岩下志麻の映画 極道の妻たちシリーズ」 第10作 「極道の妻たち 決着(けじめ)」 | 人生・嵐も晴れもあり!

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極道の妻たち 決着(けじめ)

 

極道の妻たち 決着(けじめ) 予告編

 

1998年1月17日公開。

極道の妻たちシリーズ第10作。

岩下志麻にとって最後の姐さん役の作品。

 

 

脚本:高田宏治

監督:中島貞夫

出演者:

岩下志麻、かたせ梨乃、とよた真帆、細川ふみえ、藤田朋子、竹内力、山本太郎、トミーズ雅、金山一彦、安藤一夫、中条きよし、佐々木勝彦、大杉漣、西田健、安部譲二、愛川欽也、名古屋章

 

 

あらすじ:

舞台は大阪南部。

ここを縄張りにしたヤクザ組織・井出組の傘下の秋葉組組長・秋葉吟二(竹内力)が、何者かによって殺された。

三ヶ月前、リゾートホテル建設事業に手を出していた秋葉は、取引先の信用金庫のトラブルから融資を打ち切られ、苦しい状況にあった。

しかし、信用金庫の理事長が50億もの隠し財産があるという情報を秘かに掴んだ彼は、それをネタに一発逆転を狙っていた。

彼が殺されたのは、そんな矢先の出来事だった。

秋葉を殺した犯人・玉城(トミーズ雅)が捕まり、彼が秋葉殺しを指示したのが井出組長(名古屋章)だと自供した為に、井出が逮捕された。

秋葉を我が子のように思っていた井出が、秋葉を殺める筈がない。

井出の妻である春日(岩下志麻)は、夫の汚名を晴らし、秋葉を弔う為に、秋葉の妻・杏子(とよた真帆)や傘下・番水組組長の妻・彩子(かたせ梨乃)たちの協力を得て、事件の真相を暴こうと行動を開始する。

そんな折、杏子に恩義のある賭博師・東造(愛川欽也)が、事件解明の鍵を握ってやってきた。

黒幕は傘下の名腰組組長・名腰兼良(中条きよし)だった。

信用金庫から50億の金を奪う秋葉の計画を事前に知った名腰は、その金を横領しようと秋葉を殺害し、さらに井出を罠にはめたのだ。

そして、彼はまんまと50億を手中に収めていた。

これを知った春日をはじめとする極妻たちは激怒。

独立をも企んでいた名腰にけじめをとらせる為、組長の出所祝いと称した賭場で金を奪回し、名腰の命を奪い、決着をつけるのであった。

 

 

コメント:

 

今回は、跡目争いではなく、若頭の造反にかわいい身内を殺された姐さんの復讐ドラマ。
どういう形で敵をとるかが見ものだったが、花会で金を巻き上げるところは痛快。

中条きよしは悪役をやらせると貫禄がある。

中尾彬が演じるいかにも悪というよりも、中条のは悪らしくなく、インテリのように見えるところに怖さがある。
愛川欽也が人のいいばくち打ちをひょうきんさを殺して演じているのも良い。

 

これが岩下志麻の最後の舞台。

竹内力が殺される場面から始まる「極妻 決着(けじめ)」。

前半は、誰が竹内殺しを指示したのかを巡る犯人探しの2時間サスペンスの様相を呈している。

だが、ラスト近くになるにつれて極妻らしさが出てくる。

舞台は豪華旅館での花会となり、中条きよしと流れ者博徒役の愛川欽也が、手本引きを使った大博奕に挑み、緊張感がぐっと高まってくる。

そして、最後は、岩下志麻による啖呵切りと派手なガン・アクションで締めるという、王道の作り。

やはり、志麻姐さんという存在の大きさがこのシリーズをけん引させたのだと感じさせられるシーンとなっている。

 

 

岩下志麻が「極道の妻たち」の第1作で初の姐さんを演じたのが、1986年。

今回の第10作が公開された1998年まで足かけ13年。

この間に岩下志麻という女優は、他にも10作品程度に出演しているが、「陽炎」を除くと、やくざ映画とは無関係の作品だ。

それぞれの役柄を全くしっかり演じ切っている。

その全ての映画で、その役になりきる岩下志麻の役者根性には脱帽だ。

 

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