エディージョーンズさんが次の日本代表の方針を発表したとの記事を軽く読んだ。超速ラグビーを標榜し、力で負けるなら早さで勝負するそうだ。
この話は就任発表当初から掲げていた話なので目新しさはなかったし、今更感もあった。
なぜなら、日本はむかしからスピードで勝負するしかないというのが定説だったからだ。今に始まった話というよりも、埃の被った過去のマニュアルを掘り返した感が強い。
しかも、そのスピード勝負でどうなったかというと、結果を出せなかったのが実情ではなかったか。
帝京がフィジカルをどこよりも強化して初優勝したときに批判されたのが、大学ラグビーでは通じるけど国際ゲームでは通用しない。早稲田のような早い展開こそ正しい方針だと言われていた。早稲田は負けた側だったのに…。
しかし日本はフィジカルから逃げない方針を示したことで世界を相手に勝てるようになった。帝京の方針が正しかったのだ。
そもそも巷に流通する日本人は小柄だから云々のくだりは、疑問が多い。まず半数近くは外国出身者である。しかも最近の日本人はそんなに低いわけではない。
外国の強豪チームには日本人の平均身長並みの選手がゴロゴロ活躍している。南アフリカ代表のデクラークは実情160センチ台だろうが大男を止めていた。
結局のところイメージだけで語っているのではないかと思わずにはいられない。
エディーさんもフィジカル勝負から逃げるとは言っておらず、フィジカル強化と同時に速さを求めるのだろう。それだと従来通りと変わらないことになる。
それでエディーさんは本当に革新を見せてくれるのか。この方針から疑問符が超速で頭をよぎった。
スピードで勝負するというのは、強いフィジカルの前では机上の空論だったということを長い歴史が証明している。
この歴史を転換できる日が本当にやってくるのだろうか。