大学ラグビー選手権準々決勝。
注目の試合はなんといっても早稲田対京産との試合だった。
ラグビーライターの村上晃一さんもその週の最注目として取り上げていたし、どっちが勝つか分からないと述べていた。
ラグビーファンも同じで、かなりの接戦になるのではないかと予想していた。かくいう自分も京産が勝利すると予想しつつ、早稲田の勝利もありえると本気で思っていた。

しかし、蓋をあければ京産の圧勝。ほぼ前半には勝負を決めていた。後半こそ早稲田の一矢報いる場面もあったが、それ以上に京産は早稲田を叩きのめした。
どうして大半のラグビーファンは予測を間違えたのだろうか?
過去の戦績や直近のパフォーマンスに引きずられた部分があったのか。

早稲田は対抗戦の帝京との試合では、残り10分の時点で3点差まで迫る接近戦を演じた。逆転勝利もありえた状況で結果的に帝京に負けたが、希望のもてるグッドルーザーだった。
ただ明治との試合では大敗している。伝統を紡いできた早明戦であそこまで遊ばれた早稲田ははじめてみたかもしれない。
これをみれば、京産に負けることも十分予想できたはずだが、不思議とこの試合はあまり参考にされなかった節がある。

過去のことでいえば、早稲田と京産との通算戦績は圧倒的に早稲田が勝利している。そして去年も京産とのゲームで京産優位の予測ながら早稲田の試合巧者ぶりがあって勝利した。(1点差の薄氷を踏む勝利だったけど、勝ちは勝ちである)。
今年も早稲田が勝つのではないかと予想するには十分な根拠があった、と思えた。
ところが実際は去年の出来事などなんの参考にもならなかった。

もうひとつ、ラグビーの競技で重要なのは、フォワードとスクラムが圧倒的に不利なチームはほぼ負けるということ。
今年の早稲田は従来以上にスクラムで脆弱性を露呈した。
あそこまで弱いとまずは勝てないと考えるべきだったが、明治戦では意外とスクラムで拮抗しており、あれには騙されたと感じた。
対抗戦では帝京との試合でもスクラムで不利であったが、帝京がありえないほどミスを連発したし、なおかつモールなどを封印して手の内を明かさない余力を残した試合だったので参考にしてはいけない試合だった。
それをみんな、今年の早稲田はピーキングが上手い。さすが早稲田だと勘違いしたのだった。

まとめてみると、

・過去の戦績は無視すべき
・ラグビーの原則論に立ち返る
・参考にすべき試合を選ぶ

となる。
振り返ってみると、大学ラグビーの終盤でも参考にすべき試合と無視すべき試合は混在しているという印象をもった。うまく選別できる人がただしく予測できるのかもしれない。
原則論は、まさにフォワードこそラグビーの基本。それを考えると、個人的にはエディーさんが言う超速ラグビーが本当に根本的な解決策となるのか少し懐疑的に感じている。