「ゴッドファーザー PART II」
(原題: The Godfather Part II)
1974年12月12日公開。
シリーズ第2作。
興行収入:$193,000,000。
受賞歴:
1974年 第47回 アカデミー賞 美術賞 1974年 第47回 アカデミー賞 作品賞 1974年 第47回 アカデミー賞 監督賞 1975年 第32回 ゴールデングローブ 作品賞(ドラマ) |
脚本:マリオ・プーゾ、フランシス・フォード・コッポラ
監督:フランシス・フォード・コッポラ
出演者:
アル・パチーノ 、 ロバート・デュヴァル 、 ダイアン・キートン 、 ロバート・デ・ニーロ 、 ジョン・カザール 、 タリア・シャイア 、 リー・ストラスバーグ 、 マイケル・V・ガッツォ 、 マリアンナ・ヒル 、 ハリー・ディーン・スタントン
あらすじ:
ドン・マイケル・コルレオーネ(アル・パチーノ)は、根拠地をニューヨークから西部のネバダ州タホー湖畔に移していた。
近くに収入源のラスベガスが控えていたからだ。
マイケルは、ことあるごとに父ビトー・コルレオーネの偉大さを思うのだった。
---/ビトーはシシリー島で生まれた。
ビトーが9才のとき、父と母と兄が土地のマフィアの親分チッチオに殺された。
彼は村人にかくまわれ、移民団の群れにまじって単身ニューヨークへ渡った。
1901年のことだった。
ニューヨークに着いたビトーは天然痘の疑いで3ヵ月間病院に入れられた。
---/1958年。
タホー湖畔にある教会ではマイケルの一人息子アントニーの聖さん式が行われていた。
ビトーが死ぬ直前、一緒に庭で遊んでいた幼児がアントニーである。
城のような大邸宅では大パーティが催され、マイケル、妻ケイ(ダイアン・キートン)とアントニー、ママ・コルレオーネ(モーガナ・キング)、マイケルの兄フレドー(ジョン・カザール)、その妻、妹のコニー(タリア・シャイア)とその恋人(トロイ・ドナヒュー)、相談役トム・ヘーゲン(ロバート・デュヴァル)などの顔が見える。
パーティが終わり、その夜、マイケルの部屋に何者かが機関銃を乱射した。
犯人はマイアミの大ボス、ハイマン・ロス(リー・ストラスバーグ)の腹心ロサト兄弟だった。
---/リトル・イタリアで成長したビトー(ロバート・デ・ニーロ)は、あらゆる職業を経て、次第に頭角を現し、移民の信望を集めるようになってきた。
彼のもとには弱い人々がさまざまな願いをもって訪れる。
その街を牛耳る悪玉ボスのファヌッチを仕とめたのは町をあげてのお祭りの夜だった。
---/マイケルはハイマン・ロスと一対一で会い、自分を襲ったロサト兄弟と、その事件に内通したペンタンジェリ(マイケル・ヴィンセント・ガッツォー)を処分することを宣言した。
ペンタンジェリはコルレオーネ一家の古参だったが、マイケルのやり方に不満を抱えていた。
そんなペンタンジェリにマイケルはロサト兄弟と手打ちをするように指示する。
ロサト兄弟のバックにいるのがハイマン・ロスだと見抜いていたマイケルは、彼の油断を誘うべく計画を練っていたのだった。しかし手打ちの場所でペンタンジェリは暗殺されそうになるが、一命を取り留める。
更に驚くべきことに、兄のフレドーまでもが、コルレオーネ家の情報をハイマン・ロスに流していた。
そんなある日、マイケルは、犯罪調査委員会に呼び出されたが、マフィアについてのあらゆる容疑を完全に否定した。
委員会側はそれを偽証だとしてペンタンジェリを証人として呼んだ。
ペンタンジェリはマイケルにはめられたと思い込んでいたのだった。
マイケルはペンタンジェリの肉親を傍聴席に呼び、彼の証言を封じた。
その夜、妻ケイはマイケルに離婚話をもちだした。
マフィアの恐ろしさと、子供の将来を想う気持ちからだった。
---/ビトーと妻との間には4人の子供が出来た。
汽車がシシリー島のコルレオーネ村に着き、多勢の村人が一家を迎えた。
ビトーは両親の仇、チッチオを襲って、自分の手でチッチオの腹を十字に刺して殺した。
---/ママ・コルレオーネが病気で死んだ。
ニューヨークに隠れていたフレドーも呼び戻された。
葬儀のあともフレドーはタホー湖畔にとどまって幼いアントニーと遊んだ。
フレドーはマイケルに許されていると思ったのだ。
だが、船で湖へ釣りに出たところを、マイケルの命令で殺された。
初老に達したマイケルは、一人湖畔の椅子に座り、亡き父ビトーの愛情に充ちた偉大な生涯を想い、自分の孤独に胸を痛めるのだった---。
コメント:
ゴッドファーザー、ビトー・コルレオーネの縄張りを継いだ三男のマイケルは次々に宿敵を倒し、ファミリーを形成していく。
その成長の過程を、若き日のビトーの足跡を挿入しながら描く。
ゴッドファーザーシリーズの3作品の中でもパート2ほど、切なく、格調高い映画はない。
パチーノとデニーロの直接的ではない共演で、2本分のパワーが込められている。
ファミリーを守ろうとしてファミリーを失ってしまう苦悩が描かれている。
ストーリーの展開も、しっかりと作り込まれており、わかりにくい部分はほぼない。
音楽がとてつもなく素晴らしい。
この作品の肝である、シチリアへの帰郷が描かれている。
ジュゼッペ・シラートが演じるシシリアのコルレオーネ村を支配しているボス・ドン・チッチオは、ヴィトーの両親と兄を殺害した許せぬ敵だ。
当時は子供だったヴィトー(デニーロ)は、必死に逃げてニューヨークに渡り、後年成長して、オリーブの輸入業者としてシシリアに凱旋し、その憎い相手を斬殺する。
このシーンは圧巻だ。
ラストのファミリーの食卓シーン。
ソニーのキャラは実に魅力的である。
そして、1人孤独なマイケル。
若い頃から、彼の孤独感が暗示されている。
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