夫の実家は、三階建て。
正しくは、半地下のフロアーがあって、そこはガレージ、洗濯室、シャワー室、そしてワインセラー(お約束)があるだけ。
正味の生活エリアは、メインフロアーと、その上。
裏庭は、やたらだだっ広いのがどかーんと広がってる。ほとんど、無駄。
なんで居住面積を広げて建ててへんのか、うちには不思議でならん。
大昔は、この裏庭にウマとかヤギとかおったんやろうか???
夫は、この三階建ての実家が好かん。
階段を上り下りせにゃならんのが面倒この上ないからなー。
うちもひっそり同感やわ。
で、寝室のある上階には、お洒落なバスルームはあってもトイレが無いねん。
夜中に目が覚めた時にトイレ行きたかったら、磨き上げてあるつるつるのウッドフロアーを滑らんように静かに歩き、ドアを開け、階段を降り…そして、ととにかく面倒臭い。
せやから、うちらが家探しをしてた時、夫の希望条件は、
絶対に、平屋
やった。
うちも子どもの頃は二階建ての家(トイレひとつだけ)に住んでて不便したけど、二階にもトイレがあればそれで別にええやん?って思ったやけどね。
ってことで、現在の家は、平屋。
バスルームも二つあるから、ひとりが立てこもってても大丈夫。
アメリカの家は主寝室にバスルームがあって、これはええねー。
フランスはそうでもないらしい。豪邸は知らんけど。
アメリカ東海岸の家事情は知らん。
でも南カリフォルニアでは、家は木造が圧倒的に主流やねん。
伝統的みたい。
エドワード・ファーロングとキャシー・ベイツが出演した『母の贈り物』って映画で、アメリカンが家を建てる様子を見たうちは、カルチャーショックを受けたで。
「こんな簡単な建て方で、ええんか?」
みたいな。
ええみたいやね。
地震もあるから、軽い造りの方が好まれてるんかな。
小学校とかは、見た目すごいちゃちい掘っ立て小屋で、平屋。
あれも地震対策と考えると、安全やけど…うちから見るとしょぼくて寂しい。
ほんで、我が家は築50年。
日本でそんな家やったら、みんな「古っ! いつ建て替えるねん?」って思うけど、南カリフォルニアではまだまだOKやねん。
シロアリ対策さえちゃんとしてたら、100年くらいへっちゃらー。
湿気が少ないからかね?
ほんで、フランスの家。
夫の実家は、築100年を軽く超えてる。←これでもまだヤングな家。
それを義父母は親戚や友達の手伝いも得ながら、何年もかけてどんどん改装して快適に綺麗に仕上げてきた。
今までの総費用だけ見ると、義父母は
「全部建て替えられたなぁ…」
なんて言うてるわ。
石造りの家がデフォルトなフランス。
家の壁も厚い。
立派な家ともなると、石造り壁の厚さが40cmやて。
…蛮族の侵入がよっぽど怖かってんな。
40cmもあったら、弓矢射られても大丈夫やね。多少の砲撃でも持ちこたえられるで。安心。
侵入や戦争にトラウマになってる歴史を感じるわー。
夫の従兄弟や、幼馴染達。彼らは地価の安いとこに新築で家を建てたりしてる。
それも、親戚・友達の協力を得て、全部一から建てるねん。すごいわ、ローカルフレンチ。
フランスの田舎って言うたら、古臭いイメージがあるかもしれんし、実際うちもなんとなくそう考えてた。
けど、彼ら、実にモダンやねー。
夫と同年代の人らの家の中を見ると、すごいモダンでシンプルでお洒落。うっとり。
センスがちゃうなーって感心する。
反対に。
アメリカの家は、どうも野暮ったいのが多い。
家具屋に行くと、なーんかじーちゃんがパイプ吹かして座ってるような椅子とか、アンティックの変形?みたいなセンスの家具が多くて、とほほな気分になる。
考えるに、フランス人は古臭いものにうんざりしてるんちゃうかな。
ヨーロッパも古い歴史あるから、古いもんに囲まれてるやろ。せめて室内は明るく軽やかにしたい。
で、アメリカは、若い国。
せやから、やたら格式ぶったようなんをありがたがるんちゃうかな。
まー、お洒落のセンス自体が日本やフランスとは比較にならん低さやけど。
うちら日本人は、簡単に“欧米”って言うてまうけど、家ひとつとってみても、全然ちゃうなーってつくづく思うで。
ってことで、我が家は合理的なアメリカの家に、モダンなフランスの中身を入れようと目指してる。
ほんまは、うち、タタミの部屋も欲しいなぁ…。
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