田中裕子の映画 「いつか読書する日」 田中裕子主演!  中年の男女の恋物語! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「いつか読書する日」 

 

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「いつか読書する日」

 

2005年7月2日公開。

ひとりの男性を想い続けた50歳独身女性の恋を描いたラヴ・ストーリー。

 

受賞歴:

  • 日本映画プロフェッショナル大賞 作品賞/主演女優賞
  • 報知映画賞 最優秀主演女優賞
  • モントリオール世界映画祭 審査員特別賞
  • 芸術選奨新人賞映画部門

 

脚本:青木研次

監督:緒方明

 

キャスト:

  • 大場美奈子:田中裕子
  • 高梨槐多:岸部一徳
  • 高梨容子:仁科亜季子
  • 皆川敏子:渡辺美佐子
  • 皆川真男:上田耕一
  • スーパー店長:香川照之
  • 高梨陽次:杉本哲太
  • 大場千代:鈴木砂羽
  • 田畑牛乳店店主:左右田一平
  • 渡辺看護師:神津はづき
  • 伊藤喜美子:田根楽子
  • 吉田毬:馬渕英里何
  • 河合裕次郎:山田辰夫
  • 児童相談所課長:柳ユーレイ
  • 児童福祉司:堀部圭亮
  • 萩田淑恵:江口のりこ

 

いつか読書する日 の映画情報 - Yahoo!映画

 

あらすじ:

50歳、独身。牛乳配達とスーパーのパートで生計を立てている大場美奈子(田中裕子)には、秘かに想い続けている男性がいた。市役所の児童福祉課に勤務する高梨槐多(岸部一徳)である。

中学時代、親同士の不倫が発覚し疎遠になってしまったが、あれから30数年、彼への気持ちは未だ変わらない。

そして、そのことは誰にも知られてはならない――筈だった。

ところがある日、その想いを綴った美奈子の、匿名で出した葉書がラジオ番組で読まれ、それを偶然耳にした槐多の妻で末期癌に侵された容子(仁科亜季子)に全てを悟られてしまう。

しかし、彼女は美奈子に意外な願いを託すのだった。

「私が死んだら夫と一緒になって欲しい」と。

それから1ヵ月後、容子が他界した。

残されたふたりは、もう一度、出会うところから始める決意をする。

だが、愛を確かめ合った翌朝、槐多は雨で増水した川で溺れている少年を助けようとして、帰らぬ人となるのであった。

美奈子の恋は終わった。

彼女は、彼女を心配する亡母の友人の敏子(渡辺美佐子)に今後のことを問われ、「これから本でも読みます」と答えた。

 

映画「いつか読書する日」(2005)田中裕子主演。 - fpdの映画スクラップ貼

 

コメント:

 

中年の独身女性と、青春時代に交際した同級生の男性と、彼の妻を中心にした恋物語。

ずっと片思いだった相手とようやく結ばれるが、あっという間にその幸せも消えてしまう。

人生ままならないと悟った時の寂しさむなしさを、田中裕子が見事に演じているすばらしい作品である。

 

映画「いつか読書する日」 監督:緒方明 主演:田中裕子、岸部一徳 - 邦画評だけを見る

 

ヒロインの田中裕子を見ているだけで胸を突かれる思いがするが、人生の楽しさ、苦しさ、はかなさを自然体で演じている彼女を通して、観た後で不思議なカタルシスが少しずつ心に降りてくる不思議な映画でもある。

これこそ、名優・田中裕子の世界である。

 

この映画は中年の男女を描いているので、10~20代の若い世代から見ると、50歳の男女など「おじさん、おばさん」にしか見えないだろう。

まさかこの2人の間に30余年の長きに渡る恋愛感情が秘められているとは。

本作は完全なるメロドラマだが、演技派の俳優を集め、静かな大人のラブストーリーとして単なるメロドラマ以上の深みがあるのだ。

この年まで独身を通して来た女は、牛乳配達とスーパーのレジ係で生計を立てている。

毎朝、階段を駆け上がり家々へ瓶牛乳を届ける彼女の足取りは軽い。

「全ての家へ配達するのが夢」と語る彼女の行く先々にそれぞれの家庭のルールがあるのが面白い。

 

☆「いつか読書する日」、重き荷を背負いて立つ丘☆ カゴメのシネマ洞 “Kagome's Cinema-Cave”

 

彼女の秘めた想い人は、役所の児童福祉課に勤める同級生だった男性だ。

彼は、末期癌の妻の介護をしながら、虐待児童問題に悩む日々を送っている。

同じ町に住むこの2人、中盤まで何度かすれ違ったりするが、視線が合うことはなかなかない。

このさりげない演出に2人の微妙な距離感が明確に現されていて切ない。

本作には恋愛以外に児童虐待や介護問題も大きく関わってくる。

末期癌の妻の心理描写が大変興味深い。

日記に「今日、痛み少なし・・・」と綴る時の滲み出る孤独感。

夫の想い人に「私が死んだら、夫と一緒になってください」と言う自虐的な自己満足感。

渾身の演技で挑んだ仁科亜季子の、死を覚悟している者の「熱」が伝わる。

こういう仁科亜季子は初めて見た。

素晴らしい!

 

JFDB - いつか読書する日

 

ヒロインの相手になる岸辺一徳も素晴らしい。

「50歳から85歳まで長いですか?」などのセリフも心に残る。

 

いつか読書する日 | 日々是好日

 

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