「極道の妻たち 赤い殺意」
1999年3月6日公開。
高島礼子主演の新「極道の妻たち」第1弾。
「極道の妻たち」シリーズ通算第11作目。
脚本:中島貞夫
監督:関本郁夫
出演者:
高島礼子、野村宏伸、諸星和己、中尾彬、六平直政、二宮さよ子、名古屋章、野川由美子、永島敏行、かたせ梨乃
あらすじ:
高須組組長の陽造(名古屋章)が、報恩祭で何者かに殺された。
知らせを受けた息子の俊之(野村宏伸)は、急遽、父の反対を押し切って結婚した由紀(高島礼子)との新婚旅行を切り上げて帰国。
極道を嫌ってそれまで堅気に生きてきた俊之だったが、若頭・田所(永島敏行)に高須組相続を説得される。
俊之は、彼の命の恩人で今は組の為に刑務所に入っている水原のことも思い、それを機に父の跡目を継ぐことを決意する。
ところが、その俊之までも由紀の目の前で何者かに暗殺されてしまうことに。
実は、それらは全て組の幹部の根元(中尾彬)が高須組の看板と利権を狙って企てた犯行だったのである。
水面下で組の幹部仲間を次々に抱き込み、勢力を広げていく根元。
だが、内部に犯人がいることを察知した由紀は、愛する夫の無念を晴らすべく、根元の妻・まり子(二宮さよ子)のクラブにホステスとして入り込み、独自に内偵を開始する。
やがて、それが根元たちの仕業であると確信した彼女は、背中に不動妙王の刺青を入れ、彼らへの復讐を心に誓うのだった。
そんな矢先、田所が根元に寝返った戸田(六平直政)らによって殺される。
由紀は、田所の妻・寿美(かたせ梨乃)と共に根元らを撃ち、極道の妻としてのけじめをつける。
コメント:
高島礼子が、凛々しくて格好良い姐さん姿で登場!
姐さんに成りたての初々しさが眩い。
岩下志麻から始まった極妻シリーズは、十分幸代、三田佳子へと引き継がれながら、やはり岩下志麻へと回帰してシリーズが進んでいった訳だが、ようやく志麻姐さんも引退して4代目となったのが高島礼子。
岩下志麻以外はどうにもしっくり来なかった姐さんも、高島礼子姐さんは、これはこれで中々良し。
たぶん、岩下志麻とはまったく違う姐さん像が良かったのではないか。
堅気のお嬢さんが、何と夫と舅の敵討ちの為にヤクザになり、立派な不動妙王の刺青まで入れてしまうという。
こんなあり得ない展開こそ、「極妻」!
このシリーズならではのシナリオとしてファンが受け入れた。
面白ければ、全然大丈夫という心の広いやくざ映画ファンあったればこその新シリーズ。
この映画で高島礼子の株は一気に上がって、トップ女優に成長して行くことになった。
上のDVDの表紙を見ると、高島礼子とかたせ梨乃の2枚看板になっている。
やはり、「極道の妻」と言えば、かたせ梨乃の知名度は無視できない。
高島礼子はこの役柄は初めてだ。
となれば、かたせの姿はしっかりアピールすべきだということになったのだろう。
高島の姐さんは5作あるが、かたせ梨乃の出演は最初の本作だけだ。
まあ、かたせにリレーのバトンの役を頼んだという感じか。
かたせ梨乃は相変わらず迫力がある。
永島敏行扮する若頭・田所の妻を演じている。
高島礼子と共に、夫の仇である中尾彬や六平直政の息の根を止めて、極妻としてけじめをつける。
極妻新シリーズだが、これまで同様に中尾彬がしっかりと悪役外道のヤクザを代表している。
この役者は、若い頃はちょとハンサムで理屈っぽい青年などを演じていたが、この頃になると、もう完全に悪の道一筋の悪の権化になりはてている。
だが、こういう役者がいてこその『極道の妻たち』なので、貴重な存在である。
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