萬屋錦之介の映画 「里見八犬伝」シリーズ 東千代之介・中村錦之助ダブル主演のヒット作!  | 人生・嵐も晴れもあり!

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「里見八犬伝」シリーズ

 

 

1954年4~6月公開。

東千代之介・中村錦之助ダブル主演のヒット作。

 

原作:滝沢馬琴『南総里見八犬伝』

脚本:村松道平

監督:河野寿一

 

キャスト:

  • 東千代之介 - 犬塚信乃成孝
  • 中村錦之助 - 犬飼現八信道
  • 田代百合子 - 浜路
  • 渡辺篤 - 蟇六
  • 島田照夫 - 犬田小文吾悌順
  • 藤里まゆみ - 犬坂毛野胤智
  • 月形哲之介 - 犬山道節忠興
  • 小金井修 - 犬川荘助義任
  • 石井一雄 - 犬村大角礼儀
  • 林玉緒 - ひな衣
  • 清川荘司 - 馬加大記
  • 大西三郎 - 馬加鞍弥吾
  • 堀正夫 - 卜部季六
  • 大文字秀介 - 渡辺網平
  • 島田伸 - 品七
  • 森田肇 - 医者
  • 小柴幹治 - 網乾左母二郎
  • 小崎正彦 - 犬江親兵衛仁
  • 原健策 - 里見義成
  • 千原しのぶ - おぬい
  • 荒木忍 - ゝ大法師
  • 朝雲照代 - 夕顔
  • 山口勇 - 簸上宮六
  • 植木千恵 - 里見義通
  • 薄田研二 - 赤岩一角

 

あらすじ:

愛犬八房に戯られて自害した安房の領主・里見義実の娘・伏姫の首に掛けられた珠数、「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌」の八つの玉は未来の勇士を求めて八方に飛び散った。

形なくして伏姫が朶んだ八人の子こそやがて里見家の支柱となるべき人物との予言を受けた家臣・金碗大輔は、剃髪してゝ大法師(荒木忍)と名を改め諸国遍歴の旅に出た。

それから廿年後--

武蔵の国大塚に住む犬塚信乃(東千代之介)は孝の字を刻んだ水晶の玉を持って居たが、犬川荘助(小金井修)が義の玉を所持していることを知り、二人は義兄弟の縁を結んだ。

信乃の許婚・浜路は代官・宮六に横恋慕されているため、信乃は宝刀・村雨丸献上に滸我御所の足利家へ行かせられた。

だが、村雨丸は偽物にすり替えられていたため、主君の怒りにふれ、家臣達に包囲される。

しかし、彼が取組んだ犬飼現八(中村錦之助)は信の玉を持って居り、やがて彼とも義兄弟の誓いを固めた。

又そこで信乃が泊った宿の息子・犬田小文吾(島田照夫)は悌の玉を持って居り、居あわせたゝ大法師は彼等に里見八犬伝の由来を説き明かした。

三人は、宮六に捕われた荘助と浜路を救出するため大塚へ戻ったが、鉄砲隊の銃口に危機に瀕した彼らを助け、荘助を救出したのは忽然と現われた犬山道節(月形哲之介)の忍術の力だった。

この道節も忠の玉を持った八犬士の一人であった。

一方浜路は且開野という娘田楽の踊り子に救われた。

それから数年後、野州赤岩の里で、一匹の怪猫が武芸者・赤岩一角を喰い殺して一角に化け、遺児・角太郎はそれとも知らず孝心を以ってそれに仕えていた。

怪猫の正体に気づいた信乃と荘助はそれを殺したが、角太郎こそは礼の玉を持った犬村大角(石井一雄)という犬士であるということが分った。

一方、小文吾は領主千葉自胤に武勇を見出され、馬加大記(清川荘司)に預けられて、浜路や且開野と共に石浜城にいたが、領主に謀反を起す大記に命を狙われて危い身を且開野に助けられた。

実は且開野こそは犬坂毛野(藤里まゆみ)であり、智の玉を持つ犬士であった。

駈けつけた犬士達の手によって大記は討たれた。

その時犬士の一人犬江親兵衛(小崎正彦)がゝ大法師と共に姿を現わした。

斯くて八犬士は揃った。

石浜城から追い出された悪漢左母二郎や、八百年も昔よりこの世にありかつて里見家の息女・伏姫を八房に与えた妖婆・夕顔(朝雲照代)の魔術も、犬士達の霊玉に敗れ、妖気根絶した。

浜路(田代百合子)は幼い頃鷲にさらわれた里見家の姫君であったが、今や信乃と晴れて結ばれることになった。

斯くて犬士は里見家の柱石となり、永く泰平の世を築いた。

 

 

コメント:

 

江戸末期の作家・曲亭馬琴(滝沢馬琴)が1814年から1842年にかけて書いた長編小説『南総里見八犬伝』に基づいている。

本作は、5部から構成されるシリーズ。

  • 『里見八犬伝 第一部 妖刀村雨丸』 (1954)
  • 『里見八犬伝 第二部 芳流閣の龍虎』 (1954)
  • 『里見八犬伝 第三部 怪猫乱舞』 (1954)
  • 『里見八犬伝 第四部 血盟八剣士』 (1954)
  • 『里見八犬伝 完結篇 暁の勝鬨』 (1954)

錦之助&千代乃介コンビの子ども向け作品。

各話は次に続く形で終わるが、基本的に1話完結。

第1部はすごく面白い。
白黒・スタンダードで、60年代のカラー・シネスコの東映時代劇とは違った素朴な魅力。



第1部の主人公は千代乃介。前半はゆっくりした展開ながら、映像が丁寧に作られていて、すごくうまい。
後半は展開が速く、見せ場の連続。

主要登場人物が行方不明になったり、殺されたり。

スケールも大きくなって、東映時代劇のワクワク感!
最後の最後に出てくる錦之助。

屋根の上での対決。

ちゃんと本当に高い場所で撮影したショットがある。

最後はクリフハンガー!

 

 

本シリーズは、大ヒット作『新諸国物語 笛吹童子』の次に公開され、こちらも大ヒットした。

これで完全に中村錦之助は東映の人気俳優としての地位を確立することとなった。

 

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(第3部以降については不明)