「不良番長 出たとこ勝負」

1970年8月1日公開。
シリーズ第8作。
脚本:山本英明、 松本功
監督:内藤誠
キャスト:
- 梅宮辰夫 (神坂弘)
- 谷隼人 (タニー)
- 山城新伍 (五郎)
- 鈴木やすし (ジャブ)
- 夏珠美 (お玉)
- 大信田礼子 (尾高銀子)
- 渡瀬恒彦 (噂のジョー)
- 鈴木やすし (ジャブ)
- 待田京介 (テル)
- 安岡力也 (バイキング)
- 沢彰謙(尾高老人)
- 小松方正 (黒柳)
- 安部徹 (大滝)
- 大泉滉
- 由利徹

あらすじ:
最近の暴力団大滝組の圧迫と町ぐるみの浄化運動のあおりで、カポネ団は住みなれた新宿を離れる破目となった。
そこで神坂(梅宮辰夫)らがひねり出した名案は、タニーを米国財閥のドックフェラー三世に仕立て、ミスサウナ親善使節を米国に派遣するというふれこみで、実は大量スケコマシ作戦を磐梯熱海に展開しようというものであった。
計画は順調に運んだかに見えたが大詰めを迎え、タニーのバケの皮がはげてしまった。
そして、折りしも居合わせた大滝(安部徹)に追いつめられるが、その危機を神坂の少年時代のダチ公・峰に救われた。
連中の逃がれついたところは、老人尾高が埋蔵金発掘に熱を上げている翁島であった。
一方、大滝組は土地の金融業者黒柳と結託、一大観光チェーン建設に野望を燃やしていたが、翁島もその計画に入っていた。
神坂らはミスサウナで一位を獲得した銀子(大信田礼子)が尾高老人の孫娘であることを知り埋蔵金目当てに発掘作業に熱中してしたが、出てきたのは埋蔵金ならぬ温泉だった。
しかし、この狂喜もつかの間、お玉(夏珠美)とバイキング(安岡力也)、そして尾高老人(沢彰謙) も大滝組の犠牲となった。やがて、銀子の兄・ジョー(渡瀬恒彦)が舞いもどり、峰とともに神坂らに加勢、大滝組への挑戦を誓い合った。
やがてカポネ団の面々は、大滝組のモーテル完成祝のオート・レースに、まぎれこみ、大滝、黒柳(小松方正)めがけて突進していった。

コメント:
すっかりドタバタ喜劇化した第8作。
東京で食い詰めたカポネ団が福島へ行く。
今まで菅原文太が務めた役柄が今回待田京介に変わったが、話の大筋はこれまでと変わらず。
安岡力也が、本作から初参加し、今後ほぼレギュラーメンバーになる。
大信田礼子扮する銀子の兄役で渡瀬恒彦が登場。
新宿の街をバックに、いきなりナチス帽被った集団がナチス式敬礼をする。
東映プログラムピクチャーの中でも、その時のメイン作品の同時上映即ちレコードのB面的な位置で制作され、全16作にも及んだ今やカルトムーヴィー《不良番長》シリーズになっている。
初期は同時上映の東映任侠路線ヤクザ映画とは一線を画す反社会的アウトロー集団だった愚連隊「カポネ団」も、シリーズが進むに連れて単なる愉快な仲間と化していく。
警察と暴力団の癒着で東京から落ち延びたカポネ団が行き着いた先は福島磐梯温泉。
ここを舞台に土地開発を巡る何やかやの大騒動で最後はアニメばりの全員死亡皆殺し大会となる。
メンバー達が死に際に一発ギャグを決めてから死んでいく。
「俺はまた死ぬのか」のセリフ通りカポネ団の面々は『不良番長』が続く限り死んでも生きている(!)
漫画的なキャラクターによるいつまでも永遠に終わらないドタバタ劇。
ポスターは何故か三島由紀夫の「盾の会」の制服だ。
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