ビートたけしの映画 「アウトレイジ ビヨンド」 ありえない7つの殺人パターン! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「アウトレイジ ビヨンド

 

 

アウトレイジ ビヨンド

 

2012年10月6日公開。

アウトレイジ・シリーズ第2作。

興行収入:14.5億円。

キャッチコピー:「全員悪人 完結。」「一番悪い奴は誰だ?」。

R15+指定。

 

 

受賞歴:

日本国内:

  • 第22回東京スポーツ映画大賞
    • 作品賞
    • 監督賞 - 北野武
    • 男優賞(ビートたけし以外のメインキャスト12人全員)
  • 第67回毎日映画コンクール(2012年)男優助演賞 - 加瀬亮
  • 第22回日本映画批評家大賞 監督賞 - 北野武
  • 第42回報知映画賞特別賞(2017年11月28日、「アウトレイジ」3部作として受賞)

海外:

  • 第8回アジア・フィルム・アワード(亞洲電影大獎、香港) 監督賞 - 北野武
  • 第69回ヴェネツィア国際映画祭 金獅子賞(ノミネート)

 

監督・脚本:北野武

出演者:

ビートたけし、西田敏行、三浦友和、加瀬亮、中野英雄、松重豊、小日向文世、高橋克典、桐谷健太、新井浩文、塩見三省、中尾彬、神山繁

 

 

あらすじ:

熾烈な下克上抗争から5年。

先代亡きあと加藤(三浦友和)が会長となり、関東の頂点を極めた暴力団「山王会」は、ついに政治の世界にまで手を伸ばし始めた。

だが巨大ヤクザ組織の壊滅を企てる警察組織は、山王会の過剰な勢力拡大に業を煮やし、関西の雄である「花菱会」に目を付ける。

表向きは友好関係を保っている東西の巨大暴力団の対立を目論み、刑事の片岡(小日向文世)は裏で策略を仕掛けていく。

そんな中、獄中で死んだと思われていた元・山王会配下大友組の組長・大友(ビートたけし)が出所する。

明らかに何かを企み、彼を出迎える片岡。

大友はヤクザに戻る気はなかったが、かつて大友の子分だった山王会若頭・石原(加瀬亮)は大友を消そうとする。

さらに、警察が仕掛ける巨大な陰謀と抗争の足音が着々と大友に近づいてくるのだった。

 

 

コメント:

 

見どころは、東映ヤクザ映画では観れない三浦友和、加瀬亮、田中哲司のヤクザ役。

山王会の内部抗争が激化してから登場するヒットマン役の高橋克典が実にカッコいい。

2作目は「バカヤロウ」の応酬が話題に。

1作目でも殺伐とした殺し合いだったが、2作目の死体の数は、1作目以上だろう。

今回2作目だが、このシリーズは、話の展開がわかっていても十二分に面白い。

 

暴力百貨店だった第一作よりは落ち着いて見れそうと思ったのも前半まで。

後半からはやはり「エグい」殺し方が続く。

 

そしてアウトレイジシリーズを代表する死に方として、7つのパターンが見られるようだ。

 

「アウトレイジビヨンド」は、とにかく映画の題材が題材だけに、バッタバッタと人が始末されて倒れていく。

そのバリエーションも見どころのひとつだ。

 

1. 山本「エア愛人とエア心中」

山本? 誰それ? と思うかもしれないが、出世した片岡の後任の刑事。

前作アウトレイジの最後で紹介されている。

全員悪人のキャッチコピー通り、彼も例外ではない。l

山王会担当の立場を利用して金をたかりすぎ、愛人に見せかけた女性と抱き合わせて車ごと海に沈められ心中に偽装される。

 

2. 富田「土下座の上から頭をズドン」

加藤らの先代暗殺暴露を企てようと関西の花菱会へお忍びで訪れたことがバレて、命乞いの土下座中に頭の上から射殺される。

貴重な大物役者もこの序盤で退場する厳しい映画だ。

土下座してて床しか見えてないので、頭上の拳銃にいつ撃たれるか分からない恐怖。

 

3. 舟木の部下「頭に電動ドリル」

大友と和解した木村の子分二人を殴り殺した舟木の部下は、同じようなスクラップ置き場で同じように黒いビニール袋を頭にかぶせられ、大友らによって顔のどこかに電動ドリルで生きたまま穴をあけられる。

ドリルが刺さったのは眼か、鼻か、額か。中がどうなっていたのか、想像したら怖い。

 

4. 石原「バッティングセンターで永遠デッドボール」

前作アウトレイジでは大友を裏切り、荒稼ぎして今作ではナンバー2まで出世。

だが、いろいろ調子に乗りすぎて花菱会にハメられ大友と木村に処刑される。

バッセンのピッチングマシーンの前に固定された状態で、頭に野球ボールを延々とぶつけられ続けて終了。意識か命かを失ってるのにまだ機械的に速球をデッドボールさせられてる画は衝撃的だ。

 

5. 加藤「パチンコ中に横からグサリ」

山王会トップも引退すればただの人、とはいかないようで、一般人のようにパチンコ遊戯中を大友に暗殺されてエンド。

ジャンジャンバリバリと騒音で満たされたパチンコ店で店員に偽装した仲間と協力して刺殺。

組長の最期としては案外普通っぽい印象だが、いつもながら大友の手際の良さには舌を巻く。

 

6. その他組員「ただのヒットマンが颯爽と始末」

下っ端連中が、セリフもないただのヒットマンによってサクサク倒されていく。

多対多で襲撃され、凶弾にかかって次々と動かなくなっていく光景は一種の爽快感というかスッキリ感がある。

 

7. 片岡「自分が与えた銃で射殺される」

マル暴の刑事。

関わる全てのヤクザを掌の上で転がし、自分の手柄に結び付けていく悪党っぷりを見習ってはいけない。

最後は銃器を手渡すという分かりやすい殺人幇助が裏目に。

やりすぎだ。

彼には危機感が欠如していた。

まだ自分が死なないとでも思っていたのだろうか。

 

この中で、一番印象が強いのが、4番目の、加瀬亮が演じる石原のピッチングマシーン地獄だろう。

石原は、大友の出所を聞き、自分の命が狙われると感じて、幹部たちに大友の捜索を命じる。

なかなか大友を見つけられないためにいら立ちを募らせ、自分を慕う幹部の岡本を大声で叱責したりもする。

加藤に言われて木村と会い、木村に大友の元に連れて行かれる。

小便をもらしながら土下座し、「何でもする」と命乞いをするのだが、結局イスに縛りつけられた状態でピッチングマシンから投げられるボールを何発も頭に受けて死亡する。
このシーンは凄まじい。

誰がこういう殺しの方法を考えついたのだろう。


何といっても小日向文世の「悪刑事」ぶりが凄まじく、これはヤクザ以上だ。

たけし映画の威力がたっぷり堪能できる秀作だ。

 

ヤクザ抗争を描いた2010年公開の『アウトレイジ』の続編映画。

北野武監督作品では初の続編映画である。

 

監督のたけしは『笑っていいとも!』への出演のほか、自身のレギュラー番組を含め各番組で積極的な宣伝活動を行った。

丸の内TOEI2、渋谷TOEI2、新宿バルト9、新宿ピカデリー他、全国225スクリーンで公開され、2012年10月6、7、8日の初日3日間で3億9,528万7,800円、動員29万4,485人になり映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第1位となった。

これは北野映画史上初だ。

 

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