「男はつらいよ 寅次郎心の旅路」
1989年8月5日公開。
マドンナは3回目の竹下景子。
男はつらいよシリーズ第41作。
観客動員:185万2000人
配給収入:8億6000万円
脚本:山田洋次・朝間義隆
監督:山田洋次
出演者:
渥美清、竹下景子、淡路恵子、倍賞千恵子、笠智衆、下條正巳、三崎千恵子、前田吟、太宰久雄、吉岡秀隆、佐藤蛾次郎、イッセー尾形、柄本明
あらすじ:
寅次郎はみちのくの旅の途中、自殺を図ろうとした心身衰弱のサラリーマン・坂口(柄本明)を助けた。
坂口は寅と旅を続けたいので、お礼にウィーンへ連れていくという。
さくらたちの反対で一時は止めようと決心するが、坂口の説得で結局は行くはめになった。
ウィーンに着いた二人だが、趣味が合わず別行動。
坂口は美術館を見学し、一方、寅は公園をぶらぶらしているうちにホテルへ帰れなくなり、偶然知り合った江上久美子(竹下景子)という美人の日本人ツアーコンダクター率いる一団についていってしまった。
ホテルの名前を思い出せない寅に困って、ウィーンでの生活の長い年輩のマダム(淡路恵子)と呼ばれる日本人女性に助けを求めた。
坂口は寅がホテルに戻ると一人で舞踏会へ出かけていき、そこでウィーンの美女とダンスを踊った。
一方寅は久美子の休日に二人でドナウ川の辺に出かけた。
久美子は故郷を思い出し日本に帰る決心をするが、ウィーンにはヘイマンという恋人がいた。
彼は理解を示してくれて久美子は寅と坂口と共に帰国することになったが、いよいよ空港を出発という時ヘイマンがやって来て久美子を引き止めた。
寅はウィーンから帰ってからは放心状態。
何も土産話をしなかったが、久美子からの絵はがきと坂口の写真で、また失恋したことがバレてしまったのだった。
コメント:
寅さんは初の海外へ。
場所はオーストリア・ウィーン。
当時の市長が訪日の際に飛行機で観た『男はつらいよ』に感銘を受け招致したのだとか。
ちなみにウィーンと葛飾区は友好都市提携が結ばれていて、現地には「寅さん公園」なるものまであるそうだ。
寅さんとウィーンの街並みとの違和感に混乱しながらも、いつでもどこでも変わらない寅さんの立ち居振る舞いに、とても心安らぐ。
ラスト近く、寅さんと満男が並んで歩くシーン。
二人の背丈がほとんど変わらなくなっているのだ。
月日の経つのは早い。
寅さんとウィーンということだが、舞台が変わっても寅さんは寅さん。
竹下景子が三度目のマドンナ登場。相変わらず綺麗だ。
「口笛を吹く寅次郎」での寅さんの態度が煮え切らないので、このラストシーンは大胆だった。
寅さん久しぶりに大失恋の巻。