートン 、 アンディ・ガルシア 、 タリア・シャイア 、 ソフィア・コッポラ 、 フランク・ダンブロシオ 、 リチャード・ブライト 、 ジョン・サベージ 、 ジョージ・ハミルトン 、 ブリジット・フォンダ
あらすじ:
父・ビトーからコルレオーネ・ファミリーのドンの地位を継承したマイケル(アル・パチーノ)が、ファミリーの存続のため兄フレドを殺してから20年を経た1979年。
マイケルはバチカンのギルディ大司教(ドナル・ドネリー)と手を結び、ファミリーの永続的な繁栄を図ろうとする。
しかしオペラ歌手をめざす息子・アンソニー(フランク・ダンブロージョ)はそんな父と反目し合っていた。
マイケルのカトリック教会からの叙勲を祝うパーティーの席上で、マイケルは10年前に別れた妻・ケイ(ダイアン・キートン)と再会する。
そしてそこにはマイケルの妹・コニー(タリア・シャイア)がファミリーの後継者にと思って連れてきた長兄の故・ソニーの息子・ヴィンセント(アンディ・ガルシア)の姿もあった。
マイケルの娘・メリーは従兄・ヴィンセントに運命的な愛の予感を覚えてゆく…。
かつてのコルレオーネ家の縄張りはジョーイ・ザザ(ジョー・マンティーニャ)によって牛耳られていた。
ファミリーが犯罪から手を引き、合法的な仕事に移ることを宣言したマイケルはザザの配下にいたヴィンセントを自分のもとに置き、後継者として育てようとするが、そのことを契機にザザとヴィンセントの抗争が表面化し、暴力沙汰が起こってしまう。
そんなヴィンセントにファミリーの記事を書くことを目的とした女性ジャーナリスト、グレイス(ブリジット・フォンダ)が接近する。
一方、マイケルはB・J・ハリソン(ジョージ・ハミルトン)を新たな片腕として大司教との契約にこぎつけようとしていたが、法王の突然の発病で危機に直面する。
そんなある日、父と和解したアンソニーのオペラ・デビューが決まり、ファミリーはその発祥の地であるシシリーに集まった。今、オペラの幕が上がろうとしている。
だが、敵の手もすぐ近くに忍び寄り、オペラの最中にボディ・ガードが殺される。
そして上演後の拍手喝采のあと、外に出たマイケルに向けて銃が放たれた。
だが狙いははずれ、撃たれたのはメリーだった。
マイケルの叫び声が響く。
それから数年後、家の庭に腰かけていたマイケルに、静かな最期が訪れるのだった。
コメント:
暗黒街に君臨するマフィアのファミリーの半世紀に及ぶ年代記を綴るシリーズ完結篇。
ファミリーの存続と引き換えに兄を殺してから月日が経ったパートⅢ。
父とは違うやり方でファミリーを守ってくる中で、子供たちも成長し、今度は自分が世代交代をする番に近づいてきている。
ゴッドファーザーシリーズ集大成ともいえる本作。
コルレオーネ家の歴史が蘇ってくる感慨深いシーンがいくつもある。
中でも名シーンは、息子がコルレオーネ地方に馴染みのある歌を披露するシーンだ。
彼が歌い始めるとマイケルのみサングラス越しに涙を流し始める。
これまでの苦悩が鮮明によみがえってくるこのシーンは、パート1から追ってきた視聴者側からでも至極のお涙ちょうだい演出として仕上がっている。
多くのアフィア映画、ギャング映画の中で、最も格調が高く、ファミリーの紆余曲折の歴史を通した感動の作品になっていて、コッポラ監督の映画制作センスの高さに敬服する。
単なる思い出に浸る老人ではなく、ドンの立場でなっても明日をも知れぬ命を考えざるを得ない男の、最後まで緊張感のある人生になっている。
シリーズ全3作を通して出演しているアル・パチーノ個人にとっても、感慨深い作品である。
公開当時50歳だった。
こんな素晴らしい作品の主役を演じてこられたこの俳優の運の強さと、役者という仕事へのプライドを強く感じる。
この映画は、TSUTAYAでレンタルも購入も可能: