次、たこ焼きパーティーに呼ばれたら絶対いかを持っていこう。
次の次、たこ焼きパーティーに呼ばれたら素知らぬ顔で銀だこを持って行って…
いや、たこ焼きパーティーって聞いたし…
というボケをやって
「君は二度とたこパには呼ばないぞっ!?」
とロバートの秋山さんみたいなテンションで誰かに叱られたいなー
なんて思いながら銀だこに並んでいました。
ちなみにたこ焼きパーティーには一度も呼ばれたことないです。
もっと白状すると
数年前までNHKの教育番組に出ていたのですが、そこでよくたこパの回があって、しらっとたこパをした側のスタンスで発言していましたが
一度もたこ焼きパーティーには呼ばれたことがないです。
たこ焼きパーティーをたこパと省略する権利も僕にはないんじゃないかなと思いながら参加していたと思います。
そんなことを地続きに思いながら並んでいると、
「ねー、なんでイカ墨パスタはあるのにたこ墨パスタはないのー?」
と僕の後ろで、ママに無邪気に質問攻めをしている子供がいました。
ママも答えに詰まっていて、「なんでなんだろーねー」と受け流していました。
それからママに見切りをつけた子供は僕を見つめます。
よく澄んだビー玉みたいな瞳をしていました。
僕はその輝きから思わず目を逸らしてしまい…
「大人が…大人が全部答えを持っていると思うなよっ」
と心の中で呟くと、
僕は、ゆずネギ明太を得る代わりに、680円と何かを失って
逃げるようにその場を後にしました。
それから近くの公園に行き、ベンチに腰を下ろしました。
僕の横のベンチにはすでに先客がいて、
50代後半~60代前半くらいのおじさんでしょうか。
おじさんは、まだ平日の真っ昼間だというのに
缶チューハイを片手にぼんやりと空を眺めていました。
よく見るとおじさんの前歯は上下がアンバランスに所々抜けていて、まるでテトリスのようでした。
そして、おじさんのビー玉は灰色に濁っていて…
僕はきっとこのビー玉もあのビー玉みたいに昔は澄んでいたのだろうな
と思いながら
黙々とたこ焼きを食べていたのですが。
しばらくすると…
突然おじさんが…
ボソッと
「かえりたいなぁ」
と呟きました。
おじさんの言う「かえりたい」はどこかに「かえりたい」の「かえりたい」だったのでしょうか。
それとも楽しかったあの頃に「かえりたい」の「かえりたい」だったのでしょうか。
それともこのおじさんはNASAの目をかいくぐってきた宇宙人で、
視線の先の、空のもっともっと先の、遥か彼方の惑星に「かえりたい」だったのでしょうか。
いずれにせよ
迷子なのでしょう。
かえらせてあげたいなぁ
もし、神様がこのブログを見ていたら
たまたま、暇をもて余した時でいいので
このおじさんをかえらせてあげてください。
そして、そこが過去ではなく、たこパがなくてたこ墨パスタのある星なら、ついでに僕も連れて行ってください。
きっと今よりずっと社会貢献しますので。
おじさんと共に。