「JM」
(原題: Johnny Mnemonic)
1995年4月15日日本公開。
ビートたけしのハリウッド初出演映画。
2021年の米国を舞台にしたSF映画。
興行収入:$52,400,000。
脚本:ウィリアム・ギブスン
監督:ロバート・ロンゴ
出演者:
キアヌ・リーブス 、 北野武 、 ディナ・メイヤー 、 アイス-T 、 ドルフ・ラングレン 、 ヘンリー・ロリンズ 、 ウド・キアー 、 バルバラ・スコヴァ 、 シェリー・ミラー 、 デニス・アキヤマ
あらすじ:
時代は、西暦2021年。
世界は巨大コンピューター・ネットワークで結ばれ、人類の半数は電磁波による環境汚染が原因の不治の病、NASに冒されていた。
情報を脳内のチップに記録して運ぶ“記憶屋”ジョニー・ネモニック(キアヌ・リーヴス)は、最後の仕事として北京からアメリカのニューアーク・シティまで、極秘情報を運ぶ依頼を引き受ける。
彼は北京で情報をダウンロード(収納)し、その際、暗号の役目を果たすIDコードとして3つの画像を同時にインプットした。
そこへ、情報を狙う巨大複合企業ファーマコム社の手先である多国籍犯罪組織“ヤクザ”の北京支部幹部、シンジとその配下が襲撃する。
ジョニーは辛くも逃げるが、IDコードの画像の1枚を焼失し、残る1枚と半分をシンジに奪われてしまう。
ニューアーク・シティに着いたジョニーだが、脳に大量の情報を長時間メモリーすることは生命の危険を意味していた。
一方、シンジも彼を追って市内に入り、ボスのタカハシ(ビートたけし)の元へ向かった。
今回の仕事のエージェント、ラルフィー(ウド・キアー)が敵の手先であることを知ったジョニーはアジトのバーに乗り込むが、逆に捕まる。
その窮地を女ボディガードのジェニーが救い、二人はJ‐ボーン(アイス・T)率いるアナーキスト集団“ロー・テク”の助けを借りて、逃走に成功した。
その頃、タカハシのコンピューターの端末に一人の女性の像が現れ、一人娘をNASで亡くした彼の心を慰めた。
タカハシは、その女性が6年前に死んだファーマコムの創設者・アンナ・コールマン(バーバラ・スコヴァ)であることを知った。
シンジは説教師と名乗る殺し屋カール(ドルフ・ラングレン)を雇い入れ、ジョニーを殺すよう命じた。
NASに冒されていたジェニーが倒れ、ジョニーは肉体改造屋のスパイダー(ヘンリー・ロリンズ)の元へ連れていく。
ジェニーは回復し、スパイダーが驚くべきことを告げた。
ジョニーの脳内の情報はNASの治療法であり、提供主はファーマコム社を裏切った研究所員が盗み出したものだった。
社は利益のために、治療法を秘密にしておきたかったのだ。
敵の攻撃でスパイダーは殺されるが、ジョニーの情報はJ‐ボーンによってコンピューター・ネットを通じて全世界に公開されることになった。
ロー・テクの橋上要塞“ヘヴン”に敵の魔手が迫る。
タカハシはジョニーと対峙するが、再び端末上に現れたアンナの説得により、彼は死の間際にIDコードをジョニーに渡す。
シンジとカールも倒され、ジョニーはサイボーグ化されたイルカのジョーンズ経由でダウンロード(回収)するため、電脳空間(サイバースペース)に突入した。治療法の情報は公開され、人類は救われた。
コメント:
ビートたけしがハリウッドにデビューした作品。
名義は「Takeshi Kitano」となっている。
本作は、カナダ・アメリカ合衆国のサイバーパンクSF映画。
SF作家ウィリアム・ギブスンによる短編小説『記憶屋ジョニィ(英語版)』 (短編集『クローム襲撃』所収)を原案とし、ギブスン自身が脚色を担当。
ギブスン作品によくみられる、巨大企業に支配され東アジアの影響を色濃く受けた近未来のディストピアが描かれている。
SF映画を観る時に一番気にかかるのは、いかに現実性があるかという事だ。
人間の頭の中にデータを記憶させて運び屋として使うという発想自体は面白いし、許容量以上のデータを記憶させると一定時間内に取りださなければ自分の脳が壊れてしまうというサスペンスを盛り上げる状況設定も悪くない。
追いかける側があまりに頼りなさ過ぎて、肝心のスリリングさが出なかったという感はあるが。
最後の鍵となるのが薬中のイルカというのも米国的だが、なるほどという感じ。
現在なら、エンドクレジットで「撮影に際してイルカを虐待してはおりません。」というメッセージが出るところだ。
ビートたけしが若い。
この人のヤクザ的なキャラクターは、キアヌ・リーブスも大好きなようだ。
いよいよハリウッドに姿を現し、これからさらに知名度をアップしてゆくのだ。
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