今日は、大学ラグビー選手権決勝戦。

帝京、明治、両校のみなさんお疲れ様でした。

そして、感動を与えてくれた帝京ラグビー部のみなさんありがとう!


ここまでの道のりを振り返ると決して順風満帆ではなく幾多の試練が立ちふさがり、優勝を危ぶまれた時もあったけれども、最後の最後まで自分たちのラグビーを信じてきたからこそ達成できた優勝ではないかと思う。

信は力なり。まさに今年の帝京はそれを体現したチームだった。


コロナ禍ということで、試合の開催自体が不安視された状況ではあったが、こうして無事に開催できたのは関係者が尽力してくれたおかげ。そのことにも感謝しなければならないだろう。


試合を振り返ると、試合開始直後は、帝京が押し込む形で展開を繰り広げ、緊張感のためかお互いにミスが目立ったが、ラインアウトで乱れたボールを押川が見事に反応して先制トライ。

10分には大注目のファーストスクラム。組み直しの際にはお互いに笑顔が印象的だった。結局、明治が斜めに入ったことによるペナルティーになった。

次にトライを取ったのも帝京だった。白國の見事なランで明治のディフェンスを切り裂き、トライ。コンバージョンはここまで不成功。

20分近くに帝京のペナルティーから明治のタッチキックで帝京陣内ラインアウトだったが、そこできっちり守りきる。

とにかく試合を通して帝京のディフェンスが光った試合だった。

25分のピンチもターンオーバーで堅守ぶりを発揮。30分には相手陣内で待望のスクラムペナルティーを獲得。細木キャプテンの咆哮が響く。

フェーズを着実に重ねて外に余った白國にボールが渡り、トライ。

さらに前半最後は白國が廣瀬のパスをインターセプトして劇的なトライ。白國は高校時代に無名で、けっして体格も恵まれてるわけではないが、努力でここまで活躍できるのだということを示す象徴的な存在となった。

一方でこれだけトライを重ねながら、高本のコンバージョンがすべてはずれている。こうしたコンバージョンが後々で響く可能性もあり、少し心配になってくる。


後半は最初にトライをあげたのは明治。まだ勝負の行方は分からない中で、明治は食らいつき、存在感を示す。

帝京は前半と比べてパスの精度が少し落ちてしまい、ミスが目立った。

後半の中頃はしばらく一進一退が続き、明治はフロントローを交代。帝京も照内から津村に交代する。

何度も組み直して、いちど軽度のペナルティーを取ると、再びスクラム。そこで帝京がペナルティーを獲得してタッチキック。

ラインアウトから慎重に繋いで、ゲインを繰り返しながら最後は奥井のトライ。ようやくコンバージョンも成功。

残り10分のスクラム。ここでも帝京が明治を粉砕する。

35分には明治の鬼気迫るアタックでトライを献上する。

コンバージョンも成功して27-14。まだ明治の逆転もありうる状況だった。

明治のノッコンからスクラム。再度押し込んでペナルティー。タッチキックからモールも明治に阻まれて再びスクラム。このスクラムはうまく行かず。

2分を切って4人が交代。

細木キャプテンは終了前から涙をこらえて試合を見守り、フルタイムになると泣き崩れる。優勝へ向ける気持ちがいかに強かったのかを示す姿だった。

今日の勝利は、帝京の時代を再び引き寄せる圧勝だった。

細木キャプテンはインタビューでも泣きながらしっかりとしたコメント。岩出監督ももらい泣きで目を赤くしながら落ち着いたコメントも素晴らしかった。

岩出監督が述べられていたように、連覇中の勝利もとても嬉しかったけれども、一度停滞しながら、再び優勝できた価値というのはとても大きいものと感じた。


一年を通して大学ラグビー全体を俯瞰すると、やはり今年ほどスクラムが大きな存在感を示した年はなかったかもしれない。

決勝戦も、勝利を確かなものにしたのはスクラムだった。早稲田のような才気煥発のバックスが揃うチームでもスクラムが弱いと正月越えを果たせないなど、今後ともスクラムの重要性はよりいっそう喧伝されるだろう。 


そして、帝京が勝利に導けたのは、熱い気持ちをもったキャプテンがいたからこそ。まさに今年の帝京は、キャプテンの貢献がとてつもなく大きな年となった。

学生というのはキャプテンによってここまでチームが変わるのとのなのかと改めて思い知られた。それだけに来年、帝京が再び連覇の時代を築くためにも熱い気持ちをもったキャプテンが就任してくれることを祈っている。


とにかく今日はお疲れ様でした。

しばらくはこれまでの緊張感をほぐして体をいたわり、次に向けてしっかりと休養してもらいたいと思う。

そして今日は優勝おめでとう!

ラグビー部のみなさん、ありがとう!