よく、「大人になってから食べたらそうでもなかったよね」という説を聞くのですが、この説は紛れもない事実でした。というそういう話です。
ふと、薄くなったむぎ茶が飲みたくなりました。
でも、僕が飲みたいはただの薄いむぎ茶ではありません。
学生時代、炎天下の中、部活動や運動会の際に飲んだ、あの限りなく水に近いむぎ茶です。
喉が乾いて、でも、絶対に残っていないだろうと思ってそれでも水筒に口を着けた時…
いるんですよ、むぎ茶が!
氷が溶けて限りなく水に近くなったむぎ茶がまだそこにいるんです。
あの何とも言えない感動を味わいたくなりました。
というわけで、僕がリビングを通る度に「冷蔵庫からアイスを取って」とせがむ弟を無視して、お兄ちゃんがもっと凄い物を作ってやるぞという気持ちで…
『薄まったむぎ茶作り』を始めました。
ただし、むぎ茶を薄くして冷やして飲めばいいかというとそうではないです。
どれだけ素晴らしい建築物にも必ず設計図があります。
具体的なレシピを考えてから実行しました。
材料 (2人分)
むぎ茶パック 1個
水(約480ml)水筒
ロックアイス 約1/5(目分量)
夏休みに入った弟(71kg)
適度に脱水状態な和田(2こ)
1.まず下準備に、ティーパックを容器に入れ、むぎ茶を作ります。(このときすでにむぎ茶がある場合は時間短縮になります)
ここから一時間以上放置します。
2.そして、この間に適度な脱水症状の和田も作ります。冷房を切り室内の温度をあげます。リビングが温まってきたところで、夏休みに入った弟が不満を漏らし始めますが、大さじ2くらいの圧をかけ、黙らせましょう。
3.次に水筒に氷を半分くらいになるまで入れます。そして、ここで1で作ったむぎ茶の2/3は捨て、残りの1/3を水筒に投入します。そして、2の適度に脱水症状な和田と合わせてそれぞれ2時間程煮込みます。
4.この間に筋トレをしたり、甲子園中継やオリンピックのハイライトを観て気持ちを高めましょう。スポーツに興味の無い方は虚数や複素数のことを考え、自分を苛立たせてもいいかもしれません。
5.適度に脱水症状な和田と水筒が汗をだらだらと流し始めたら完成です。
ざっとこんな感じのレシピで作って飲んでみたんですけど…
やっぱりただの薄いむぎ茶なんですよね。
あの味は再現不可能なんです。
過ぎ去ってしまった時間は二度とは帰ってきません。どうってことのないことでも、人生は、一瞬一瞬が奇跡なのですね。
次回は『冷蔵庫の中でいつの間にか忘れられていた、ヴィンテージ焼きたらこ』の幸せ活用術についてです。