夫が昨夜寝しなに見たフランスTVドキュメンタリー(元は多分BBC)のことを、喜々としてうちに報告してきてん。
ドバイにある、世界一高い建物ブルジュ・ハリファのこと。
夫はエンジニアなんで、このハリファ・タワーがいかに現代のテクノロジーとエンジニアリングを駆使して建築されたか、ってことに魅了されて、「あんなんで〜、こんなんで〜、しかもアレで〜」とうっとり語るねん。
マンハッタンと違って、あの土地は砂地やから地盤が弱いねん。せやから超高層ビルを支えるために、長さ43mの鉄杭を地下50mに何本もぶち通してん。
鉄杭が長いから、地面に通すんも摩擦が大変で〜。
ほな、そんなところに建てるな阿呆。
窓も全部ガラス張りやろ。でも暑い土地やから、ガラス越しに陽光入ったら外気温が60℃なら室内が100℃になるねん。せやから特殊なガラスを使って、室内温度がむちゃくちゃ上がらんようにした。
全面にガラス使うな阿呆。
しかも途中でその特殊ガラスの会社が倒産してしもて、工程進捗に影響出そうで大変やった。でも別の会社見つけてきて、それでなんとかなった。
最初にわからんかったんか阿呆。
高層やから風がむっちゃきついやん。せやから風をうまくやり過ごすために建物の角度をすべて細かい計算してあるねん。
せやからそんな高層ビル建てるな阿呆。
びっくりなんが、設計が完成してへん段階で工事スタートしたんやで。てっぺんが一体どんな風になるか誰もわからんかった。とにかく世界で一番高い建物にするんや、ってことでプロジェクト開始したから。
…ほんっまにほんまもんの阿呆やな。
建物の一番上の針(と呼ばせてもらおう)かて、どうやって建てるか困ったんやて。だってそんな高いところに届くクレーンなんか存在せえへんやん。てなわけで、ブロック式にして、それを積んでいったら、結果的に828.9mに達したんやて。
最後に困るな阿呆。
なんとなくで828.9mにすんな、あと10cm頑張って829mにできんかったんか阿呆。
他にもなんか色々熱く語ってくれた夫やけどさ、語れば語るほど、うちは
男ってほんっまに阿呆やな…
て呆れた。
数年前にビーチでひたすら穴を掘ってたカレッジ男子らの姿が目に浮かんだわ。
穴の深さは2mはいってたはず。背の高い男子が「うぉ〜♡」言うて中に入っても頭が見えんかったもん。
ビーチで、何の意味もなく、ひたすらひたすら穴掘り。
それを楽しいと思うんは、男だけやろう。
砂場で楽しく(すぐに崩壊するもんを)工夫してあれこれ作って遊ぶんは、男児も女児も楽しむ。
でも男女の違いは、女子はいつかそれを卒業するってとこやな。男子はいつまでも男子のまんま。
ハリファ・タワーかて、そもそもは「世界一高い建築物を作る」っちゅー、男にはすごい意義のあるでも女には「はぁ?どんなけ暇?」なプロジェクト。
まぁね、気持ちもわからんでもないよ。
「こんな夢・野望を叶えよう!」ってことで野郎どもが集まって、それぞれに高い知識と技術を駆使して、不可能を可能に!て汗かくんやもん。楽しいやろう。
って…レゴ?
ガキども集合して、
レゴですごいもん作ろう!どうなるかわからんけど、とにかくすごいもんや!
と終わりも定めぬままにああだのこうだの額を寄せ合って、作業に熱中する、みたいな。
まぁ、こういう“阿呆なこと”に熱中する染色体Yのおかげで、人類は色んな発明だのなんだのを得てきたわけやね。そう考えると、うちの息子が阿呆なんは仕方のないことなんやな〜と身近に引き寄せて自分を慰めるおかん一匹ここにあり。
男が「この角度が…」って眉間にしわを寄せてる横で、女が「晩御飯何にしよ」「洗濯物乾くかな」って眉間にしわ寄せてきて、人間の生活が続いてきたんやな。
ちなみに男ってのは高い塔を作るんが好きらしい。昔何かで読んだ本には、それは「チンの大きさを競うようなもん」て書いてあったっけ(爆)
こんなけ阿呆三昧苦労三昧でやっとこさ世界一になったハリファ・タワーやけど、同じアラブ圏で「わしらもっと高いん作るし!」てプロジェクトがいくつか進行中やねんて(爆)
男尊女卑なアラブが競って高層建築に励むあたり、ほんっまに男臭い汗臭い胸毛臭いんがムンムンしてます。男にこだわる男どもに潤沢なお小遣いあったら、こういう方向へ走るんやな〜と。
夫は「機会があれば展望台に行ってみたいな♡」っちゅーてるけど、うちは絶対に嫌。
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