晴天に恵まれた17日は、大学ラグビー選手権の3回戦がおこなわれた。注目カードはいくつかあったが、とくに予想困難だったのが筑波対流通経済の対戦だった。

結論から言えば筑波が僅差の勝利。やはり手に汗握る好試合になった。
両チームともそれぞれ強みが違い、面白いゲームでもあった。
流通経済はスクラムで筑波を圧倒し、筑波はバックスが堅調。とくに試合巧者ぶりが光った。
ディフェンスは厳しいとなればペナルティーキックで刻み、とにかくリードを保った。最後は6点差だったことを考えるとキッカーの精度が勝敗を分けたといえる。

ほかの対戦をみると、早稲田対法政。
こちらは早稲田が圧倒するだろうと予想していたが、予想以上の圧勝だった。
刮目すべきはスーパールーキーの矢崎選手。いまの世代で頭一つ抜けた選手である。彼の活躍もあって大量得点で法政を退けた。法政も後半はなんとか爪痕を残すトライをあげたものの、勝敗にはなんら影響を与えず。

慶応対天理は、個人的に天理がかならず勝つと考えていたが、その通りに。
慶応はなんとか後半にトライを2つあげて体裁を保ったが、実力差は明らかだった。
気になったのは慶応が初めから弱者の戦法でハイパントを仕掛けてきたこと。しかしこれは諸刃の剣で、そのほとんどは慶応のノッコンになり相手ボールのスクラムになった。そしてスクラムは天理が圧倒。
結局のところハイパントは慶応自身を苦しめるだけだった。もう少しキャッチの精度が高ければ効果があっただろうが、これといった高身長の選手がいるわけでもなく、上手いわけでもない。つまり一か八かの賭事だった。下手に帝京戦で通じると思い込んだことが仇になってしまったか。
今回の慶応がトライを取ったのは展開からとモール。根気強くオーソドックスに攻めた方が勝つ可能性はこちらのほうが高くなっていたかもしれない。

3回戦はこんな感じの雑感だったが、いよいよ23日は準々決勝。ここからが大学ラグビー選手権で一番盛り上がり、ワクワクする瞬間である。一堂に会して、予測もすごく難しくなる。
今回の試合結果を受けて、準々決勝のカードは、
●帝京戦対関西学院
●天理対東海
●京都産業対早稲田
●筑波対明治
となった。

ちなみに、コンプライアンス案件がない限り帝京と明治の勝利は揺るがないだろう。
つまり、問題は天理対東海と、京都産業対早稲田である。

ふたつの試合を予想すると、ともに一方的な試合になることは考えにくい。おそらく2トライ差の得点に収まると思われるが、一番むずかしいのが京都産業対早稲田の試合だ。こちらは早稲田が日程的に不利で厳しいかなと見ているが、今日の法政を圧勝した姿をみると分からなくなってきた。
両校とも得点をあげる力があり、スクラムもそんなに差はないと思われる。
打ち合いになれば早稲田が有利。ディフェンスの規律がしっかりと保てれば京産と見ている。

天理と東海の試合は僅差で天理かなと感じる。東海はバランスの取れたチームだが、これといった強みが見えず、あまり東海が勝つ姿が想像できない。
いまのところ個人的な予測だと準決勝は、帝京対天理、京都産業対明治になると考えている。