午後真っ只中、呼び鈴が鳴ってん。
ま~、だいたいこういうんは配達か寄付か、ってとこ。窓の外見たら配達トラックらしきもん無いから居留守しよ思ったのに、娘が玄関先でスリッパぱたぱたと派手な音させるから、しゃーないやん。

Child Fundってとこから来た二人組やった。
はぁ~、なんか知らんけどまた金寄越せ、かいな。ほんま面倒臭い。

若い二人組がしゃべりだした時に、うちはかねてから準備してた台詞を言うた。

「ごみ~ん、あたし、ベビーシッターやね~ん」

なんと効果てきめん!
二人は「おぉ~、そうなの」と一瞬で「こらあかんわ」モード。
しめしめ、思ったんもつかの間。
「で、この家の人ら、いつ戻ってきはるん?」

ぬ。そう来たか。

「ん~、6時か7時か。ようわからんけど」←なんでベビーシッターが知らんねん、ってツッコミは無かった

二人組、また来るわ~と明るく去ってってくれた。

めでたしめでたし!




で終わってたらどんなに良かったか。
夫が帰宅した18時頃、その二人組がやってくるんが窓越しに見えてん~。
ほんまに戻って来たやんっ。
うちは娘におっぱい飲ませてたから、逃げられず。でも、向こうから見えんとこに隠れた。
夫には「ベビーシッターやねんって嘘ついてん」「隠れとくし」って言うて、対応任せた。

で、夫はすんごーく愛想がええねん。
「そうか、そうか~」みたいに、かなりフレンドリー。
断らんのか?

結局「じゃ、妻が帰宅したら相談するし」なんて畳むやん。
先方は「何時に戻ってきはるん?」って聞いてきて、夫は「1時間くらい後」なんて答える。
死んだ、言うてや。

うちさ、最初に二人組が来た時、むっちゃ明るいオレンジ色の長袖Tシャツ着ててん。蛍光まではいかんけど、結構インパクト強い色。
しゃーないから、変装することにした。
胸んとこV字型に開いた、小洒落たブラウスと長めのタイトスカート。ついでにコンタクトレンズからメガネにして、髪の毛も一部結ったりして。

その二人組、きっちり1時間後に戻ってきたわ。
しかも、明るくウキウキしてさ。だってあんなに夫が理解ありげな対応してたら、ノルマこなせる~って期待してもおかしゅうないわ。
ほんま、ええ顔しいな奴って罪作りやわ。しかも自分で断らんし。

「あぁ、あなた達のことはうちの妹(sisterやからどっちでもええけど)から聞いてます」

そう、うちはベビーシッターは妹やった、てな嘘を上塗り。そうしたら似てる?て思っても当然やろ。

「でも、うちとこも小さい子ふたりいてますねん(ほら、足元におるやろ~)」
「この子らのために、親としてはできるだけ将来に備えて貯金してやりたい思いますねん」
「せやから、アフリカの幼児のフォスターペアレントになるってのは、責任をいつまでまっとうできるか不安で、今はとても無理です」

二人組の顔から、しゅ~って笑顔が消えるんを見るんは、心痛んだわ。
でも、中途半端するよりずばっと引導渡す方がええと思うねん…って、最初に嘘ついたんこっちやけど。

この活動、フォスターペアレントとして月額28ドル(ま~、3000円やな)を一人の子担当して支払い続けて助けてあげてくれ、というもの。
立派やと思うで。
けど、年額36000円。
うちら、歯科医がしれっと5万円請求してくるようなところに住んでる。
昨年の夫の肺炎がらみの医療費は、あれこれ含めると100万円近い損失(って言うてええもんか?)になってる。
自分らの子供の未来を確保するのも手探りに近いもんあるアメリカ生活。
正直言うて、冷たい女やと思われても、アフリカの赤ちゃんの未来までうちは背負うことは気持ちが重たすぎる。途中で「や~めた」なんてできへんやん。

それと、この訪問してきた二人組やねんけどな…明るくて礼儀正しいのはええとして、な~んとなく

宗教勧誘っぽいムード

が漂ってたんはなんでやろな?
自分らは正しいことしてる、って完全なる善意と使命感に突き動かされてるから?

冷酷で我が身が一番可愛い嘘つき女に騙されたとはいえ、馬鹿正直に2回も戻って来たあたり、アフリカの赤ちゃんより彼らの未来の方が微妙に心配やったりするわ。

それにしても、こういう訪問を「断る系」って、ぜ~んぶ、うち。
下手に夫に任せると、アホな同情心で胡散臭い物乞いにも騙される奴やし。
(参照記事→『狙い目は、夫』)

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