大学選手権がもっとも盛り上がる瞬間が準々決勝。
シード権を獲得したチームが勢ぞろいしたうえに、3回戦を勝ち進めてきたチームがリベンジに燃えているからだ。

今回の最大の注目は、やはり帝京対関学!…と言いたいところだが、残念ながら一番結果が予想できるので、一番関心が低いかもしれない。
逆にまったく見当がつかないのが早稲田対京産の試合だ。
昨年度も対決して1点差で早稲田が劇的に勝利したストーリーがある。

みどころは、セットプレーとタックル、そしてカウンター攻撃である。
京産大は強みのタックルで早稲田を封印して、ひたむきに押し進めると思われる。
一方の早稲田は高い集中力で相手の隙をついた連携で得点をあげる力が高い。カウンター攻撃は早稲田の十八番である。

問題はセットプレー。スクラムでは京産がやや有意だが、おそらくペナルティーをとるほどの差はないと思われる。
しかも京産のラインアウトは不安定で、トータル面で言うとむしろ早稲田のほうが有利に運ぶかもしれない。
セットプレーは崩れるとアンストラクチャーが生まれやすく、そうした中で早稲田がボールを持つと京産は大きなピンチを招く。
この試合はロースコアになれば、つまり京産大のディフェンスがしっかり機能すれば京産の勝つ可能性が高い。
しかしディフェンスの連携がうまくいかず得点の取り合いになった場合、有利になるのは早稲田だ。
早稲田のスピードに最初は対応できず、前半は一気に早稲田が大量得点を重ねるケースも考えられる。

早稲田は先週の日曜日に試合をしたばかりで、中5日で移動日を除くと4日。月曜日は休養日だったろうから、調整できたのは実質3日あったかどうか。
後半までもつれる展開になれば、体力のある京産が有利になる。
京産が出だしできっちりと早稲田と食い止めれば勝利する可能性が高くなるし、逆に早稲田は前半にいかに得点を積み重ねることができるのか。そこが勝敗を分ける分岐点と思われる。

そして最後に個人的にどちらが勝つかと考えると、京産と見ている。