ボス猫と我道 -7ページ目

ボス猫と我道

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いつもの見慣れた街並みだがそこには普段見かける猫の姿はない

 

見慣れない猫が頻繁に出入りするようになり新鮮組の猫達は徐々に広場で見かけなくなっていた

 

唯一近藤さんだけが広場の看板の上でくつろいでいたが

 

その頻度も段々と少なくなり日が経つにつれ見かけなくなっていった

 

ヤマトの実子である黒猫二匹は広場に陣取るようになり

 

恐らく幹部クラスであると思われる用心棒のサバトラ猫も常住するようになる

 

駅前は食料が豊富だ

 

それにコンビニの駐車場にいれば人間が餌をくれる事もある

 

普段のカリカリとは違うご馳走にありつけるようになり味を占めたのだろう

 

追い出された新鮮組は本部の餌場近くに留まるようになり次第に大人しくなっていく

 

だがまだ敗北した訳ではない

 

頻度は減ったが時折深夜には喧嘩の鳴き声が聞こえる

 

しかしその戦力差は一目瞭然

 

ちょっかいをかければヤマトサイドからすぐに増援が駆けつける

 

数の暴力に成す術もなく逃げ出すしかなかった

 

神妙な面持ちで広場を眺める近藤さん

 

静かなるドンはまだ動かない

 

だが人間が介入する訳にはいかない

 

それは暗黙の了解であり厳しい猫社会の掟

 

ただ見守る事しか出来ない己の無力さを痛感するばかりだった

 

それからしばらくして恐れていた事がとうとう現実となる

 

朝方コンビニに向かう途中鳴戸が出迎えてくれた

 

だが様子がおかしい

 

片方の目は閉じ片足が不如意な様子

 

かすれ声で小さく鳴き痛みに耐えながらこちらに寄って来る

 

よく見ると全身酷い怪我だらけだった

 

後に判明した事だが相手はヤマトの相方である佐川

 

武闘派同士の激しい衝突の末互いに負傷していたのだ

 

佐川も尻尾の肉が見える程怪我を負っており本部近くに留まるようになる

 

そして軽症ではあるが肘方もまた負傷しており主力にガタが来ているのは一目瞭然だった

 

生倉は安定の無傷です

 

とにかくこのままではマズイと判断した俺は先に重症の鳴戸を病院に連れていった

 

診断結果は全治一か月

 

しばらく怪我のない環境で治療に専念する事になった

 

悔しそうな鳴戸だったが大好物のササミを与えるとすぐに嬉しそうに食べた

 

功績を称え栄養のつくカルカンパウチも与えおやつにちゅーるを献上

 

それからぼんやりと外を眺めながら治療薬入りのちゅーるタワーを頬張る

 

食欲はあるようなので一安心だ

 

注射がトラウマの肘方は軽症な事もあってか通院を拒否

 

かすり傷程度なのでしばらく時間を置けば治るだろう

 

かくして抗争において中核である鳴戸を失った新鮮組

 

縄張りであった駅前広場は完全に陥落した