「県庁の星」
2006年2月25日公開。
エリート公務員とスーパーの女性パート店員を描いた青春コメディ。
興行収入:20.8億円。
原作:桂望実「県庁の星」
脚本:佐藤信介
監督:西谷弘
キャスト:
- 野村聡:織田裕二 - 県庁商工労働部産業政策課係長→生活福祉課
- 二宮あき:柴咲コウ - 満天堂パート従業員。原作、漫画では「二宮泰子」
- 桜井圭太:佐々木蔵之介 - 野村の同期の県庁総務部人事課職員
- 浜岡恭一:和田聰宏 - 満天堂惣菜担当
- 篠崎貴子:紺野まひる - 篠崎建設社長令嬢
- 篠崎威嗣:中山仁 - 篠崎建設社長
- 佐藤浩美:奥貫薫 - 満天堂販売担当
- 清水寛治:井川比佐志 - 満天堂店長
- 浅野卓夫:益岡徹 - 満天堂副店長
- 北村康男:矢島健一 - 県庁産業政策課長
- 田畑美香:山口紗弥加 - 産業政策課職員
- 二宮学:濱田岳 - 二宮あきの弟
- 来梄和好:ベンガル - 市民オンブズマン「開かれた行政を求める県民の会」代表
- 小倉早百合:酒井和歌子 - 知事
- 古賀等:石坂浩二 - 県議会議長
あらすじ:
K県庁産業政策課のエリート公務員・野村聡(織田裕二)。
特別養護老人複合施設建設“ケアタウンプロジェクト”を足がかりに出世を目論む彼は、ある日、県政の目玉である民間企業との人事交流研修のメンバーに選ばれ、三流スーパーの”満天堂“に派遣される。
ところが、教育係として紹介されたのは、二宮あき(柴咲コウ)という年下のパート店員。
しかも、マニュアル無し、組織図無し、役人のスキルが全く通用しないお客様第一主義のスーパーの現場では、書類第一主義の彼は役立たずのお荷物状態で、事ある毎にあきや他の店員たちと衝突を繰り返すのであった。
そんな中、突然ケアタウンプロジェクトが始動。
プロジェクトから外される形となった野村は、出世の後ろ盾でもあった地元の大手建設会社の社長令嬢からも婚約を破棄され、失意のどん底に突き落とされてしまう。
「自分は、誰からも必要とされていないのではないか?」しかしその時、野村を励ましてくれたのは、意外にもあきであった。
折しも、保健所と消防署の査察に入られていた満天堂は厳重注意を受け、閉店の危機に瀕しており、これを救うには野村の力が必要だったのだ。
こうして、野村の作成した改善書を基に、スーパー経営の建て直しが始まった。
そして、満天堂は見事検査をパスし、売り上げを伸ばすことにも成功。
更に、研修期間を無事終了し県庁に復帰した野村は、望んで生活福祉課へ異動すると、仕事に邁進する傍らケアタウンプロジェクトの予算削減を議会に提案し、県政改革に乗り出していくのであった。
コメント:
原作は、桂望実のベストセラー小説「県庁の星」。
織田裕二・柴咲コウのW主演による痛快エンタテインメント・サクセスストーリー。
織田裕二演じる県庁のキャリア公務員が、三流スーパーの研修でそのエリート意識を挫かれる。
教育係となるパート社員の柴咲コウとの交流から本当に大切なものを少しずつ思い出して、大成功するという鉄板ストーリー。
エリート官僚らしさが似合う織田裕二。
地方スーパーのパート店員を演じる柴咲コウの行動力と発言力が織田裕二を変えて行く。
天性の演技力を思う存分発揮している柴咲コウがキラキラしている。
これぞ柴咲コウだ!
主なロケ地は以下の通り:
- 天満屋ハピータウン高梁店「ポルカ」(岡山県高梁市) - 満天堂浜町店
- 高松天満屋 - 市場調査したデパ地下
- 香川県庁舎 - K県県庁
- 茨城県庁舎 - K県県庁
- 屏風ヶ浦(房総半島) - 予定地
(天満屋ハピータウン高梁店「ポルカ」)
(香川県庁舎)
柴咲コウという女優の魅力が分かる作品である。
普通にしていると一見ちょっときつい表情に見える彼女だが、その彼女がぎこちない微笑を浮かべるとき、そこに何とも不思議な安らぎの雰囲気が漂うのだ。
柴咲コウの存在、彼女の絶妙な演技があったからこそ、この映画の質がワンランク上がったのだ。
細大の功労者は、柴咲コウ。
織田裕二が主役だが。
エリートの描き方が定番過ぎる感はあるが、ヒロインとの恋愛演出が本編を邪魔しない程度で良い感じ。
ラストで柴咲コウが足取り軽く職場に戻る姿にホッコリしてしまう。
考え方を変えれば、態度が変わる
態度が変われば、行動が変わる
行動が変われば、人生が変わる
監督の西谷弘は、本作が映画デビュー作だ。
しかし、本作以前にフジテレビの演出家として『ガリレオシーズ』で柴咲コウとタッグを組んでおり、彼女の良さを十分理解して演出している。
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