佐久間良子の映画 「ギャング対Gメン」 7人の無頼漢とギャング組織の戦いを描く! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「ギャング対Gメン」

 

 

1962年11月2日公開。

Gメン気取りの7人の無頼漢とギャング組織の戦いを描くアクション映画。

 

脚本:但島栄

監督:深作欣二

出演者:

鶴田浩二、梅宮辰夫、千葉真一、佐久間良子、曽根晴美、織本順吉、砂塚秀夫、沢たまき、神田隆、加藤嘉、丹波哲郎、富田仲次郎

 

あらすじ:

暴力組織の内偵中のGメン三人が殺された。

辰村(丹波哲郎)を社長とするギャング組織・三立興業のしわざと分っても確証がない。

そこで警察は、組織に潜入するゲリラ作戦を計画して、大将格の元三立興行幹部で拳銃の名手・東島(鶴田浩二)以下、丈治(富田仲次郎)、松島(砂塚秀夫)、五郎(曽根晴美)、野口(織本順吉)らが選ばれ、さらに東島の弟分の修(千葉真一)が強引に仲間入りし、東島を兄責の仇と狙う殺し屋・黒木(梅宮辰夫)が東島の護衛として離れない。

こうして七人の無頼漢は辰村の眼を惹くため三立興業の縄張りを荒して回った。

そのころ、三立興業に潜入した修から情報が入り、奴らの資金源は密造酒だという事が判明した。

だが、密造酒運搬車が分らない。

松島と丈治が運搬車尾行に成功したが、護衛車に銃撃を浴びて、まかれてしまった。

辰村は自分の車がつけられたと知ると、罠を仕掛けて東島らを殺そうとし、失敗すると東島の恋人・明子(佐久間良子)を人質に取り、東島に手を引かせようとした。

さらに、修がスパイと分ると、東島の目前で射殺した。

そこで東島は辰村の眼を幻惑するため、グループ解散の形をとった。

ある夜、ついに野口と松島が運搬車を見つけ尾行することに成功し倉庫街へきた。

野口は小躍りし東島に連絡した。

急拠東島らは倉庫へ駈けつけるが、拳銃を手にした辰村の子分達に囲まれ、爆薬を仕掛け倉庫に閉じ込められた。

呆然とする東島らの足もとで五郎が射たれる。

l五郎は倉庫の鍵を開けるとガックリ息絶えた。

東島らは武器が無いためピンチだったが、石油とボロ布を使って火炎ビンを作り反撃に出た。

激烈な射撃戦が続いた。

東島を庇った黒木が射たれた。

また野口が散弾銃に体当りした。

警察隊が近づくと、辰村は逃げようとした。

怒りに燃えた東島は辰村を射った。

すると、凄い爆発音と共に倉庫が飛んで、すべてが終った。

東島は四つの墓標をつくり、恋人・明子と共に家路についた。

 

 

コメント:

 

監督デビューから1年後の深作欣二を監督に迎えた鶴田浩二対丹波哲郎の和製アンタッチャブル。

本家に比べるとプログラムピクチャーなのでだいぶスケールは小さいし、米国並みの「Gメン」ができない日本においてはファンタジーに過ぎない。

だが、時代が時代なので、勢いでそこらへんはカバーしている感じ。

 

 

丹波哲郎の組にスパイとして潜入した千葉真一が殺されるシーンは迫力だ。

バー「砂の城」のマダムで、「プレイガール」のボス役で有名な沢たまきが歌っている。

 

テンポ良くまとめているのは深作監督らしいが、本来この監督は反権力を描くのが得意なはずなので、警察側が送り込んだ者たちが悪の組織をやっつけるという勧善懲悪なのは不思議に思える。

だが、まだデビューから2年目だったこの頃は、名声も高くないので、会社のお仕着せの企画をこなすしかなかったのであろう。
だが、最後に鶴田浩二の「失ったものが多い気がする」というセリフに、警察の言うとおりに行動したことに虚しさをただよわせているところに深作カラーが出たように思える。

 

 

佐久間良子は、鶴田浩二の恋人として人質にされる役柄。

もうこの頃から、主人公の恋人や愛人という立場で鶴田浩二の映画には常連さんになってゆく。

東映のギャング映画の貴重な花という存在だ。

 

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