「人生劇場 続・飛車角」
1963年5月25日公開。
「人生劇場 飛車角」の続編。
脚本:相井抗
監督:沢島忠
出演者:
鶴田浩二 、 佐久間良子(一人二役) 、 梅宮辰夫 、 山本麟一 、 村田英雄 、 東野英治郎 、月形龍之介
あらすじ:
奈良平を斬って四年、再び出獄した飛車角(鶴田浩二)は、縁あって新宿の桔梗組に迎えられた。
桔梗組が縄張りを浅草の堂本一家に奪われ崩壊寸前にあることを知った飛車角は、正月恒例の親分衆の寄り合いの日、名代として出席した堂本(東野英治郎)の娘・お澄(佐久間良子)から一切を取戻す誓約書を取った。
お澄はかねてから飛車角に惹かれていたし、堂本も歩合金を届けに来た彼の侠気に惚れて屈した。
桔梗組は建ち直り、飛車角もいつしかおとよにそっくりなお澄に惹かれていった。
ある日、飛車角は吉良常(月形龍之介) の訪問を受けた。
新聞社の仕事で満州へ派遣された瓢吉)梅宮辰夫)が、行方不明だったおとよが馬賊相手の売春婦をやっているのに出会ったというのである。
おとよが不幸だと思ったら一緒になってやって、そうでなかったら帰って来て、と言うお澄の言葉を背に満州へ渡った飛車角は、そこで馬賊の陣の女になっているおとよ(佐久間良子)と再会した。
しかし陣をかばって働くおとよの必死の顔を見ると、彼女を陣に託して去った。
三年後、政府は満州各地の飛行場建設に満人労働者の動員を計画し、その現場監督をやくざに任せることになった。
次々に参加する親分の中に、金で男は売れぬとこの国策を蹴ったのは、飛車角と小金一家の寺兼(村田英雄)である。
だが、寺兼は特務機関の手先、依田親分に狙われ全身血みどろとなって飛車角の許へころがり込んで来た。
止めるお澄たちをあとに依田の事務所へ乗り込んだ飛車角は、逆に一味を脅かし颯爽と引き上げるが、子分・政吉の裏切にあって背中を拳銃で射ち抜かれ波乱の生涯を閉じた。
男を貫き通した飛車角の誇らしい顔とお澄に抱かれた一子・勇吉の無邪気な笑い声が、駈けつけた一同の胸をうった。
コメント:
前作の続きになっている。
飛車角が、刑期明けで出所する。
昔の女・おとよとそっくりのお澄という新しい女性と恋仲になる。
だが、おとよが満州で苦労していると聞いて、苦悩する飛車角。
すると、お澄がこう言う。
「おとよが不幸だと思ったら一緒になってやって。そうでなかったら帰って来て。」
こんなカッコいい言葉を聞いたら、おとよの顔を見に行かないわけにはいかない。
そのおとよは、前作の後、失意から満州に渡って馬賊の愛人となっていた。
だが彼女のその男への献身ぶりを見て、今のままが彼女の幸せだろうと、諦めて一人日本に戻る。
これもカッコイイ。
このくだりが、続編の見せどころ①だ。
その後、飛車角は、お澄と結婚し、可愛い男の子を得ていた。
だがその後、満州各地の飛行場建設に満人労働者の動員する計画が起こる。
やくざもそれに参加するように国が強要するが、飛車角と小金一家の寺兼(村田英雄)の二人は、金で男は売れぬとこの国策を蹴った。
ここなではカッコいい。
その結果、寺兼は特務機関の手先・依田親分にに狙われ、全身血みどろとなって飛車角の許へころがり込む。
すると依田の事務所へ乗り込んだ飛車角は、逆に一味を脅かし颯爽と引き上げるのだが。
なんと子分・政吉の裏切にあって拳銃で射ち抜かれ、命を絶ったのだ。
ちょっとこのラストの筋書きは、何ともカッコ悪い。
鶴田浩二の最期の姿はこんな形にして欲しくなかった。
見せどころ②になるはずのラストが、これはない・・・・・・・・・。
このシリーズは、アクションも増え、よりエンタメ色が濃くなっているが、このラストだけは嫌だ。
本作では、佐久間良子が、おとよとお澄の一人二役だ。
自分の過去を背負って懸命に生きる、おとよ。
キャリアウーマン的で、姐さん気質な、お澄。
このキャラクターをしっかり演じ分けていて、さすがだ。
どうやら、飛車角役の鶴田浩二が、佐久間良子の出番が少ないと、脚本家と大喧嘩したらしい。
このエピソードは、ホントかっこよすぎる。
このとき、鶴田浩二と佐久間良子が恋仲だったというゴシップがある。
一人二役を実現したのは、恋の力かも。
なるほどねえ、と思ってしまう。
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