ハンフリー・ボガートの映画 「東京ジョー」 ボギーが日本語を話す貴重なフィルム・ノワール作品! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「東京ジョー」

(原題:Tokyo Joe

 

 

東京ジョー プレビュー

 

1949年11月米国公開。

1993年12月18日日本公開。

 

脚本:バートラム・ミルハウザー 、 シリル・ヒューム

監督:スチュアート・ヘイスラー

出演者:

ハンフリー・ボガート 、 早川雪洲 、 アレクサンダー・ノックス 、 フローレンス・マーリー 、 テル・シマダ 、 ジェローム・コートランド、アレクサンダー・ノックス、 ローラ・リー・ミッシェル

 


あらすじ:

1949年。
第二次世界大戦中、空軍パイロットとして活躍していたジョー(ハンフリー・ボガート)が8年ぶりに日本へ帰ってきた。
彼は、日本とアメリカが戦争に突入する前、東京・銀座一丁目で「Tokyo Joe's」というレストランを経営していた。
旧友のイトー(テル・シマダ)と久々に再会したジョーは、かつての妻トリーナ(フローレンス・マーリー)が占領軍の将校・マーク・ランディス(アレクサンダー・ノックス)と再婚し、一人娘アニヤ(ローラ・リー・ミッシェル)と共に日本に住んでいると知らされる。
トリーナの住居を訪ねてみると、確かに彼女は娘と共に幸せな家庭に納まっていた。
イトーからキムラ男爵(早川雪洲)を紹介されたジョーは、実はトリーナが戦争中に反米プロパガンダ放送に加担していたことを知らされる。
もし男爵がそれを公にすると、トリーナも戦争犯罪に問われてしまうのだ。
彼女を未だに愛していたジョーは、男爵が秘密を守ることを条件に、韓国から日本人戦争犯罪人を脱出させる計画に参加することになってしまう。
一方で正義感の強い彼は、秘密裡に男爵の悪事を捜査官に通報した。
そんな彼の行為を知ってか知らずか、男爵はジョーに、「アニヤを誘拐した、娘の命がほしかったら途中で裏切るな」と告げる。
韓国へ赴き無事任務を果たして日本に戻ってきたジョーと男爵の仲間は、空港で待ち受けていた警官隊に逮捕される。
その後、ジョーは警官隊と共に男爵のアジトへ向かい、男爵と対決、傷を負いながらもアニヤを助け出すのだった。
 
 
 
コメント:
 
ハンフリー・ボガードが終戦後の東京を舞台に繰り広げる異色のフィルム・ノワール。
ボギーが東京ロケを行っているというだけで、ちょっと嬉しい作品。



戦後の東京に8年ぶりにアメリカから戻ってきた男ジョー(ハンフリー・ボガード)は、戦前、銀座で東京ジョーというレストランを経営していた。旧友の日本人イトウに会ったジョーは、かつて置き去りにした妻・アニアが生きていると聞き、会いに行く。
だが、すでに占領軍の将校の妻になっていた。
その妻を取り戻すための時間稼ぎにキムラ男爵(早川雪洲)の怪しげな商売を手伝う。
そして最後に、昔の妻の娘を助け出すというストーリー。



ボギーが輪タクの運転手に「イッチョウメ、ギンザ」と日本語で行き先を指示したり、旧友のイトウと柔道で組み合って旧交を深めたり、他の映画ではお目にかかれないボギーの珍場面が出てくるのが見どころ。
ボギーは日本人を急がせる場面で「ハヤク。ハヤク。バカカ。」などと言ったりもする。
片言ですが日本語の台詞もけっこうあって面白い。
ボギーが道に捨てた煙草の吸殻に、日本人がすごい勢いで群がるシーンは、あまりの素早さにびっくりしてしまう。
戦後の進駐軍がまだいた東京の雰囲気を出したかったのだろう。



日本人初のハリウッド・スターとして知られる早川雪州が悪役のキムラ男爵を貫録たっぷりに演じている。
早川雪州以外の日本人の役を演じる俳優は全員日系人のようで、日本語はちょっと怪しい。
早川雪舟という俳優は、当時のハリウッドでは有名な日本人俳優として米国では知れ渡っていたようだ。

 

本作は、「カサブランカ」の東京版を狙ったもののようだ。

宣伝の看板の絵を見ると、まさにそんな感じだ。

離れ離れになってしまった妻が、今は他人の妻になっているところは非常に似ている。

プレビューのビデオでも、久しぶりの再会で、彼女に「ハロー、キッド」と呼びかけている。

この「キッド」というセリフは、何度も「カサブランカ」で使われているのだ。

「ハニー」でも「ダーリン」でもない。

映画を離れても、ボギーは「キッド」と、愛する人に呼びかけたのだった。

死の間際でも、彼は愛する妻にそう言ったという。

 

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