シャンパンの故郷を訪ねた時の話。
義母の妹エリーズ叔母さんが、エペルネに住んではるねん。
そこはシャンパンで有名な街。
エリーズ叔母さん夫婦に会いに行ったら、いつもシャンパンについて楽しい話を聞かせてもらえる。
が、その前に。
夫の従妹でエペルネに嫁いでるメラニー(ルカの母親)のところにも寄った。
メラニーのご主人は家族でシャンパンを製造してはるんよね〜。せやからメラニーもそのまんま“家業”を手伝って、収穫直前やから忙しい言うてた。
その、シャンパン製造工場。
小さいながらもきちんとしたシャンパンを生み出すだけあって、気合の入った設備が綺麗に掃除された建物の中にあったよ。
写真をいくつか撮ってきた。
これはぶどうを圧縮する機械。
上の方が巨大な容器になってるねん。その中を見に階段登って上へ行きたかったけど、さすがに図々しいかと遠慮しちゃった、らしくないうちです
そして圧縮されたぶどうジュースは、隣の部屋(上の写真では仕切りの壁と窓が見える)にあるタンク↓に入ります。
タンクは仕切りが2つあって、上質・並・オマケで分ける。
もちろん美味しいのを絞った後に出るジュースがオマケレベル。
ここからジュースは熟成させる真打ちタンクに入ります。
ひとつのタンクでも、上下に分かれてたりする。
ジュースの質は細かく分けられ、間違わないようにタンク前にあるホワイトボードにメモするとか。
可愛いのは、タンクについてる飾り。
こういうのを見ると、フランス人のぶどう愛を感じるね
そしてシャンパン製造には厳しい管理を徹底する政府は、調査官を派遣して砂糖を違法に添加してないか検査に来るらしい。砂糖だけやなく、あれこれ検査するらしい。
さらにはボトルサイズにもうるさく、工場内にボトルサンプルがあった。
その話を聞くと、シャンパーニュ産でしかシャンパンを名乗るべからず、って規制はもっともやなと頷ける。
外国なら場所によっては「こんな感じでやっちゃえ〜美味しいやろ〜
」ってとこもありそうやし
そうしてから、エリーズ叔母さんちに到着したら、そこはぶどう畑の真横。
これは敷地の隣りに広がってる誰かのぶどう畑。
どんなぶどうかと思ってたらね、サイズ的には日本のぶどうみたいよ。
普段アメリカではマスカットサイズのぶどうに慣れてるんで、小粒のぶどうに日本を思い出して少し胸熱。
勝手に一粒もいで(叔父さんがほら食ってみ、と)食べてみたら、あんまり甘みは無かったな〜。やはり食べるぶどうとお酒になるぶどうは全然ちゃいますね。
シャンパンのぶどうを収穫する時、すべて手摘みやねんて
もちろん広大な土地に広がるぶどうを普段の人手だけではカバーしきれんから、季節労働者を雇うねん。
メラニーもこの労働者達の手配や準備に追われてた。
エリーズ叔母さん夫婦も実は裏手にぶどう園を持ってはる。
そして収穫後は自分たちで自家製シャンパンを作るねんて
個人製造して身内で楽しむ分には、当局は関知せえへん。でも少しでも売るとなると、役人がすっ飛んできて基準をクリアするか細かくチェック入れてくるってわけで。
立派なぶどう園なんて一朝一夕はおろか数年で簡単にできるわけでもないから、貴重な財産。なのでシャンパン製造ってのはぶどう畑を代々引き継いだ家族経営も多いとか。
なのに、エリーズ叔母さんの息子さんの内の一人が、自分がもらったぶどう畑を売っぱらったらしいから叔母さん夫婦はかなり怒ったらしい(身内でぶどう畑は固めておきたいから)。
まぁ、ぶどう畑の管理も大変やからなぁ…。
ぶどうが好き勝手に伸びまくらんように、丁寧に刈り込んだりせにゃならんし、病害は心配やし。
メラニーのご主人や義父さん(←熟練プロ)が、興味深い話をしてくれた。
いわば義父世代では、ぶどう畑の管理にはかなり豪快に薬品を使ってたらしい。
で、今は自然派に回帰してて、薬の使用はできるだけ最小に押さえるようにするのが主流。
そうしたら、何もかもが順調になった、と。
例えば虫害ならば、虫除け薬品よりも野生の鳥に任せる方がいい。
結果、シャンパンが以前より美味しくなる。
病虫害も難儀やけど、一番シャンパン農家が心配するのは、やはりお天道さまのご機嫌やねんて。幸い今年の天気はシャンパンにはベストな結果になったからみんなウハウハやけど、毎年そう都合良くいくとは限らへんもんね。
製造行程に非常に手間をかけるから、シャンパンは高価になる。
ずらずらっと並ぶ綺麗で見事なぶどう畑を見たら、これってまさに金の成る木の畑やねんな〜と思った。
シャンパンの故郷をアピールする巨大オブジェ発見
いつも気前の良いエリーズ叔母さん夫妻にドンペリ出してもらったことに気づかず、それがいかに美味しいかも理解できず、な女に応援クリック
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