「極道の妻たち 死んで貰います!」
1999年11月27日公開。
跡目争いの陰謀に立ち向かう極妻の活躍を描く。
極道の妻たちシリーズの通算第12作。
脚本:高田宏治
監督:関本郁夫
キャスト:
- 拝島久仁子
- 演 - 高島礼子
- 拝島組組長の妻。“姐さん”として拝島組の組員やその妻たちをまとめる。
- 手本引の胴ができ、組長代行からその堂々とした張りっぷりを評価されている。
- 銃の扱いに慣れている。
- 安次が服役する前に離婚を提案されたがそれを断り、服役中の夫に代わり拝島組を守り抜こうとする。
半沢の関係者
- 半沢友明
- 演 - 原田大二郎
- 半沢組組長で館山組若頭補佐だったが冒頭で館山組の7代目総長に選出された。
- 飛鳥に久仁子の言動をスパイするよう告げる。
- 普段は威勢が良く怒りっぽく組員から恐れられているが、頭を使うことは苦手で意外と動揺して落ち着きがない所がある。
- 半沢しのぶ
- 演 - 斉藤慶子
- 半沢組組長の妻。
- 半沢を翌年の襲名披露で正式に七代目総長になるまで夫を支える妻として気が抜けない状態。
- 慎重派で冷静沈着な性格で頭も冴えており半沢から頼りにされている。
- 久仁子とはお互い館山組の跡目を争う組長の妻同士だが、個人的には敵対しておらず会えば普通に会話をしている。
- 深町飛鳥(ふかまちあすか)
- 演 - 東ちづる
- 久仁子が所有するクラブ「ひのとり」の雇われママ。半沢の愛人。
- 過去に京都へ流れ着いた所、久仁子に拾われてホステスとなったため恩を感じている。
- 客商売をしていることから普段は人当たりがいいが、時に気性の荒さを見せることもある。
- ほどなくして久仁子やしのぶとそれぞれに敵意を持ち始める。
- 内心以前からヤクザの妻というものを嫌っている。
- 唐津篤彦
- 演 - 三田村邦彦
- 館山組本部長。半沢の兄弟分で彼を支持している。
- 普段は館山組事務局で働き、2,000人もの組員から集めるみかじめ料の管理などをしている。
- 久仁子を侮れない存在として捉えており、半沢に舐めてかからないよう助言する。
- 館山組の司令塔のような存在で狡猾な性格で策士として徐々に頭角を現す。
拝島組
- 拝島安次
- 演 - 佐川満男
- 拝島組組長兼館山組若頭。
- 久仁子の夫で作中では、親子ほど年の差がある。
- 久仁子と結婚して間もない頃に組長の代わりに刑務所に入り8年の刑で服役中で、刑期は残り1年の状態。
- “火の玉のヤス”との異名を持つが、普段は気遣いのできる性格。
- 生前の先代組長から跡目を継ぐことを望まれていた。
- 海野秀雄(うんのひでお)
- 演 - 白竜
- 拝島組幹部兼館山組幹部。
- 久仁子に半沢組に負けないよう励ましたり、館山組幹部会で彼女に半沢襲撃事件の首謀者と疑われた時に反論するなどしている。
- 土地を転売して拝島組軍資金にすることを思いつき、神埼に交渉を指示する。
- 神崎道夫
- 演 - 岩本恭生
- 拝島組中堅組員。海野の弟分。
- 拝島組組員の中でも特に安次のことを慕っており彼からも信頼されている。
- 海野から10億円もの土地取引を任され、交渉に直接関わる。
飛鳥のクラブの人たち
- 三郷健一(みさとけんいち)
- 演 - 菅原加織
- 飛鳥のクラブの従業員。
- 以前から“店の客を守るのは自分たちの努め”という信念を持っている。
- 半沢が7代目に決まった直後、店の外まで彼を送ろうとした所彼が何者かに銃で撃たれたのを自身がとっさにかばって重傷を負う。
- 秋穂
- 演 - 小松千春
- 飛鳥のクラブのホステス。健一の恋人。
- ホステスの中でも飛鳥から特に気に入られており、彼女に何か問題が起きた時に駆けつけるなどしている。
- 半沢をかばって怪我を負って入院した健一に付き添い世話をする。
- マヤ
- 演 - 水谷ケイ
- 飛鳥のクラブのホステス。
- 巨乳で、作中では他のホステスから「マヤちゃんのバストは、108cmもある」と言われている。
- ある日、店に訪れた張から言われた「シャンパンの入ったグラスを胸で挟んでこぼさずに飲み切ったら10万円やる」という遊びに挑戦する。
その他の主な人たち
- とおやまげんいちろう
- 館山組舎弟頭。
- 作中で77歳を迎える館山組の大ベテランのヤクザ。
- 翌年に控えた正式な館山組七代目総長の襲名披露まで組長代行を任い、幹部会を取り仕切る。
- 久仁子や半沢たちから“叔父御(おじご)さん”と呼ばれている。
- 半沢組と拝島組との間で起こる館山組の跡目を賭けた争いに組の行く末を案じる。
- 張炎明(ちょうえんめい)
- 演 - 六平直政
- ヤミ金業を営む社長。飛鳥の店の常連客。
- 安次のことを本物の侠客として尊敬しており、拝島組に協力し多額の金を貸す。
- 女好き。ラブと名付けた子犬をかわいがっており、いつも行動を共にしている。
- 見張り番
- 演 - 大八木淳史
- 半沢組に依頼されて見張りを任されたヤクザ。
- 拝島組が購入するゴルフ場になる予定の土地をプレハブ小屋で過ごしながら見張り、土地売買の取引にやって来た神崎を数人の仲間と共に襲撃する。
- 拝島組幹部
- 演 - 岩尾正隆
- 安次の兄弟分。
- 七代目の投票で安次が落選した直後の拝島組の残念会に参加して久仁子と会話する。
- 半沢が投票の入れ札を大金で買ったことを感づいており、久仁子に彼らの不正を暴くべきと進言する。
- 半沢組幹部
- 演 - 石倉英彦
あらすじ:
舞台は京都。
拝島久仁子(高島礼子)は、明治から続く西日本最大のヤクザ一家・館山組系列の拝島組の姐さんとして、服役中の夫・泰次(佐川満男)に代わって組を取り仕切っていた。
ある日、館山組総長が急死する。
その後、7代目名跡として、若頭の拝島を差し置いて若頭補佐の半沢(原田大二郎)が入れ札により跡目を襲名することが決定した。
しかし、その入れ札に買収疑惑が持ち上がり、久仁子は秋の襲名披露までに不正を明らかにすべく調査に立ち上がる。
そんな折、獄中の拝島が何者かに殺害された。
しかも、その魔手は半沢にまで伸び、半沢の愛人で久仁子とも懇意だったクラブママの飛鳥(東ちづる)が殺されてしまう。
実は、全ては唐津組組長の唐津(三田村邦彦)が、拝島組と半沢組を対立させ自分が総長になることを裏で描いていたのであった。
それを知った久仁子は、それまで反目しあっていた半沢の妻・しのぶ(斉藤慶子)と手を結ぶと、ふたりで唐津組に潜入。
唐津を討ち、姐さんとしてケジメをつけるのであった。
コメント:
高島礼子と斉藤慶子の「極妻」が、裏で絵図を描いていた悪役・三田村邦彦に殴りこみをかける話。
やはり、最後は殴り込みがやくざ映画の定番。
高島礼子は、普通のお嬢さんから姐さんになる前作とは違って、最初から組を仕切る「姐さん」という設定だけあって、貫禄が出てきた感じ。
人相が、極道の人になってきている。
将来性を感じさせる極妻同士の諍いなどもあって、今後の成長が楽しみになる。
三田村邦彦が悪役というのは珍しい。
この俳優が出演したアクション映画は、藤田まこと主演の「必殺シリーズ」で、「飾り職人の秀」という役で有名。
殺しを商売にはするが、正義のための殺ししかしていない。
高島礼子の夫である拝島組組長を演じるのは佐川満男。
味のある演技をしている。
岩下志麻が姐さんを務めた第1作と、十朱幸代の第2作にも出演している。
(第1作では姿が良く見えないが)
この人は元歌手で、「今は幸せかい」という曲が60万枚の大ヒットとなったことで有名。
その後は多くの映画やテレビドラマに出演している。
最近では、NHKの朝ドラへの出演が多い。
2020年放送の「おちょやん」や、現在放送中の「カムカムエヴリバディ」など。
この映画は、TSUTAYAで動画配信可能: