夕食もほぼ終わる頃、夫が自分の叔母さんからのメールをうちに訳して聞かせてくれてん。義母からも来てたから、そっちも。
ふたりとも結構長いメールなんで「へぇ~、ほぉ~」と聞いてる最中も、娘があれやこれや要求してくるし、息子はうちら夫婦の間に割り込もうとしてくるし。
しまいには息子がうちの椅子を動かしてきたもんやから、「ええ加減にせんかい!」ってうちも怒る。
途切れ無い邪魔にじわじわイラつき始めてた夫も、息子に「歯磨きして一人で寝ろ~っ」って怒る。

うわ~ん、って泣く息子。

父親に追っ払われたはずやのに、さりげな~く戻ってきてはうろうろ。
そして娘は「シャーベットちょーだい♡」ととっておきの笑顔で、ラズベリーシャーベットをせしめる。

息子はお腹いっぱいや言うてたのに、デザートのシャーベットだけは欲しい。

「パパ、ちょうだいぃぃぃ」
「ママに聞き」
「ママ、ちょうだいぃぃぃぃ」
「パパに言い」
「パパぁ、ママがパパに聞け言うた」
「ママがええ言うたらええで」
「ママぁ、パパがママに聞け言うた」
「パパはええ言うたんか?」
「うん」
「嘘つくな、アホんだら!」
「パパぁ~」
「ママに聞き」
「ママぁ~」

と、こんなやりとりが延々と続く我が家。
でも息子はすごい楽しみにしてるし、ちょっと仏心を出してやることにした。

「せやな、夕食の前に妹と楽しく遊んでやっとったしな。いけずもしてたけど」「優しいお兄ちゃんできてたから、デザート出したろ」

喜ぶ息子。
ラズベリーと桃とマンゴーの三種類を入れてもろて、嬉しそうに食べ始める。
娘はとっくに食べ終えて、父親の膝に収まってスマホの画像を見てる。
その妹をしつこくおちょくり始める息子。…いつもの事やねんけどね。

「息子っ。娘がぎゃーぎゃーうるさくなるから、あおるんやめい!」ってうちが言うても、まだしつこい息子。
「息子っ。あんまりしつこいと、デザート没収やで!」ってうちが言うても、まだ小声で妹をあおる息子。

洗い物してたうちは、中断。
「警告したやろ。没収や」と、光の速さで息子のデザートを取り上げた。
お気に入りのラズベリーがほぼ丸々残ってたで。

うわ~ん、と大泣きする息子はそのまんま歯磨きへと追い立てられてった。

ふとうちは、なんかこれ前に聞いたことあるような?って思ったんよね。
あ。
芥川龍之介の、『蜘蛛の糸』まんまやん。

たったひとつの善行のおかげでお釈迦様(?)がせっかく地獄から脱出するチャンスくれたのに、調子こいて自爆したカンダタってAHOの話。
ぜひ息子に読ませないかんねぇ~♡

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